全日本ラリー選手権第5戦
Rally Hokkaido
7月10~12日 北海道十勝地方
スペシャルステージ本数:18本
スペシャルステージ総距離:230.54km
ラリー総距離:2デイ約995km
SS路面:オールグラベル
SS路面状況:デイ1一部を除いてほぼ全面ドライ、デイ2ドライ
奴田原文雄ランサーが磐石の走りでグラベル3連勝
第3戦、第4戦と続いたグラベルイベントを、いずれも他の追随を許さない速さで制覇してきた奴田原文雄の強さは、北海道でもまったくゆるがなかった。小手調べのSS1帯広とSS2陸別で2位以下を大差にくだしたときから、すでに兆しはあったが、最初の林道ステージであるSS3で2位石田正史を14.6秒差に退けた時点で、彼の圧勝を予想した人は少なくなかっただろう。そして実際、そのとおりの結果となった。
SS1、SS2で2位につけたのは、奴田原に対抗しうる候補として名前があげられていた石田正史、石田雅之、大嶋治夫、岩下英一の誰でもなく、桑田幸典だった。桑田は昨年のキロロで5位に入るなど、北海道を中心にグラベルイベントにスポット参戦している30歳だ。しかし、期待の若手もSS3、SS4ではさすがに大先輩たちの後塵を拝して5位に後退、そしてSS5でコースアウトして早々に戦列を去ってしまった。
奴田原の連続ベストベストタイムをSS4で阻止した大嶋が、SS7,8,9も3連続ベストタイムを刻み、勝負を面白くするかに見えたが、いずれも奴田原がぴたりと2位につけていて、実際のところトップとの差は思いのほか縮まらない。石田正史はリヤをヒットしたときメンバーが変形し、足回りにトラブルを抱えたままの走行で離される一方だ。開始直後からいまひとつ調子の上がらない石田雅之はSS6でミッショントラブルのためリタイアしていた。
結局、デイ1を終えた時点で奴田原は2位大嶋に31.5秒の差をつけて1位をキープ。3位の石田正史はすでに大嶋からでも1分以上遅れている。さらにそこから約1分半遅れて岩下、さらにおよそ2分半遅れて福永修、そして6位の鎌田恭輔と福永との差は5分以上もある。
デイ2に入るとマシンが復調なったか石田正史が3本のベストタイムを記録したが、ラリーの趨勢に大きな変化はなし。1位から6位はデイ1の順位のまま決着した。
JN2クラスは田中伸幸ミラージュが優勝して今季3勝目。JN1.5クラスは開始早々から大井こずゑ対塩谷敏史の一騎打ちの様相を呈したが、最初の林道となったSS3で塩谷がクラッシュしてあっけなく戦線離脱。
大井が最後まで慎重に走りきって今季2勝目を挙げた。
JN3クラスとJN1クラスは成立しなかった。
また、同時開催されたFIAアジアパシフィック選手権では、カーナンバー1番のコディ・クロッカーが、最初から最後までトップを維持して優勝した。
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