全日本ラリー選手権第6戦

全日本ラリー選手権第6戦
ラリー北海道
7月6~8日/北海道十勝地方
スペシャルステージ本数:16本
スペシャルステージ総距離:予定232.42km(うちSS16=14.90kmキャンセル)
ラリー総距離:2レグ約1034km
SS路面:グラベル
SS路面状況:ドライ


最終SSを迎えて1位と2位の差は約50秒
  石田雅之の優勝を誰もが確信していたのだが・・・


 開幕からの5戦を終えて勝田範彦が4勝2位1回と驚異的な強さを見せている2007年の全日本ラリー。昨年までの5年連続チャンプ奴田原文雄は、5戦中4戦に出場したもののトラブル続きで最高位が3位、ポイントは6位にとどまり、もう後がない状態。他を圧倒する速さを誇る高速グラベルで、是が非でも不運の連鎖を断ち切りたいところだ。

 小手調べともいえるSS1リクベツのギャラリーステージで幸先良くベストタイムでスタートした奴田原は、SS2でこそグラベルドライビングの進境著しい炭山裕矢の後塵を拝したものの、SS3、SS4と連続ベストで応酬し、この時点でラリーリーダーに立った。SS5まで奴田原に食らいついていた炭山がSS6でバーストにより3分も遅れてトップ争いから脱落し、SS7では勝田がパワステトラブルで2分遅れ、そのため勝田に追いついた石田正史はホコリで前が見えずにタイムロスするなど、次々とライバルたちがトラブルに見舞われる中、奴田原は順調にラリーを進め、SS8をもってレグ1が終了した時には、2位石田雅之との間に51.6秒の大差を築いていた。

 レグ2に入っても奴田原は安定したペースで好タイムを刻み、SS10終了時には石田雅之との差は1分以上に。ところが、もう誰もが奴田原の今季初勝利は確実と思った矢先、あろうことかSS12で奴田原がストップ。原因はオイルクーラーの破損だった。
これでラリーリーダーの座は石田雅之の手に渡る。

 ラリーは約230kmのSSのうちすでに170km以上を消化し、残るは60km足らず。2位石田正史とは54.4秒の差。これを守りきれば、1987年にセリカGT-FOURで勝利して以来、20年ぶりの全日本ラリー優勝が手に入る。石田雅之は続くSS13、14、15を着実にこなし、2位と49.7秒の差を持って14.90kmのSS16を迎えた。

 しかしここで最後のどんでん返しが待っていた。石田雅之が橋の欄干に激突し、コースを塞いで停止。このSSはキャンセルとなり、SS15終了時のタイムによってラリーは決着した。優勝は石田正史で、今季2勝目。2位には、ノートラブルで淡々とラリーを消化していた北村和浩が入った。炭山は速さでバーストの遅れを取り戻して3位まで復帰。パワステトラブルのためレグ1終了時点で9位まで順位を落とした勝田は、レグ2に入って追い上げ、SS15終了時点で4位まであと3.5秒と迫ったが、最終SSキャンセルのためその順位のままフィニッシュした。

 今回は全車28台中22台がJN-4クラスによる出走(1台のみのJN-3クラス車は規定によりJN-4クラスに編入)。JN-2クラス6台出走のうち完走は2台で、クラス優勝は小野寺清之が手にした。

 なお、同時開催されたFIAアジアパシフィック選手権では、コディ・クロッカーが2位の田口勝彦に1分23秒6の差をつけて優勝。柳沢宏至はSS2でバーストのため4分以上遅れたが、鬼神の追い上げを見せて4位でフィニッシュした。またSS15まで3位に
つけていた鎌田卓麻は最終SSでコースアウトして7位に。新井敏弘はブレーキホース破損のためSS2終了後リタイアしたが、スーパーラリーで出走したレグ2では1位となっている。

【全日本ラリー選手権 第6戦 総合結果】(出走28台/完走15台)
総合順位
ドライバー/コ・ドライバー
車名
トータルタイム
1位
JN4-1位 石田正史/宮城孝仁
ランサーエボリューションIX 2:25:10.4
2位
JN4-2位 北村和浩/竹下紀子 インプレッサWRX STi 2:25:52.1
3位
JN4-3位 炭山裕矢/松井博和 インプレッサWRX STi 2:27:04.3
4位
JN4-4位 岩下英一/高橋昭彦 ランサーエボリューションVIII 2:27:10.0
5位
JN4-5位 勝田範彦/北田稔 インプレッサWRX STi 2:27:13.5
6位
JN4-6位 飯泉忠男/森公聖 インプレッサWRX STi 2:27:36.6
12位
JN2-1位 小野寺清之/黒田雅彦 ブーン 2:39:14.7
注)クラス区分の説明:JN4クラスは2000ccを超える車両、JN3は1600ccを超え2000cc
以下の車両、JN2は1400ccを超え1600cc以下の車両、JN1クラスは1400cc以下の車両。


【ドライバーズ総合ランキング】(10戦中6戦終了時)
総合順位
ポイント
ドライバー
1位
104.6pt
勝田範彦
2位
78.0pt
石田正史
3位
60.0pt
北村和浩
4位
37.4pt
炭山裕矢
5位
33.0pt
大庭誠介
6位
22.0pt
岩下英一
7位
21.0pt
奴田原文雄
※第7戦ラリー北海道はSSが150km以上実施されたため、各順位ポイントに係数1.2が掛けられる、
すなわち:
1位24.0pt、2位18.0pt、3位14.4pt、4位12.0pt、5位9.6pt、6位7.2pt、7位4.8pt、8位3.6pt、9位2.4pt、10位1.2pt


Event photo

総合1位(JN-4クラス1位)
石田 正史/宮城 孝仁

総合2位(JN-4クラス2位)
北村 和浩/竹下 紀子

総合3位(JN-4クラス3位)
炭山 裕矢/松井 博和

総合12位(JN-2クラス1位)
小野寺 清之/黒田 雅彦

石田 正史/宮城 孝仁

帯広ばんえい競馬場での
ラリーショー

帯広ばんえい競馬場での
セレモニアルスタート


ラリーコース風景

【参考総合結果表】
  2007_rd6.pdf
  2007_rd6.xls
ご注意:ここに掲載の本レポートおよび結果表等はJRCAが独自に取材、入手したものでJAF公式発表のものではありません。従ってJRCA以外から発表されるそれらのものと若干異なる場合や誤りのある場合もありますので、あらかじめご了承のうえ参考資料としてご覧ください。

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