全日本ラリー選手権第3戦
全日本ラリー選手権第3戦
ひむかラリー in 美郷
5月29~31日 宮崎県東臼杵郡美郷町
スペシャルステージ本数:10本
スペシャルステージ総距離:97.35km
ラリー総距離:2デイ約330km
SS路面:オールグラベル
SS路面状況:デイ1ドライ、デイ2一部セミウェット後ドライ

奴田原文雄ランサーEvo.X が今季初勝利


 梅雨入りが近づき、ラリーウィークの半ばから低気圧が四国沖に停滞してあちこちで雨を降らせていた。しかし幸いにラリー拠点の美郷村はまずまずの天気に恵まれ、土曜日のデイ1はドライコンディションで始まった。

 ラリー幕開けのSS1は、ドライ路面における出走順の有利不利を反映しているかのように、4号車石田雅之、3号車奴田原文雄、2号車石田正史という順にタイムが並んだ。ただし1号車勝田範彦の前には8号車の福永修が割って入り、前戦からの好調ぶりを印象づける。福永はSS2でベストタイムを記録したが、僅差でセカンドベストを取った石田雅之がトップを維持した。

 SS3、SS4はそれぞれSS1、SS2のリピートとなり、先頭出走の不利は消えるが、勝田はペースが上がらない。若手の吉澤哲也にも抜かれて6位に留まっている。いっぽう奴田原は2周目になると好タイムを並べ、福永を抜いて2番手に浮上してきた。

 サービスを挟んでセクション2に入ると、ドライ用タイヤに切り替えた勝田が本来の実力見せ始める。SS5でベストタイムを奪うと3番手にジャンプアップ。奴田原がここを2番手で上がり、ラリーリーダーに立った。勝田はSS6も続けてベストラップを刻み、石田雅之を抜いて2位に上がった。

 デイ1最終のSS7はこの日2度目のロングステージ。ここで奴田原は他を圧倒するタイムでリードを磐石にした。勝田はこれに食らいつき、ここまでの合計タイム差を16.7秒にとどめてデイ2に望みをつないだが、サービスパークを目前にしてストップ。メカニカルトラブルによりこの時点でリタイアすることになった。

 すでに石田正史もSS7でマシントラブルから戦列を去っており、デイ1終了時点のオーダーはトップが奴田原、2位は28.9秒差で石田雅之、その0.7秒差に福永修。このタイム差からすればすでに奴田原の勝利は濃厚に見える。しかし、今回のラリーは非常に良好な路面状況の割にはマシントラブルによるリタイアが多いうえに、SS7終了後に現地は激しい雨に見舞われ、デイ2はコースコンディションの悪化が予想された。この先どういう展開になるのか、まだまだ予断の許される状況ではない。

 明けてデイ2は快晴。路面状況の悪化は杞憂に終わり、冒頭のSS8がいくぶんウェット気味であるのみにとどまった。SS8でも星野博、岩下英一が相次いでマシントラブルからリタイアしたが、奴田原は順調にラリーをこなす。SS8のベストタイムで2位との差を39秒以上に広げた後、残るSS9とSS10も石田雅之に次ぐセカンドベストでゆうゆう逃げ切り、ランサーEvo.Xに今季初勝利をもたらした。

 JN-3クラスは「グラベルが好き」という曽根崇仁セリカが優勝。曽根は2007年にこのラリーが始まって以来、同イベント3連勝となった。
JN-2クラスは田中伸幸ミラージュが総合6位に食い込むタイムで優勝し、予定どおりグラベルでポイントを稼いだ。
JN-1.5クラスは大井こずゑコルトと塩谷敏コルトが接戦を展開したが、マシンをいたわって慎重な試合運びを見せていた大井が最終SSで塩谷を一蹴し、今季初勝利をものにした。
JN-1クラスはただ1台だけ完走した山北研二マーチが勝者となった。

【全日本ラリー選手権 第3戦 総合結果】(出走34台/完走16台)
総合順位/クラス順位
ドライバー/コ・ドライバー
車名
トータルタイム
 1位/JN4-1位 奴田原文雄/佐藤忠宜 ADVAN-PIAA ランサー 1:28:29.2
 2位/JN4-2位 石田雅之/清田恵次 C-ONE POTENZA ランサー 1:29:01.7
 3位/JN4-3位 福永修/奥村久継 ハセプロCMSC SDF ランサー 1:29:20.3
 4位/JN4-4位 吉澤哲也/井手上達也 セーフティ21 アドバン ランサー 1:30:29.3
 5位/JN4-5位

石黒雄士/竹藪英樹

アドバン YamaKEI ランサー 1:31:38.7
 6位/JN2-1位 田中伸幸/遠山裕美子 BSフォルテックitzz CMSC CJ4A 1:33:25.7
 8位/JN3-1位 曽根崇仁/桝谷知彦 BPF☆KYB☆BS☆INGING セリカ 1:35:26.7
 11位/JN1.5-1位 大井こずゑ/竹下紀子 CMSC*ROSE コルト 1:39:20.3
 16位/JN1-1位 山北研二/大谷美紀夫 マイクロロンBRIG・DL マーチ 1:52:24.1
注)クラス区分の説明:JN4クラスは2000ccを超える車両、JN3は1600ccを超え2000cc
以下の車両、JN2は1500ccを超え1600cc以下の車両、JN1.5は1400ccを超え1500cc以下の車両、JN1クラスは1400cc以下の車両。


【ドライバーズポイントランキング】(総合/第3戦終了時点)
順位
ドライバー
ポイント
 1位  勝田範彦  40pts
 2位  奴田原文雄  30pts
 3位  石田正史  27pts
 4位  石田雅之  18pts
 4位  福永修  18pts
 4位  吉澤哲也  18pts
※上記のポイント合計は、JRCAの独自集計によるものです。 正式ポイントおよび内訳はJAFホームページをご参照ください。

Event photo
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全日本総合1位(JN-4クラス1位)
奴田原 文雄/佐藤 忠宜

全日本総合2位(JN-4クラス2位)
石田 雅之/清田 恵次

全日本総合3位(JN-4クラス3位)
福永 修/奥村 久継

全日本総合6位(JN-2クラス1位)
田中 伸幸/遠山 裕美子

全日本総合8位(JN-3クラス1位)
曽根 崇仁/桝谷 知彦

全日本総合11位(JN-1.5クラス1位)
大井 こずゑ/竹下 紀子


全日本総合16位(JN-1クラス1位
山北 研二/大谷 美紀夫


各クラス優勝の選手
(終了後記者会見)

【参考総合結果表】
  2009_rd03.xls  2009_rd03.pdf
ご注意:ここに掲載の本レポートおよび結果表等はJRCAが独自に取材、入手したものでJAF公式発表のものではありません。従ってJRCA以外から発表されるそれらのものと若干異なる場合や誤りのある場合もありますので、あらかじめご了承のうえ参考資料としてご覧ください。

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