MONTRE 2018

開催日時:6月7日(木)〜10日(日)
開催場所:群馬県嬬恋村
スペシャルステージ本数:17本
スペシャルステージ総距離: 88.791km
ラリー総距離: 461.954km
SS路面:グラベル
SS路面状況:レグ1 ドライ/レグ2 ウエット
ポイント係数:1.2

全日本ラリー選手権第5戦MONTRE 2018は6月10日(日曜日)にすべての競技日程を終え、スバルWRX STIの新井敏弘/田中直哉が勝田範彦/石田裕一(スバルWRX STI)に19.4秒差をつけて、前戦久万高原に続きシーズン2連勝を飾った。2位に勝田、3位には鎌田卓麻/市野諮(スバルWRX STI)が入り、スバル勢が表彰台を独占した。

レグ1

2012年の復活以来ターマックラリーとして開催されてきたモントレーだが、今年はグラベルラリーとしての開催となる。とは言え、一部のSSは昨年と同じターマックコースが使われており、グラベルセッティングでタイムを削る技術とタイヤマネージメントの手腕が問われる難しいラリーとなることが予想された。また例年、急な雨に見舞われることも多く、天候や路面の変化に対応できなければ上位入賞は狙えない。

9日の朝8時。好天のもと、多くのギャラリーが集まったパルコールつま恋リゾートでのセレモニアルスタートは盛大に行われた。この日は全部で9SSを走行するが、SS7/9に設定されたラリー最長距離(10.779km)のMinenoharaは全線がターマックとなっており、このラリーの勝負どころと目されている。

JN6クラスはSS1でベストタイムをマークした鎌田がラリーを引っ張るかたちでスタート。SS4まで新井を押さえトップに立っていた鎌田だが、SS5でベストタイムをマークした新井に逆転されてしまう。新井はSS8、SS9と連続ベストタイムをマークするも、鎌田も食らいつき、最終的に2.1秒という僅差で競技初日を終えている。3番手は14.6秒差で奴田原文雄/佐藤忠宜(三菱ランサーエボリューションⅩ)、4番手に15.3秒差で勝田範彦/石田裕一(スバルWRX STI)、5番手に福永修/齊田美早子(三菱ランサーエボリューションⅩ)、6番手に柳澤宏至/加勢直毅(スバルWRX STI)というオーダーとなっている。首位の新井は、「最後まで0.1秒差の戦いで疲れました(笑)。緊張感もありましたね。最後のSSは霧の中を走ることになったので、かなりリスクがありましたが、ベストタイムを獲れたので良かったです。明日もまだ長いので、頑張ります」とコメント。地元モントレーで過去3連勝を果たしており、連勝記録を伸ばせるか期待がかかる。

3台が並ぶ接戦となったJN5クラス。トップには小濱勇希/馬場雄一(シトロエンDS3)、2番手に横嶋良/木村裕介(プジョー208)、3番手に眞貝知志/安藤裕一(トヨタ・ヴィッツGRMN)という順位となっている。SS6までを終えた段階ではクラストップの眞貝と2番手の横嶋が0.8秒差、眞貝と3番手小濱が1.3秒差という接戦に。しかし全線ターマックのSS7 Minenoharaでベストタイムをマークした小濱が一気にクラス首位にジャンプアップ。小濱はその後も首位を守り、SS9までを終えた段階で2番手横嶋に10.2秒、3番手眞貝に15.2秒とリードを広げることに成功した。小濱は「ずっと気の抜けない緊張感のある戦いが続きました。舗装のSSでは1回目で離せたんですが、2回目は霧が出てペースを押さえすぎました。明日は舗装で稼げないので、グラベルでの勝負になりますね」とコメントしている。

ホンダ・シビック・タイプRユーロの上原淳/漆戸あゆみがリードを広げる展開となったJN4クラスも10秒以内に3台が連なる接戦。2番手には関根正人/草加浩平(スズキ・スイフトスポーツ)、3番手にはFD2型のホンダ・シビック・タイプRを駆る香川秀樹/松浦俊朗という順位となっている。SS8終了時点ではクラストップに香川、0.6秒差で関根、2.8秒差で上原というこちらも接戦となっていたが、霧の出たSS9で上原が一気にトップに。関根に7.6秒差、3番手香川に9.2秒差とリードを得て競技最終日に挑む。「マシンは問題ありません。SS9は霧でなにも見えないなかでいいタイムが出せました。明日はグラベルがメインですし、頑張って勝ちたいです」と、意気込みを語っている。

JN3クラスはヴィッツGR SPORT“GR”の天野智之/井上裕紀子が大幅リード。9SSのうち8SSでベストタイムを獲得する快走を見せて、クラス2番手の渡部哲成/橋本美咲(マツダ・デミオ)に1分51秒1という差をつけている。3番手にはCVTのトヨタ・ヴィッツで参戦する大倉聡/豊田耕司。体調不良ながらも首位を走る天野は「このラリーは標高も高いので、小排気量車には厳しいですね。最終のSS9は気温が下がって、エンジンも冷えてペースが上がったところで、霧が出てきてしまいました。タイムも楽しみだったんですが、まったく走れなかったです。明日はポジションをしっかりキープします」と貫録のコメントを残している。

スバルBRZとトヨタ86の接戦となっているJN2クラスは、BRZの加納武彦/横手聡志がクラス2番手の鎌野賢志/蔭山恵(トヨタ86)に5.0秒差をつけるトップ。3番手の明治慎太郎/北田稔(トヨタ86)は17.6秒差から上位を狙う展開となっている。首位の加納は「初日トップは10年ぶりくらいです。初優勝を目指して頑張りたいんですが、後続と差がないのでまったく気が抜けません」とコメント。競技2日目の接戦に注目が集まる。

JN1クラスは今シーズン初参戦となる須藤浩志/新井正和(スズキ・スイフトスポーツ)が大きくリード。クラス2番手には内藤学武/小藤桂一(スズキ・スイフトスポーツ)、3番手に伊藤隆晃/大高徹也(日産ノートNISMO S)というオーダー。須藤と内藤の差は34.6秒、須藤と伊藤の差は45.5秒差となっている。首位の須藤は「最後のSS9は霧が出ていたんですが、勝敗が決まる可能性があるので、頑張りました。タイム差がありますが、このままの調子で行きたいと思っています」と、日曜日に向けてコメントしている。

レグ2

6月10日(日曜日)に行われるのはSS10〜SS17の計8SS、SS距離39.358km。ラリーの拠点となる群馬県嬬恋村のパルコールつま恋リゾートは前日までと打って変わり、冷たい雨と深い霧に包まれた。SSも一部を除き、路面はウエットに。

JN6クラスの注目は首位の新井と2番手につける鎌田のバトルだ。SS9までを終えた段階で2.1秒という接戦が展開されており、どちらが勝っても不思議ではない。さらに3番手につける奴田原文雄/佐藤忠宜(三菱ランサーエボリューションⅩ)と4番手の勝田も0.7秒差となっており、好バトルが期待された。オープニングのSS10では新井がベストタイムをマークし、ふたりの差は6.5秒に拡大。鎌田もSS12、SS13で連続ベストタイムを刻み、差は再び2.9秒に。続くSS14は、この日最長のAzumaya B(7.828km)。SS10の再走SSとなるが、新井はここで再びベストタイムをマーク。鎌田との差を9.3秒にまで広げることに成功。残る3SSを走り切り、今シーズン2勝目を獲得した。

鎌田は最終SSでタイヤの溝がなくなり大きくタイムロス。背後から追い上げてきていた勝田に逆転を許し、3位でラリーを終えている。この日好走を見せた勝田は最初のSSで奴田原をかわし3番手に浮上、一時は17.1秒の差があった鎌田との差をじわじわと詰め、チャンスを逃すことなく逆転2位を得ることに成功した。

新井は「今回、タイヤ選択には苦労した。やはりグラベルラリーなら、グラベルだけがいいね(笑)。久万高原から連勝できて良かった。ポイントリーダーに立ったけれど、この先も気持ちを緩めないよう頑張ります」と、今季2勝目について笑顔でコメントした。

小濱勇希/馬場雄一(シトロエンDS3 R3-MAX)、横嶋良/木村裕介(プジョー 208 R2)、眞貝知志/安藤裕一(トヨタ・ヴィッツGRMN)の三つ巴となっているJN5クラスは、小濱がリードを守り切って優勝を果たした。2位には横嶋、3位は眞貝が入っている。総合順位に変動はなかったが、それぞれがベストタイムを獲り合う力走。8SSの内訳は小濱が3、横嶋が3、眞貝が2となっている。小濱は「最後の最後まで付かず離れずで3人が争っていて、キツいラリーでした。そこから抜け出そうと思っても、なかなか抜け出せなくて。横嶋選手の追い上げが厳しくて、最後は道からこぼれ落ちる覚悟で頑張りました」とラリーを振り返った。

JN4クラスはホンダ・シビック・タイプRユーロの上原淳/漆戸あゆみが今シーズン初優勝を達成、2位には関根正人/草加浩平(スズキ・スイフトスポーツ)、3位には香川秀樹/松浦俊朗(ホンダ・シビック・タイプR)が入った。この日クラス3番手からスタートした関根はSS10で香川に逆転され、一時は12.5秒差まで離されることに。しかし最終SS、香川はラジエターからの水漏れとオーバーヒート症状でペースが上がらず。関根が8.9秒差をひっくり返して2位、香川は0.8秒差で3位となった。フィニッシュ後、上原は次のように語っている。「優勝は去年の洞爺以来です。勝因は、最終日にターマックがなかったことですね。次はカムイに出ますが、関根選手が速いのでなんとかくらいつけるように頑張ります」

トヨタ・ヴィッツ同士の上位争いとなったJN3クラス。天野智之/井上裕紀子(トヨタ・ヴィッツGR SPORT“GR”)が貫録の勝利を飾った。2位にはCVTユニット搭載のヴィッツで参戦する大倉聡/豊田耕司、3位は石川昌平/竹藪英樹が入っている。天野は体調が優れないにもかかわらず、この日も快走。8SS中7SSを制して今季4勝目を挙げた。天野は「体調があまり良くないなか、タフなラリーでした。次戦以降はライバルもクルマを進化させてくるでしょうから、そこからが本当の勝負だと思っています」と、気を引き締めた。

JN2クラスはスバルBRZの加納武彦/横手聡志が初日のリードを守り切って全日本初優勝を達成。2位には鎌野賢志/蔭山恵(トヨタ86)、3位には明治慎太郎/北田稔(トヨタ86)が入っている。鎌野と明治の差は1.5秒という僅差。加納は「気持ちよく走って、競り合いの中で幸せでした。明治選手が途中から本当に速くて、凄かったです。負けないように、気持ちを強く走りました」とコメントした。

須藤浩志/新井正和(スズキ・スイフトスポーツ)が大量リードを築いていたJN1クラスは、順当に須藤が今季初優勝を飾った。2位には5番手から追い上げた古川寛/廣田幸子(スズキ・スイフトスポーツ)、3位には最終SSでひとつポジションを上げた伊藤隆晃/大高徹也(日産ノートNISMO S)が入った。「一応、展開的には初日のマージンを活かして、自分のペースに持ち込めました。実はモントレー4連勝なんですよ。新井選手と一緒です(笑)。次はカムイに参戦します」と須藤は笑顔で振り返った。

(RALLY PLUS)

総合結果

順位 クラス ドライバー/コ・ドライバー 車名 タイム
1 JN6-1 新井敏弘/田中直哉 富士スバル AMS WRX STI 1:12:06.9
2 JN6-2/td>

勝田範彦/石田裕一 ラックSTI 名古屋スバル DL WRX 1:12:26.3
2 JN6-3 鎌田卓麻/市野諮 itzz DL SYMS WRX STI 1:12:28.2
8 JN5-1 小濱勇希/馬場雄一 KYB DUNLOP DS3R3TMAX 1:18:19.3
11 JN4-1 上原淳/漆戸あゆみ DL・KTEC・シャフト・シビックタイプRユーロ 1:20:02.3
14 JN3-1 天野智之/井上裕紀子 豊田自動織機・DL・ヴィッツ 1:21:09.3
14 JN1-1 須藤浩志/新井正和 スマッシュBRIGコマツYHスイフト 1:22:45.5
25 JN2-1 加納武彦/横手聡志 ALEX・KYB・YH・東京スバルBRZ 1:23:07.4

注)クラス区分については全日本ラリー選手権ガイダンスをご覧ください。

参考総合結果表: リザルト(PDF) リザルト(Excel)

ご注意:ここに掲載の本レポートおよび結果表等はJRCA/RALLY PLUSが独自に取材、入手したものでJAF公式発表のものではありません。従ってJRCA以外から発表されるそれらのものと若干異なる場合や誤りのある場合もありますので、あらかじめご了承のうえ参考資料としてご覧ください。

ダイジェスト動画

2018年 全日本ラリー選手権 第5戦 群馬

イベントフォト

JN6クラス優勝 新井敏弘/田中直哉

JN5クラス優勝 小濱勇希/馬場雄一

JN4クラス優勝 上原淳/漆戸あゆみ

JN3クラス優勝 天野智之/井上裕紀⼦

JN2クラス優勝 加納武彦/横手聡志

JN1クラス優勝 須藤浩志/新井正和