第50回大阪電通大チャリティーラリー
丹後半島ラリー2014

開催日時:8月29日(金)〜31日(日)
開催場所:京都府京丹後市周辺
スペシャルステージ本数:21本
スペシャルステージ総距離:102.28km
ラリー総距離:432.26km
SS路面:ターマック(舗装路)
SS路面状況:デイ1/ドライ一部ウェット、デイ2/ドライ一部ハーフウェット
ポイント係数:1.2

ラリー概要

全日本ラリー選手権も残すところあと4戦。ターマックの第6戦京丹後、グラベルの第7戦北海道、そしてターマックの第8戦高山、第9戦新城と続く。なかでもこの丹後半島ラリーは、モントレーから続くターマック連戦の2戦目であり、SS総距離が100kmを超えることからポイント係数も1.2倍で換算される。ターマックを得意とする選手にとって、ここ京丹後での成績が選手権を左右する。

デイ1のSSは13カ所、デイ2は8カ所と、全日本戦としては比較的SS数が多めの設定だが、いずれも4〜6kmのショートSSを複数回走行する構成となっている。デイ1はオープニングから「太鼓山A線」と「太鼓山B線」を2度、「大内線」「奥寄線」を走行。午後も若干本数を変えて同じSSを走行する。そしてデイ2は、デイ1の逆走となる3カ所のSSに加え、ギャラリーステージの「あじわいの郷」の4カ所を2回ループする。ほとんどのSSが2車線道路と1車線道路とが入り交じり、1本のSSの中にアベレージの高い区間と狭くツイスティな区間があるため、難易度が高いステージが多い。さらに、前戦モントレーに続き、晴れ、曇り、雨が、走行順やSSの場所によっても変わり、難しいコンディションを演出。SSのスタートとフィニッシュで雨脚が変わったり、霧に見舞われて視界を奪われるなど、走行順やコンディションの変化が選手ひとりひとりを翻弄することとなった。

丹後半島での全日本ラリーも3回目、セレモニアルスタートが行われた丹後文化会館やギャラリーステージが行われた農業公園あじわいの郷には家族連れを中心に約8000人(主催者発表)の観客が集い、夏休み最後の週末にラリーを楽しんだ。

JN6クラス:ランサーの奴田原文雄が今季3勝目

JN6クラスはSS1で新井敏弘/竹下紀子(スバルWRX STI)が、ベストタイムを奪い幸先のいいスタートを切る。しかし、昨年の丹後半島ラリーを制している奴田原文雄/佐藤忠宜(三菱ランサーエボリューションX)が続くSS2で逆転し、SS3もベストタイムを連取。そしてSS4、大雨に見舞われた新井はハイドロプレーニングによりマシンを破損し、群馬に続いてデイ離脱を余儀なくされてしまう。雨はSS8で石田正史/宮城孝仁(三菱ランサーエボリューションX)にも襲いかかり、リタイアの憂き目に。そんなコンディションのなかで奴田原は首位を維持。雨でペースが上がらない勝田範彦/足立さやか(スバルWRX STI)は2番手、3番手には高山仁/河野洋志(スバルWRX STI)が続く。

デイ2は天候が回復し、2番手の勝田がSS14、SS15とベストタイムをマーク。しかしデイ1のリードを覆すことはできず、奴田原が今季3勝目、丹後半島ラリー2連勝を果たした。2位は勝田、3位は高山。以下、4位は横嶋良/木村裕介(スバル・インプレッサWRX STI)、5位は福永修/マクリン大地(スバルWRX STI)、6位は今井聡/菅野総一郎(スバルWRX STI)が入賞した。

JN5クラス:鎌田卓麻が3連勝

JN5クラスは、今季2勝を挙げている鎌田卓麻/市野諮(スバルBRZ)がデイ1序盤からラリーをリードする。そんな鎌田に伏兵として挑んだのが、海外ラリー参戦のために欠場した川名賢に代わりラックGR86のステアリングを握った勝田貴元だった。

全日本F3ドライバーである貴元がラリーに参戦するのは3回目だが、道幅が広く車速の高い京丹後のターマックコースと、ペースノート走法に慣れてきたことが功を奏し、クラスベストをマークするなど鎌田を脅かすほどの速さを見せる場面も。しかし対する鎌田も持ち前の速さを発揮。デイ2のトップポイントは貴元に奪われたが、最終的には9.9秒差で鎌田が優勝を果たした。貴元が2位、3位には前戦モントレーに続き曽根崇仁/桝谷知彦(トヨタ86)が入賞した。以下、4位が山口清司/島津雅彦(トヨタ・カローラレビン)、5位が香川秀樹/浦雅史(ホンダ・シビックタイプR)、6位が松本琢史/萌抜浩史(ロータス・エキシージ)となった。

JN4クラス:竹内源樹が開幕戦以来の2勝目

今季3度目のクラス成立となったJN4クラスは、平塚忠博/鈴木裕組(スバルBRZ)が欠場。竹内源樹/加勢直毅組(スバルBRZ)がデイ1、デイ2ともに快走を見せ、開幕戦以来の2勝目を挙げた。2位にはTRDラリーチャレンジから全日本に挑戦してきた戸塚和幸/渡邊晴子組(トヨタ86)が、前戦モントレーに続いて参戦し、2位表彰台を獲得。3位には今季初出場の加納武彦/横手聡志(スバルBRZ)が入賞した。

JN3クラス:天野智之が全勝記録を伸ばす6勝目

JN3クラスは、目下全勝中の天野智之/井上裕紀子(トヨタ・ヴィッツRS G’s)に岡田孝一/漆戸あゆみ(マツダ・デミオ)や石川昌平/竹原静香(トヨタ・ヴィッツRS)らが迫る展開。天野が優勝、岡田が4位以下の場合に天野のチャンピオンが確定となるが、天野、岡田、石川の3台以外はすべてリタイアというサバイバルラリーとなり、初日のすべてのSSでベストタイムをマークした天野がリードを守り全勝記録をひとつ伸ばした。また、岡田が2位を維持したことで天野のチャンピオン獲得はならず。石川が3位に入賞した。

JN2クラス:田中伸幸が今季4勝目

今季5度目のクラス成立となったJN2クラスは、田中伸幸/藤田めぐみ(スズキ・スイフトスポーツ)が序盤から大量リードを築く。2番手の高橋悟志/箕作裕子(トヨタ・ヴィッツRS)も奮闘するが、タイヤのマッチングに苦しみタイムが伸びない。デイ2でも逆転は叶わず、田中が今季4勝目。高橋が2位、3位にデミオの東隆弥/藤田博文が入賞した。

JN1クラス:中村晃規が圧倒的な速さで3勝目

ターマックラウンドとなる京丹後ラリーでは、やはりRX-8が圧倒的な強さを誇った。中村晃規/古川智崇は総合順位でも12番手とJN5の上位に迫るほどの速さを見せて今季3勝目。2位は高篠孝介/廣島真(スズキ・スイフト)。ポイントランキング首位の中西昌人/美野友紀組(ダイハツ・ストーリアX4)は3位に入賞した。

総合結果

順位 クラス ドライバー/コ・ドライバー 車名 タイム
1 JN6-1 奴田原文雄/佐藤忠宜 ADVAN-PIAAランサー 1:09:20.1
2 JN6-2 勝田範彦/足立さやか ラック名古屋スバルDLWRXSTI 1:09:40.9
3 JN6-3 高山 仁/河野洋志 NENC IMMENS DLインプレッサ 1:10:57.2
8 JN5-1 鎌田卓麻/市野 諮 TEIN ADVAN スバル BRZ 1:13:06.2
12 JN1-1 中村晃規/古川智崇 DL・KYB・NETracingRX-8 1:14:36.4
14 JN3-1 天野智之/井上裕紀子 豊田自動織機・ラック・DLヴィッツG’s 1:15:36.6
16 JN4-1 竹内源樹/加勢直毅 CUSCO ADVAN BRZ 1:16:02.8
27 JN2-1 田中伸幸/藤田めぐみ 加勢eレーシングYHクスコWMスイフト 1:20:16.6

注)クラス区分については全日本ラリー選手権の基礎知識をご覧ください。

参考総合結果表: 2014_rd06(PDF)  2014_rd06(Excel)

ご注意:ここに掲載の本レポートおよび結果表等はJRCAが独自に取材、入手したものでJAF公式発表のものではありません。従ってJRCA以外から発表されるそれらのものと若干異なる場合や誤りのある場合もありますので、あらかじめご了承のうえ参考資料としてご覧ください。

ダイジェスト動画

2014年 全日本ラリー選手権 第6戦 丹後

イベントフォト