第1回JRCAアワード

 JRCAでは、全日本ラリー選手権の振興・発展に貢献した人や団体を表彰する「JRCAアワード」を2006年に創設しました。この賞は、これらの人や団体への感謝を表すとともに、その功績を讃え広く紹介しようとするものです。第1回の表彰となる2006年度は、医師の紙谷孝則さん、コドライバーの佐藤忠宜さん、ドライバーの横尾芳則さんが選ばれました。


紙谷 孝則さん

左から小西会長、横尾 芳則さん、佐藤 忠宜さん

・紙谷 孝則 さん
 福岡県在住の救急資格を持つ外科医師であり、自身も地区選手権などのラリーにドライバーとして時々参加していたという紙谷さんは、2004年初頭に「救急医としてラリーの運営を手伝いたい」と、ご自分からJRCAに申し出てこられました。JRCAの橋渡しにより紙谷さんがボランティアで多くの全日本ラリー現場の救急医療を指揮する一方、JRCAは紙谷さんのアドバイスを受けて救急医療備品を揃え、全日本ラリー主催者への貸し出しを始めました。これが契機となって全日本ラリー選手権における救急医療体制は大きく向上し、現在では、紙谷さんと出合った別の医師もまた全日本ラリーへの医療支援を申し出るなど、ラリー現場での医療スタッフのネットワークが、紙谷さんを中心として作られつつあります。

・佐藤 忠宜 さん
 全日本ラリーに佐藤さんがレギュラー参戦し始めた2001年当時、SS結果は競技終了まで公開されないラリーがほとんどでした。そこで佐藤さんは自身がラリーに参加して戦いながらも、他の選手から直接SSタイムの情報を集め、PDA端末で集計し配信することを始めました。機材や通信の制限のため配信先が限られているとはいえ、トップグループ選手だけでなくスポンサー企業やメディア関係者にも、SSが済むたびに最新の結果速報を配信することで、ラリーのスポーツ性を高め広報活動に貢献する一方、各主催者におけるSS速報体制の向上を促すことにもなりました。また、2006年に佐藤さんが開発したトラッキング&リアルタイムSS速報システムは、MSCC東京ラリーで大成功をおさめ、2007年には多くの主催者がこのシステムの導入を検討しています。

・横尾 芳則 さん
 2003年の30歳の誕生日に初めてラリーに出たという横尾さんは、2005年には全日本ラリー二駆部門への初の本格参戦ながら、最激戦のBクラスでいきなりシリーズチャンピオンを獲得。その実績を評価されて有力チームに抜擢されると、2006年は初めて参加する体制、初めて乗るマシンにも関わらず、再びチャンピオンを獲得(JN3クラス)し、あらためてその実力を証明しました。「モータースポーツはお金がかかるのでムリと諦めていた」けれども、走ることが大好きで、競技には出場できなくても走ることはやめられなかった彼が、30歳を迎えて「自分にはこれしかない、これからもずっと走ろう」という決意で初めて出場したラリー、それが運命を変えたのです。将来ラリーで活躍したいと思っている人たちに夢と希望を与えるとともに、今後の一層の成長が期待されるドライバーです。
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