全日本ラリー選手権第1戦
ツールド・九州 2007 in 唐津
4月13~15日/佐賀県唐津市
スペシャルステージ本数:13本
スペシャルステージ総距離:67.54km
ラリー総距離:2レグ約309km
SS路面:オールターマック
SS路面状況:ドライ
ターマックキング勝田範彦が前年に続き総合優勝
JN3チャンプ横尾芳則が、JN4クラス初出場で4位入賞
2007年全日本ラリー選手権の開幕戦は、昨年と同様、佐賀県唐津市を舞台とするオールターマックイベント。昨年のこのラリーの覇者であり、ターマックキングの異名をとる勝田範彦が、今年も優勝候補の最右翼だ。勝田の連勝を阻止すべく挑むのは、昨年ターボトラブルに泣いたディフェンディングチャンプ奴田原文雄、タイヤ
バーストによる遅れを取り戻して2位に入った北村和浩、そして昨年のシリーズ第8戦で全日本ラリー初勝利をあげて今年に飛躍を期す炭山裕矢、一昨年の負傷から完全
復活をめざす石田正史ら。
さらに、昨年JN3クラスチャンプを獲得した横尾芳則がJN4クラスにステップアップしてきた。今回欠場の石田雅之は、ターマックを横尾に任せて自身はグラベルに専念するという。七山エンペラー榊雅広は、JN3クラスのインテグラで、昨年の総合4位からもう一つ上を狙う。
金曜日の夕方に数時間降った雨が、セクション1のタイヤチョイスを難しいものにしていた。そしてこの最初の選択が、ラリーの展開を支配することになる。競艇場駐車場での顔見世のSS1では、奴田原、炭山が一歩リード。しかし、SS2の林道で早くもラリーは勝田と北村のマッチレースに変わってしまった。勝田と北村の差は2秒、いっぽう北村と3番手横尾との差は9秒、奴田原とは13秒、炭山とは15秒という大差だ。さらにSS4ではタイヤが磨耗に耐え切れず奴田原がクラッシュ。ここだけでベストタイムの北村から57秒も遅れてしまった。
タイヤを交換して臨んだセクション2でも、勝田と北村の圧倒的な速さは変わらない。とはいえ勝田はじりじりと北村を引き離し、首位を不動のものにしていく。他方、石田正史はセクション2最初の林道で横尾を捉えたが、横尾も必死で食い下がり、3位をめぐって激しく争った。レグ1を終えた時点で、トップ勝田と北村との差は9.8秒、北村と石田正史とは20.3秒差、それを横尾がわずか2.1秒差で追う。5番手炭山はすでに横尾から27秒も遅れ、奴田原はさらにその25秒落ちだ。
しかし、レグ2が始まる前にラリーの勝者はほぼ決まってしまった。北村のレグ1最終SSのスタートがフライングと判定され、10秒のペナルティが課されたのだ。勝田と北村の差は20秒に開き、北村と石田正史の差は10秒に。
1位2位がほぼ決定したとはいえ、レグ2でも勝田と北村は攻めの姿勢を崩さず、互いにベストタイムを応酬して3位以下をさらに引き離した。いっぽう、完全に復調になった石田正史は、レグ2のすべてのSSで横尾を上回り、昨年7月以来の3位表彰台を手に入れた。JN4クラスの熾烈なバトルの影で、榊は総合8位にとどまったが、「いい勉強になった」と来年の活躍を期した。
|