第3回JRCAアワード

 JRCAでは、全日本ラリー選手権の振興・発展に貢献した人や団体を表彰する「JRCAアワード」を2006年に創設しました。この賞は、これらの人や団体への感謝を表すとともに、その功績を讃え広く紹介しようとするものです。第3回の表彰となる2008年度は、自動車メーカー系スポーツパーツメーカーの株式会社ラリーアートとドライバーの村瀬太さんが選ばれました。


・株式会社ラリーアート
 ラリーがモータースポーツである以上、競技性が高まるにつれて車両やパーツの高性能化が進むのは当然の成り行きですが、この結果、現在ではラリー車両の製作コスト増大とともにドライバーに要求される技術レベルも非常に高くなり、若い人たちの新規参入が著しく困難になっています。この状況を打開するために今年導入されたJN1.5クラスは、本体価格・製作費用が比較的低く、しかも扱いやすい車両で、全日本選手権というレベルの高い競技会への参戦を可能にするものとして注目を集めました。株式会社ラリーアートはこの意図を受けていち早くJN1.5車種のラリー用パーツを揃え、ユーザー支援を充実させてきましたが、それに刺激されるように同クラスは回を追うごとに参加台数が増えて大いに盛り上がり、全日本ラリー全体に対しても良い影響を与えています。率先して新しいクラスの参入に対応した同社の姿勢が、全日本ラリー全体の活性化につながったとして、その貢献が高く評価されました。

左から田口社長、小西会長

・村瀬 太 さん
 2007年に発売されたホンダシビックTYPE-Rは、ヨーロッパでは早々にラリー車としてのデビューを果たしましたが、日本向けモデルは今年になって初めて、村瀬選手によって国内ラリー界に持ち込まれたと言ってよいでしょう。ラリーへの初出場が2002年という村瀬選手は、今年29歳という若さながら、この新しいクルマのラリー車両としての開発に先鞭をつけたのです。第2戦でデビューした村瀬シビックは、シリーズが進むにつれてスピードを増し、ついに第9戦と第10戦では2戦連続優勝を遂げました。この結果は、新たな「勝てるクルマ」を衆目の前に提示するいっぽう、村瀬選手が開発能力とドライビング技術の両方において非凡な力を持つことを証明したといえます。ニューモデルのポテンシャルを引き出して競技の活性化に貢献したことを高く評価するとともに、ラリードライバーに必須の2つの能力を兼ね備えた村瀬選手のさらなる成長に期待をこめて、アワードを贈ることになりました。

左から村瀬さん、小西会長
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