全日本ラリー選手権第4戦

全日本ラリー選手権第4戦
ひむかラリーin 美郷
5月31日~6月1日 宮崎県美郷町
スペシャルステージ本数:10本
スペシャルステージ総距離:88.96km
ラリー総距離:2レグ約265km
SS路面:グラベル
SS路面状況:ウェット~セミウェット~ドライ

勝田範彦が今季2勝目


  ラリーウィークの水曜日、南九州は大雨に見舞われ、6月を前にして早くも梅雨入りが発表された。金曜日も現地はほぼ終日雨。土曜日からは晴れたものの、今年最初のグラベルラリーはウェットコンディションで始まった。
 
 SS1はまず石田正史が先制し、勝田がその0.4秒差、田口幸宏がその3.9秒差で続く。これに対し、インプレッサGRBで初めてグラベル林道を走る北村は、田口からさらに2.6秒落ちとやや出遅れた格好だ。SS2では石田が勝田に約4秒の差をつけるぶっちぎりベストタイムでリードを広げ、北村は勝田に1.5秒差と少し持ち直した。田口はタイヤバーストのため20秒近く遅れて、トップ争いから早くも脱落した。

 ラリーは2巡目に入りSS3はSS1のコースを再走する。勝田がSS1から4秒以上タイムを縮めるいっぽう、石田、田口、北村はSS1とほぼ同様のタイムにとどまり、この時点で勝田が石田を0.3秒かわしてトップに。3位北村は石田からすでに17秒近く遅れ、田口もさらにそこから約14秒離れている。

 SS2の再走となるSS4では、ふたたび石田がベストタイム。SS3ではセンターデフにトラブルが発生したと伝えられた石田だが、2番手勝田に3秒以上の差をつけ、その情報が間違いだっのではと思わせられるほど。石田がふたたびトップに立つも勝田との差は3.1秒。北村、田口はこの2人から離されていく一方だ。

 サービスを経てラリーはセクション2に入る。14kmのSS5を制したのは田口だが、勝田と石田も僅差で続いた。北村は田口から12秒近くも遅れ、トップ2とのタイム差はさらに広がった。田口はSS6もベストラップで上がり、北村との差を急速に縮めていく。石田はやはりセンターデフに問題があるのかじりじりと遅れてきた。

 SS7でついに石田のクルマが音をあげた。14kmのSS終盤でランサーEvo9は真横になってコースを塞いでストップ。石田はここでリタイアとなった。石田から後ろの全車両には、先頭で走りきった勝田のタイムが与えられた。この結果、レグ1を終えてトップは勝田で、2位北村とはすでに28.2秒という大差。田口が4.8秒差で北村を追うという展開になった。

 明けてレグ2は、SS5/7の逆走となるSS8/10とショートのSS9のみ。SS5でベストタイムを記録した田口がSS8もベストで上がり、北村を一気に抜き去った。勝田は勝利をほぼ手中にしつつも攻撃の手を緩めず、SS8は田口の1.2秒落ち、SS9とSS10は連続ベストタイムで王者の貫禄を見せつけ、今季初のグラベルラリーを制した。勝田はこれで今季2勝目となり、ポイントランキングでもトップに立った。

 JN3クラスは「グラベルが好き」という曽根崇仁セリカがこのラリー2連覇。JN2クラスはレグ1終了時まで小野寺清之と平塚忠博のダイハツラリーチーム・ブーンX4が1-2体制を築いていたが、レグ2に入って平塚がマシントラブルから後退、小野寺も最終SSでリタイアし、福永修ブーンX4に勝利が転がり込んだ。昨年までJN4クラスにスポット参戦していた福永は、これが全日本初優勝となった。

 JN1.5クラスは開幕から3連勝中の榊雅広にベテラン大庭誠介がくらいつく展開で始まった。しかし榊はSS4でリタイア。大庭がJN1.5で念願の初優勝を手に入れた。
JN1クラスはエントリーがなく不成立だった。

【全日本ラリー選手権 第4戦 総合結果】(出走28台/完走17台)
総合順位/クラス順位
ドライバー/コ・ドライバー
車名
トータルタイム
 1位/JN4-1位 勝田範彦/北田稔 ラック名スバルSTi DLインプレッサ 1:22:16.5
 2位/JN4-2位 田口幸宏/佐藤忠宜 ADVAN-PIAA KYB ランサー 1:23:00.0
 3位/JN4-3位 北村和浩/竹下紀子 アーレスティDL・KYBインプレッサ 1:23:29.2
 6位/JN2-1位 福永修/奥村久継 BOOBOW・DL・ブーン X4 1:26:30.3
 10位/JN3-1位 曽根崇仁/桝谷知彦 BPF★KYB★BS★INGINGセリカ 1:30:40.7
 16位/JN1.5-1位 大庭誠介/高橋巧 REPSOL-ADVAN コルト 1:34:12.2
注)クラス区分の説明:JN4クラスは2000ccを超える車両、JN3は1600ccを超え2000cc
以下の車両、JN2は1500ccを超え1600cc以下の車両、JN1.5は1400ccを超え1500cc以下の車両、JN1クラスは1400cc以下の車両。


【ドライバーズポイントランキング】(総合/第4戦終了時点)
順位
ドライバー
ポイント
 1位  勝田範彦  55pts
 2位  奴田原文雄  43pts
 3位  田口幸宏  36pts
 4位  石田正史  32pts
 5位  北村和浩  31pts
 6位  横尾芳則  16pts

Event photo

全日本総合1位(JN-4クラス1位)
勝田 範彦/北田 稔

全日本総合2位(JN-4クラス2位)
田口 幸宏/佐藤 忠宜

全日本総合3位(JN-4クラス3位)
北村 和浩/竹下 紀子

全日本総合6位(JN-2クラス1位)
福永 修/奥村 久継

全日本総合11位(JN-3クラス1位)
曽根 崇仁/桝谷 知彦

全日本総合16位(JN-1.5クラス1位)
大庭 誠介/高橋 巧

セレモニアルスタート
(南郷農林業者トレーニングセンター)


勝田範彦選手(左)/北田稔
選手(右)

【参考総合結果表】
  2008_rd4.pdf
  2008_rd04.xls
ご注意:ここに掲載の本レポートおよび結果表等はJRCAが独自に取材、入手したものでJAF公式発表のものではありません。従ってJRCA以外から発表されるそれらのものと若干異なる場合や誤りのある場合もありますので、あらかじめご了承のうえ参考資料としてご覧ください。

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