RALLY HOKKAIDO

開催日時:9月15日(金)〜17日(日)
開催場所:北海道十勝地方
スペシャルステージ本数:18本
スペシャルステージ総距離:222.35km
ラリー総距離:971.10km
SS路面:グラベル
SS路面状況:デイ1 ウエット/ドライ、デイ2 ドライ
ポイント係数:2.0

全日本ラリー選手権第7戦「RALLY HOKKAIDO」が9月15日(金)〜17日(日)の日程で行われ、16日(土)から大差をつけて首位に立っていた新井敏弘/田中直哉(スバルWRX STI)が優勝を飾った。

デイ1

帯広市内の北愛国交流広場で行われたセレモニアルスタートに続き、隣接するスーパーSS「SSS Sammy SATSUNAI」(0.96km)で競技が始まったラリー北海道。この日のルートは、陸別町を中心とする10SSで構成される。陸別オフロードサーキットでの「RIKIBETSU LONG」(4.63km)に続き、「KUNNEIWA」(28.75km)、「SIPIRIKAKIM SHORT」(14.62km)、「PAWSE KAMUY」(10.40km)の4SSを午前中に1ループ。オフロードサーキットでの観戦ステージとなっている「RIKIBETSU LONG」をさらに1本走った後、陸別でのリモートサービス。午後はこのループを再走し、北愛国でのスーパーSSで締めくくる。なお、SS3はコースアウト車両がステージを塞いだためステージがストップ。JN4クラス以降の車両には、ノーショナルタイムが与えられた。

JN6クラスは、前日のスーパーSSで2番手タイのタイムをマークしていた奴田原文雄/佐藤忠宜(三菱ランサーエボリューションX)が、この日最初のSS2でコースオフを喫する波乱含みの滑り出しとなった。一方、前日のSS1でトップタイムをマークした鎌田卓麻/市野諮(スバルWRX STI)は、この日最初のSSでもベストタイムをマークしたが、続くSS3でパンクにより3分近くをタイムロス。かわって首位に立った新井敏弘/田中直哉(スバルWRX STI)が、ハンドブレーキにトラブルを抱えながらも、集中を途切らせずにステージをクリア。2番手の勝田範彦/石田裕一(スバルWRX STI)に1分以上の大差をつけ、首位でこの日を折り返した。

JN5クラスは、SS3で鷹野健太郎/ヤナ(BMW MINI)がコースを塞いでステージがストップ。その後は、小濱勇希/馬場雄一(シトロエンDS3 R3-MAX)と川名賢/島津雅彦(プジョー208 R2)が首位攻防を繰り広げたが、川名がSS8でオーバーヒートによりエンジンが止まってしまうアクシデントによりストップ。この日を完走したのは小濱のみとなった。

JN4クラスは昨年の覇者、小倉雅俊/平山真理(ダイハツ・ブーンX4)が序盤首位に立つものの、クラス内で4者がステージウインを奪い合う展開に。小倉はSS8でタイムロスを喫し、この日は香川秀樹/古川智崇(ホンダ・シビック)が首位で折り返しているが、50秒内に5台がひしめき合う混戦となっている。

JN3は、タイトル確定の可能性が浮上している天野智之/井上裕紀子(トヨタ・ヴィッツRS)を、大倉聡/豊田耕司(トヨタ・ヴィッツCVT)が追う形。大倉はSS4で天野をかわして首位に浮上したものの、SS6で天野が首位奪還。その後、大倉がSS8でコースアウトを喫し、天野の独走状態となっている。

JN2クラスは、石田雅之/遠山裕美子(トヨタ86)と猪股寿洋/高篠孝介(トヨタ86)が互いにベストタイムをマーク。石田がトップでこの日を終えたが、猪股も29.2秒差で追っている。

JN1も首位が目まぐるしく入れ替わったが、この日を終えて首位の須藤浩志/新井正和(スズキ・スイフトスポーツ)と2番手の古川寛/遠藤彰(スズキ・スイフトスポーツ)がわずか2.0秒差と激戦になっている。

競技最終日となる17日のレグ2は、北愛国広場のサービスパークを拠点に7SSが設定。6.12km、13.79km、29.11kmの3SSを2ループした後、スーパーSSの3回目の走行が最終SSとなり、サービスパークでフィニッシュを迎える。

デイ2

この日のルートは、北愛国広場のサービスパークを拠点に7SSの設定。OTOFUKE REVERSE(6.12km)、NEW HONBETSU(13.79km)、NEW ASHORO LONG(29.11km)の3SSを2ループした後、SSS Sammy SATSUNAIの3回目の走行で締めくくる構成が予定されていた。しかし、SS14のNEW ASHORO LONGで競技車両がコースを塞ぐトラブルが発生。この影響で、同ステージのリピート走行となるSS17はキャンセルとなった。

JN6クラスは、1分以上の大差をつけて前日を首位で折り返した新井が、この日も序盤から2連続ベストタイムと快調な滑り出しを見せる。しかし、前日から発生していたハンドブレーキの不具合は解消されないまま。何かが起これば上位浮上を狙う鎌田がSS14、SS15でベストタイムを叩き出してプッシュを続けるなど緊張も続いた。それでも新井は、残る林道ステージをベストでまとめると、レグ2単独でもトップタイムの完勝。今季2勝目を飾り、タイトルにもわずかながら可能性を残した。

JN5クラスは、ただ1台残った小濱が堅実な走りで全ステージをクリア。今季のタイトルを確定させた。

混戦となったJN4は、前日首位の香川がSS15でミッショントラブルによりリタイア。一方で前日3番手の山本悠太/藤田めぐみ(トヨタ86)がSS13でベストタイムをマークして一気に首位に上がると、選手権リーダーの曽根崇仁/桝谷知彦(トヨタ86)、昨年覇者の小倉がステージ勝利を獲り合うなか、山本がリードを死守。モントレーに続く今季2勝目を飾った。

JN3は、前日に大倉がデイリタイアをした時点で、天野/井上の今季タイトルが確定。天野は4年連続通算9回目、井上は8年連続通算10回目のタイトル獲得となる。天野は、今ラリーでも5分以上の大差を築いて独走。開幕7連勝を達成した。

JN2は、首位の石田を29.2秒差から追っていた猪股が、SS14でタイムロス。石田が前戦ラリー洞爺に続く連勝を飾った。

激戦のJN1は、前日首位の須藤と2番手の古川がわずか2.0秒差という接戦でこの日を迎えたが、須藤がこの日3本のステージウインを奪取。最終的に差を12.2秒広げて優勝を飾った。須藤はこれで今季4連勝。

全日本ラリー選手権は、ここからシリーズ最終のターマック2連戦を迎える。次戦第8戦「第45回M.C.S.C.ラリーハイランドマスターズ2017 Supported by Sammy」は、10月13‐15日、岐阜県の高山市周辺で開催される。

(RALLY PLUS)

総合結果

順位 クラス ドライバー/コ・ドライバー 車名 タイム
1 JN6-1 新井敏弘/田中直哉 富士スバルアライモータースポーツWRX 1:55:46.7
2 JN6-2 勝田範彦/石田裕一 ラックSTI 名古屋スバル DL WRX 1:57:43.2
3 JN6-3 鎌田卓麻/市野諮 SYMS DL TEIN WRX STI 1:58:31.0
7 JN5-1 小濱勇希/馬場雄一 KYB DUNLOP DS3R3 MAX 2:11:28.3
9 JN2-1 石田雅之/遠山裕美子 TRDプロクル86 2:14:30.8
10 JN3-1 天野智之/井上裕紀子 豊田自動織機・DL・ヴィッツRS 2:15:35.5
11 JN4-1 山本悠太/藤田めぐみ Sammy☆K-one☆ルブロスYH86 2:15:36.5
15 JN1-1 須藤浩志/新井正和 スマッシュBRIGダイニチYHスイフト 2:17:47.9

注)クラス区分については全日本ラリー選手権ガイダンスをご覧ください。

参考総合結果表: リザルト(PDF) リザルト(Excel)

ご注意:ここに掲載の本レポートおよび結果表等はJRCA/RALLY PLUSが独自に取材、入手したものでJAF公式発表のものではありません。従ってJRCA以外から発表されるそれらのものと若干異なる場合や誤りのある場合もありますので、あらかじめご了承のうえ参考資料としてご覧ください。

ダイジェスト動画

2017年 全日本ラリー選手権 第7戦 北海道

イベントフォト

JN6クラス優勝 新井敏弘/田中直哉

JN5クラス優勝 小濱勇希/馬場雄一

JN4クラス優勝 山本悠太/藤田めぐみ

JN3クラス優勝 天野智之/井上裕紀子

JN2クラス優勝 石田雅之/遠山裕美子

JN1クラス優勝 須藤浩志/新井正和