第2回JRCAアワード

 JRCAでは、全日本ラリー選手権の振興・発展に貢献した人や団体を表彰する「JRCAアワード」を2006年に創設しました。この賞は、これらの人や団体への感謝を表すとともに、その功績を讃え広く紹介しようとするものです。第2回の表彰となる2007年度は、主催団体のルート10延岡、多くのラリーでCROを務めた竹道雄康さん、ドライバーの高橋悟志さんが選ばれました。


・ルート10延岡
 ルート10延岡は、宮崎県延岡市に拠点を置くJAF加盟クラブで、1986年から2005年まで同県椎葉村において全日本ラリー選手権「ひえつき」を開催してきました(1987年は災害のため中止)。主催者と参加者と地元の「三位一体」となった協力が素晴らしいラリーを作り上げるという同クラブ会長・土田孝男氏の理念のもと、ラリーの振興とともに地域の振興もめざして開催運営に取り組んできました。この姿勢は、JRCAがラリーのあり方のモデルとも考えるものであり、いまでは多くの主催者がこれを範としたラリー運営をしています。残念ながら、椎葉村の人たちに愛され、九州ではすっかり有名になった全日本ラリー「ひえつき」は、2005年の大規模な土砂災害によってその歴史を閉じることになりましたが、ルート10延岡は2007年に「ひむかラリーin美郷」を隣の美郷町で開催し、新しい一歩を踏み出しました。20年以上も前から現在の理想とされるラリーを実践してきたことを評価し、新天地での今後の発展を応援する意味で、JRCAアワードが贈られることになりました。

ルート10延岡 会長土田孝男さん(前列左から4人目)とクラブ員のみなさん

・竹道 雄康 さん
 国際格式ラリーではすでに確立していたCRO(Competitor Relations Officer)という役割が、国内ラリーに存在しなかった頃は、ラリー中に起きるさまざまな不測の事態によって選手が不公平な扱いを受けたり、運営上のトラブルに発展したりということがままありました。北海道で開催された国際格式ラリーで竹道氏がCROを勤めて以後、この役割の重要性が認識され、全日本ラリーでも自主的にCROを設置する主催者が現れました。そのような主催者の招請が寄せられたのは多くの場合、竹道氏であり、数年の間にCROは急速に全日本ラリーの中で広まりました。2007年には、規則での義務付けがないにも関わらず全戦で設定され、CROはもはやラリーの円滑な運営に無くてはならない存在となっています。難しい仕事を率先して引き受けてきたことが普及につながったとして、竹道氏の活動が高く評価されました。

竹道雄康さん

・高橋 悟志 さん
 すでに生産が打ち切られていたAE111レビン(JN-2クラス)で、高橋選手がランサーやインプレッサなどのハイパワー車の中に割って入り、総合8位を獲得して周囲をびっくり仰天させたのは2006年のことです。2007年も同じ車両で果敢に全日本に挑み、年間をとおして安定した成績を残してJN-2クラスのチャンピオンを獲得しました。旧型車で並み居る新型車と互角かそれ以上に戦ったこと、また、経験がものをいうラリーという競技において30歳でチャンピオンを獲得したことは、全日本ラリーの戦いを面白くさせ、若いプライベート参加者に元気を与えました。今年もまた同じレビンで参戦するそうですが、「技術的に自分はまだまだ。速いね、と言ってもらえるように、より一層頑張りたいです」とのこと。ますますの活躍に期待をこめての表彰となりました。

左から小西会長、高橋悟志さん
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