ラリー北海道

開催日時:9月26日(金)~28日(日)
開催場所:北海道帯広市周辺
スペシャルステージ本数:16本
スペシャルステージ総距離:182.28km
ラリー総距離:731.80km
SS路面:グラベル(未舗装路)
SS路面状況:デイ1/ドライ、デイ2/ドライ、一部ウェット
ポイント係数:2.0

ラリー概要

全日本ラリー選手権第7戦は国内唯一の国際格式ラリー、APRC(アジア・パシフィックラリー選手権)と併催となるラリー北海道。帯広市を中心として近隣の市町村にもSSを設けた国内最大級のラリーだ。

昨年まではAPRCと全日本ラリーでまったく同じアイテナリーだったが、今年はレグ2のアイテナリーを別とし、全日本ラリーは日曜日の14:33にポディウムフィニッシュを行う短縮日程。それでもSS総距離は180km以上、ポイント係数も2.0倍と、この1戦で通常のラリー2戦分のポイントとなる。それだけにタイトルを狙ううえで誰もが優勝したい大事な1戦だ。

金曜日の午後から北愛国交流広場で行われたラリーショー、セレモニアルスタートでラリーは華々しくスタート。陽が落ちた18:00から隣接するSS1サツナイリバーを実施した。金曜日は観戦も無料とあって、帯広市民にとって毎年の風物詩となっているラリー北海道は、大勢の観客が観戦に訪れた。3日間通しての延べ観客者人数は4万7662人(主催者発表)にも上った。

本格的なラリーは土曜日から。3カ所の林道SSとリクベツサーキットを繰り返し走行し、夕方にサツナイリバーを走る10SSの戦い。日曜日のレグ2は音更町、本別町、足寄町に設けられた3つのSSを走り、やはりサツナイリバーで終了となる。

平均スピードが高いことからマシンへのダメージも大きく、例年同様コースオフやマシントラブルでリタイアする選手が続出。38台中11台がリタイアの憂き目に遭った。なお、JN4クラス、JN2クラスは参加台数不足により不成立だった。

JN6クラス:奴田原文雄が4勝目でチャンピオンに近づく

新井敏弘/竹下紀子(スバルWRX STI)がAPRCエントリーで全日本を欠場したことで、JN6クラスは勝田範彦/足立さやか(スバルWRX STI)と奴田原文雄/佐藤忠宜(三菱ランサーエボリューションX)の2台によるチャンピオン争いが白熱した。オープニングのSS1で奴田原がトップタイムをマーク。0.4秒差の2番手に勝田、3番手には新井の全日本車両を駆る息子の新井大輝/田中直哉(スバルWRX STI)が勝田の0.7秒後方につける。

明けた土曜日は奴田原と勝田の一騎打ちとなった。午前に用意されたSS2とSS3は奴田原、SS4とSS5は勝田がベストタイムを奪い、この時点でふたりが同タイムに並ぶ。午前のリピートステージとなるSS6とSS7も奴田原が連続ベストタイムで首位を維持するが、続くSS8で奴田原がスローパンクチャーに見舞われ勝田が首位に浮上。奴田原は37秒遅れの2番手に順位を下げた。しかしSS9で今度は勝田がバーストによりコースアウト。脱出に手間取りベストタイムの奴田原よりもこのSSで大幅にポジションを落とし勝田の優勝の可能性は消えてしまった。

レグ1終了時点で、奴田原と2番手以下との差は1分30秒以上。レグ2も奴田原は後続との差を徐々に広げ、最終のSS16をベストタイムで終えた奴田原が今季4勝目をマーク。2位は大嶋治夫/井手上達也(三菱ランサーエボリューションIX)が今季初表彰台、3位にはJN4クラスで選手権をリードしている竹内源樹/保井隆宏(スバルWRX STI)が、JN6クラスとして自身初の表彰台を獲得した。以下、4位が永由元人/馬場裕之(三菱ランサーエボリューションIX)、5位が新井大輝、6位が浜田康明/白水順一(スバル・インプレッサWRX STI)という順だった。

なお、勝田はJN6クラス9位+レグ2のデイポイント3点を獲得。チャンピオン獲得の可能性はまだ残されている。

JN5クラス:鎌田卓麻が自身初の全日本タイトル獲得

JN5クラスは3勝でタイトル獲得に王手をかけている鎌田卓麻/市野諮(スバルBRZ)がレグ1で首位。2番手の川名賢/竹藪英樹(トヨタ86)が58.7秒、3番手の石田雅之/遠山裕美子(トヨタ86)が川名から1分41秒2遅れと鎌田がリードを築く。

続くレグ2も鎌田は4カ所のSSでベストタイムをマークするなど首位を快走し、今季4勝目を挙げるとともに、2014年のJN5クラスタイトルを獲得した。2位は川名、3位は石田、4位は粟津原豊/安東貞敏(トヨタ86)、5位は増川智/山岸佑也(トヨタ86)と、クラス上位を86/BRZが占める結果となった。6位は松原久/和田善明(ダイハツ・ブーンX4)。

JN3クラス:天野智之、開幕戦から連勝でチャンピオン奪還

JN3クラスは、全勝記録を伸ばし続けている天野智之/井上裕紀子(トヨタ・ヴィッツRS G’s)が今回もその強さを見せつけ、レグ1すべてのSSでベストタイム、レグ2も2カ所でベストタイムをマークし完勝。JN3クラスチャンピオンを決めた。2位は石川昌平/竹原静香(トヨタ・ヴィッツRS)、3位は南野保/ポール・サント(マツダ・デミオ)が入賞。4位は岡田孝一/漆戸あゆみ(マツダ・デミオ)、5位は鎌野賢志/蔭山恵(トヨタ・ヴィッツRS)、6位はいとうりな/渡邊駿毅(マツダ・デミオ)となった。

JN1クラス:中西昌人が2010年以来のチャンピオンに

5台がエントリーしたJN1クラスは、中西昌人/美野友紀(ダイハツ・ストーリアX4)と高篠孝介/廣嶋真(スズキ・スイフト)の対決。ベテラン中西が高篠との差を徐々に開き、レグ1を終えて両者の差は約80秒。レグ2で高篠も奮闘するが、レグ1のギャップを埋めるには至らず、中西が今季2勝目を獲得。同時にJN1クラスチャンピオンを確定した。

総合結果

順位 クラス ドライバー/コ・ドライバー 車名 タイム
1 JN6-1 奴田原文雄/佐藤忠宜 ADVAN-PIAAランサー 1:50:16.1
2 JN6-2 大嶋治夫/井手上達也 加勢eレーシングADVANランサー 1:53:32.1
3 JN6-3 竹内源樹/保井隆宏 CUSCO ADVAN インプレッサ 1:56:54.7
4 JN5-1 鎌田卓麻/市野 諮 TEIN ADVAN スバル BRZ 2:00:21.7
8 JN3-1 天野智之/井上裕紀子 豊田自動織機・ラック・DLヴィッツG’s 2:05:21.0
20 JN1-1 中西昌人/美野友紀 YH・WM・KYB・マクゼス・ストーリア 2:14:41.2

注)クラス区分については全日本ラリー選手権の基礎知識をご覧ください。

参考総合結果表: 2014_rd07(pdf) 2014_rd07(Excel)

ご注意:ここに掲載の本レポートおよび結果表等はJRCAが独自に取材、入手したものでJAF公式発表のものではありません。従ってJRCA以外から発表されるそれらのものと若干異なる場合や誤りのある場合もありますので、あらかじめご了承のうえ参考資料としてご覧ください。

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2014年 全日本ラリー選手権 第7戦 北海道

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