全日本ラリー選手権第7戦
9月26~27日 愛知県新城市
スペシャルステージ本数:12本
スペシャルステージ総距離:73.50km
ラリー総距離:2デイ約300km
SS路面:オールターマック
SS路面状況:ドライ

勝田範彦GRBが今季4勝目


 毎年、観客アンケートの結果を翌年の運営に反映している新城ラリー。今年も多くの観客が見守る中、土曜日の午後にラリーが始まった。

 今年、スケジュールはいくぶん短縮されたものの、競技構成は例年どおり2デイで、土曜日は4.12kmのHouraisen, 3.61kmのNonhoi Short, 8.19kmのAigo-Mainから成るループを2周し、約73kmのSSのうち約32kmを消化する。

 幸先のよいスタートを切ったのは奴田原文雄ランサーEvo.10で、1周目をすべてベストタイムであがって2番手の勝田範彦GRBに8.1秒の差をつけた。勝田は2周目に入ったSS4、SS5で連続ベストラップを奪って反撃したが、SS6はふたたび奴田原が制し、勝田を6.0秒差に退けてデイ1を終えた。

 チャンピオンを争う2台が激しいバトルを繰り広げる後方では、横尾芳則がこの日すべてのSSで2位または3位の好タイムを安定して刻み、デイ1終了時点で勝田に12.7秒差の3位につけている。横尾から約22秒離された4位には杉村哲郎、そこから約12秒遅れて福永修が5位。6位は福永から2.2秒落ちの古谷哲也だが、そのわずか0.1秒差で高山仁、その3.4秒後方に松岡孝典がつけ、前戦の久万高原ラリーとほぼ同じメンバーによる混戦の様相を呈している。
優勝争いにからむと予想された石田正史はSS1、SS2を予想外に振るわない7位、9位タイムで終えたあと早くもSS3でクラッシュし、戦線を離脱していた。

 デイ2のSS本数は前日と同じ6本ながら、距離は約42kmとやや長くなる。この日も奴田原が機先を制し、勝田、横尾がこの順に続いた。いっぽう、前日は混戦グループの最後方にいた松岡孝典と古谷哲也が発奮し、それぞれ4位と5位のタイムを記録して追い上げにかかる。しかし松岡と古谷は続くSS8のほとんど同じ場所でコースアウトし、そこでラリーを終えてしまった。

 いっぽうSS8で本領を発揮したのがターマックキング勝田だ。毎年多くのリタイア車を出し非常に難しいといわれるこの林道で、こともなげにベストタイムを記録した勝田は、この1本だけで奴田原に8.5秒の差をつけ、2.2秒差でトップに立った。タイヤチョイスがぴったり当たっ
た杉村が勝田にわずか1.8秒落ちの2番手タイムで上がり、福永との差を30秒に広げて4位の座をほぼ確実にした。

 奴田原は続くSS9, SS10でベストを奪い返すも、勝田との差をやっと0.6秒縮めたのみ。SS8と同じコースの再走となったSS11で、勝田は奴田原を約18秒差にくだしてここまでのトータルアドバンテージを19.3秒とし、4.12kmの最終SSを残して勝利をほぼ手中にした。

 最終SSは奴田原がベストを記録するも、勝田は1.2秒差の3番手で走りきり、今季4勝目をものにした。
勝田は今年出場したターマックラリー4戦をすべて優勝で飾っており、舗装路での圧倒的な強さをあらためて印象づけた形だ。

 タイトル争いに目を転じると、ポイントリーダーの奴田原が2位になったため、勝田は今回もまた差を5ポイント縮めただけ。もし残り2戦も勝田が優勝し、奴田原が2位に入ると、有効得点(7戦分)はどちらも120ポイントとなる。
残り2戦、2人の対決からますます目が離せなくなりそうだ。

 JN3クラスは村瀬太シビックが今季4勝目をあげてランキングトップに浮上した。前戦まで首位を走っていた曽根崇仁がSSスタート時刻の間違いにより10分のペナルティを受けて9位に沈んだため、ポイント争いでは村瀬が俄然有利になった。

JN2クラスは高橋悟志が連勝したが、ランキングトップの田中伸幸が2位のポイントを加算したため、田中のタイトル獲得がますます濃厚になってきた。

 JN1.5クラスは、天野智之が2位に約50秒の差をつけて快勝。ランキングトップの大井こずゑは3位に入ってポイントを加算し、チャンピオンに向けてまた一歩前進した。とはいえ、天野にもまだ可能性は残っている。

JN1クラスは西山敏が今季2勝目をあげてタイトル戦線で頭一つ抜け出した。

【全日本ラリー選手権 第7戦 総合結果】(出走45台/完走33台)
総合順位/クラス順位
ドライバー/コ・ドライバー
車名
トータルタイム
 1位/JN4-1位 勝田範彦/保井隆宏 ラック名スバルDLインプレッサ 1:01:58.9
 2位/JN4-2位 奴田原文雄/佐藤忠宜 ADVAN-PIAAランサー 1:02:17.0
 3位/JN4-3位 横尾芳則/田中直哉 POTENZA KYB WMランサー 1:02:41.5
 4位/JN4-4位 杉本哲郎/立久井和子 DL★CMSC★ITZZ★ITOランサー 1:02:59.5
 5位/JN4-5位

福永修/奥村久継

HASEPRO・CMSC・SDFランサー 1:03:35.9
 6位/JN4-6位 高山仁/河野洋志 DL☆啓介☆NNKTランサー@オサム 1:03:53.2
 7位/JN3-1位 村瀬太/宮部弘陽 RSTアジップDLエナペタル羽山FD2 1:05:30.9
 11位/JN2-1位 高橋悟志/箕作裕子 ミツバWM DLラック マジカルレビン 1:06:24.0
 20位/JN1.5-1位 天野智之/井上裕紀子 DL・MOTUL・BRIG・VITZ 1:08:50.2
 23位/JN1-1位 西山敏/多比羅二三男 el.DL.WAKO'S BRIG AA NASシティ 1:09:03.0
注)クラス区分の説明:JN4クラスは2000ccを超える車両、JN3は1600ccを超え2000cc
以下の車両、JN2は1500ccを超え1600cc以下の車両、JN1.5は1400ccを超え1500cc以下の車両、JN1クラスは1400cc以下の車両。


【ドライバーズポイントランキング】(総合/第7戦終了時点)
順位
ドライバー
ポイント
 1位  奴田原文雄  100pts
 2位  勝田範彦  80pts
 3位  石田正史  53.4pts
 4位  福永修  52.4pts
 5位  横尾芳則  31pts
 6位  杉村哲郎  28pts
※第6戦はSS距離が150kmを越えたため係数1.2がかかっています。
※上記のポイント合計は、JRCAの独自集計によるものです。 正式ポイントおよび内訳はJAFホームページをご参照ください。


Event photo
*ここに掲載の写真は「写真提供JRCA」とコメントいただくことで報道目的での使用、
 またJRCA会員(個人、企業、団体を問わず)の報告書や企画書、HPでのレポート、ブログ等にご自由にお使いいただけます。
 なおJRCA会員、非会員に関わらず広告目的でのご使用を希望される場合は事務局にお問い合わせ下さい。

全日本総合1位(JN-4クラス1位)
勝田 範彦/保井 隆宏

全日本総合2位(JN-4クラス2位)
奴田原 文雄/佐藤 忠宜

全日本総合3位(J-4クラス3位)
横尾 芳則/田中 直哉

全日本総合7位(JN3クラス1位)
村瀬 太/宮部 弘陽

全日本総合11位(JN-2クラス1位)
高橋 悟志/箕作 裕子

全日本総合20位(JN-1.5クラス1位)
天野 智之/井上 裕紀子

全日本総合23位(JN-1クラス1位)
西山 敏/多比羅 二三男


スタート前共同記者会見
/イベント広場(桜淵公園)

【参考総合結果表】
  2009_rd07.xls  2009_rd07.pdf
ご注意:ここに掲載の本レポートおよび結果表等はJRCAが独自に取材、入手したものでJAF公式発表のものではありません。従ってJRCA以外から発表されるそれらのものと若干異なる場合や誤りのある場合もありますので、あらかじめご了承のうえ参考資料としてご覧ください。

トップページに掲載の協賛各社(一部除く)のホームページにもイベントの結果レポートが記載されます。ぜひご覧ください。

 

JRCA Homepage