Rally of Tsumagoi

開催日時:2月2日(金)〜4日(日)
開催場所:群馬県嬬恋村
スペシャルステージ本数:21本
スペシャルステージ総距離: 75.693km
ラリー総距離: 410.155km
SS路面:アイス&スノー、一部ターマック、グラベル
SS路面状況:スノー、一部ウエット、ドライ
ポイント係数:1.0

全日本ラリー選手権開幕戦Rally of Tsumagoi(ラリーオブ嬬恋)が2月2日(金)から4日(日)にかけて行われ、初日からトップに立った鎌田卓麻/市野諮(スバルWRX STI)が優勝を飾った。

レグ1A

競技初日は5カ所のナイトステージ、SS1〜SS5の計19.811kmを走行する設定。SS1からラリーをリードした新井敏弘/田中直哉(スバルWRX STI)はSS3でミッショントラブルにより、ラリー続行を諦めレグ離脱となった。

新井のリタイア後、トップに立った鎌田は滑りやすい難しいコンディションでも安定したペースを披露。「最初はコンディションが難しかったこともあって、抑え過ぎてしまいました。SS3で新井選手がリタイアしてしまったのは、本当に残念でしたが、その後は淡々と落ち着いて走ることができました。今日の時点でアドバンテージが10秒くらいあるので、このままの調子で行けたらと思っています」と、笑顔を見せた。

2番手につけるのは、久々に4駆ターボ車両での参戦となった柳澤。「実はスノーラリーに参戦するのも、2003年以来になります(笑)。今日、しっかり走りきったことで、クルマやラリーにもだいぶ慣れてきました。でも、この手のラリーはトラブルやアクシデントがいつ起こるか分かりませんし、まずはしっかり走りきれるように頑張りたいと思います」と、慎重に言葉を選んだ。

24.7秒差の3番手は福永修/齊田美早子(三菱ランサーエボリューションX)、30.4秒差の4位には竹内源樹/松本優一(スバルWRX STI)組がつけている。

レグ1B

競技2日目は、SS6〜SS13の8SS、28.849kmという設定。気温が高く、ステージによっては路面の雪が解けるコンディションとなり、選手たちは路面を読みながらの走行となった。

JN6クラスは、オープニングのSS6で柳澤が今大会初のベストタイムをマーク、鎌田に5.0秒差をつける力走で、10.7秒あった差を5.7秒にまで短縮することに成功。しかし鎌田も3連続ベストタイムで応戦、その後もジワジワと柳澤との差を拡大し続け、この日を終えた段階で19.4秒差にまで広げている。鎌田と3番手の福永修/齊田美早子(三菱ランサーエボリューションⅩ)は1分07秒4差となっており、競技最終日は鎌田と柳澤の接近戦が予想される。4番手には前日7番手から浮上した能戸知徳/田中一弘(スバル・インプレッサWRX STI)、5番手に草間一朝/山本磨美(スバルWRX STI)、6番手は金岡義樹/大村悟士(スバルWRX STI)がつけている。

JN3クラスは、前日をトップで終えた唐釜真一郎/小泉雅之(マツダ・デミオ)がSS6で雪壁にスタックし戦線離脱する波乱の展開に。代わって3番手の天野智之/井上裕紀子(トヨタ・ヴィッツ)がSS8でトップを奪い返しクラス首位にポジションアップ。天野はチェーンが切れかかるアクシデントもあったものの、大きな問題なくこの日を終えている。クラス2番手の眞貝知志/安藤裕一(トヨタ・ヴィッツ)は、コンディションの変化に手こずり思うような走りができず、天野と43.2秒差となった。3番手には渡部哲成/松浦俊郎(マツダ・デミオ)が浮上している。

JN1クラスに順位変動はなし。内藤学武/小藤桂一(マツダ・デミオ)が首位をキープ。三苫和義/小林剛(スズキ・スイフトスポーツ)は、SS10を言えた時点で内藤に26.4秒差をつけられたものの、SS11とSS13のベストタイムで逆襲し16.8秒差の2番手を守った。何度かコースオフを喫しつつ、無理せず走行を続ける天野浩明/羽琉(トヨタ・ヴィッツ)が3番手を守っている。

レグ2

競技3日目は、SS14〜SS21の8SS、27.033kmという設定。SS14/19「愛妻の丘」は、ドライターマック路面の露出が著しいことから安全対策のために高速セクションの後半区間がカットされ、5.458kmから2.280kmに距離が短縮されている。前日同様晴天に恵まれたものの気温は低く、日の当たる部分と日陰では大きくコンディションが異なる難しい路面状況となり、さらに雪と氷で轍ができる箇所もあるなど、レグ1と同じく路面変化に対する対応力が求められる1日となった。

JN6クラスは、トップを走る鎌田卓麻が好調を維持。午前中の4SSを終えて3カ所のSSでベストタイムを刻み、2番手で追う柳澤を引き離していく。柳澤も負けじとSS15で反撃に出るが、最終的に38.6秒差で鎌田がポジションを守り切って、今シーズン初勝利を飾ることとなった。福永修/齊田美早子(三菱ランサーエボリューションX)は鎌田と2分2秒5差の3位。4位は能戸知徳/田中一弘(スバル・インプレッサWRX STI)、5位に草間一朝/山本磨美(スバルWRX STI)、6位は金岡義樹/大村悟士(スバルWRX STI)という結果となった。

JN3クラスは、天野智之/井上裕紀子(トヨタ・ヴィッツ)がさらにリードを広げて優勝。これで天野は2016年ラリー北海道から負けなしの15連勝を達成している。クラス2位は、初めてのスノーラリーを初のCVTマシンで走り切った眞貝知志/安藤裕一(トヨタ・ヴィッツ)。天野から1分10秒9秒差で初陣をまとめてみせた。3位は渡部哲成/松浦俊郎(マツダ・デミオ)。この日は序盤に好タイムを並べ、午前中を終えた段階で眞貝との差を大きく詰めたが、昨年はフィニッシュ直前でリタイアして3位入賞を逃した最終SSではリスクを避けたドライビングに徹し、ポジションを守って昨年のリベンジを果たした。
JN1クラスは内藤学武/小藤桂一(マツダ・デミオ)が、市販車用のスタッドレスタイヤでうれしい全日本ラリー選手権初優勝を飾った。2位は凍結路面を試行錯誤で走り切った三苫和義/小林剛(スズキ・スイフトスポーツ)、3位には慎重な走りで天野浩明/羽琉(トヨタ・ヴィッツ)が入っている。

(RALLY PLUS)

総合結果

順位 クラス ドライバー/コ・ドライバー 車名 タイム
1 JN6-1 鎌田卓麻/市野諮 itzz DL SYMS WRX STI 59:54.1
2 JN6-2 柳澤宏至/加勢直毅 ADVAN CUSCO WRX-STI 1:00:32.7
3 JN6-3 福永修/齊田美早子 555☆OSAMU・F☆DLランサー 1:01:56.6
6 JN3-1 天野智之/井上裕紀子 豊田自動織機・DL・ヴィッツRS 1:12:30.9
10 JN1-1 内藤学武/小藤桂一 YH Moty’s BRIG G4デミオ 1:18:13.0

注)クラス区分については全日本ラリー選手権ガイダンスをご覧ください。

参考総合結果表: リザルト(PDF) リザルト(Excel)

ご注意:ここに掲載の本レポートおよび結果表等はJRCA/RALLY PLUSが独自に取材、入手したものでJAF公式発表のものではありません。従ってJRCA以外から発表されるそれらのものと若干異なる場合や誤りのある場合もありますので、あらかじめご了承のうえ参考資料としてご覧ください。

ダイジェスト動画

2018年 全日本ラリー選手権 第1戦 嬬恋

イベントフォト

JN6クラス優勝 鎌田卓麻/市野諮

JN3クラス優勝 天野智之/井上裕紀⼦

JN1クラス優勝 内藤学武/小藤桂一