第5回JRCAアワード

 JRCAでは、全日本ラリー選手権の振興・発展に貢献した人や団体を表彰する「JRCAアワード」を2006年に創設しました。この賞は、これらの人や団体への感謝を表すとともに、その功績を讃え広く紹介しようとするものです。第5回となる今年は大庭誠介氏および香川秀樹選手に贈られました。


・大庭 誠介さん
 現在の全日本ラリー参戦においてサービスの役割が非常に大きいことは異論の無いところでしょう。日本ではクルーは自力でサービスクルーを探し、サービス経費を負担することが当然のこととされており、若い選手ではその負担が全日本選手権への参戦をハードルの高いものとしていました。大庭さんは2008年、還暦をもって40年にもおよぶトップラリードライバーとしてのキャリアを“定年引退”した後、自らの資金で選手時代のサービスクルーと共に、「ヘルプサービス」として弱小プライベートチームを対象に基本的なサービスを提供する活動を主宰しています。「ヘルプサービス」の名前は大庭さんがプライベーターとしてRACラリーに参戦した際に、現地の“Help Service”のボランティアに支えられたことに由来しています。発足当初は同時整備可能台数は2台としていましたが、選手からの要望は多く、現在は多いときでは10台ものクルーがサービスを受けています。特に若い選手や全日本にステップアップして間もない選手には経費面のみならず、ドライビングや車両製作、選手としての心構えに至るまで有形無形の援助を行っており、これが全日本ラリーに継続参戦していくモチベーションとなり、全日本ラリー全体の活性化に大きな役割を果たしていることが評価され、今回の受賞につながりました。

大庭誠介さん(中央)とヘルプサービススタッフのみなさん

・香川 秀樹選手
 JN3クラスは今年、従来1600cc上下で分けられていた2クラスが統合され、1500~3000ccまでの車両が対象となり、第6戦では全45台中22台を占めるなど、多くのエントリーを集めました。実力に定評のある選手も多く、今年の全日本ラリーの中で最も激戦となったクラスと言えるでしょう。香川選手は2006年から3年連続でD・E地区のチャンピオンを取得する一方で、2007年から全日本選手権へのスポット参戦を開始しました、2009年から本格参戦を開始し、2年目となる2010年はJN3クラスの中では唯一人全戦に参戦し、グラベルの第2戦と第4戦では優勝を遂げるなど安定した上位成績でチャンピオンを取得しました。香川選手はプライベーターとして、本業を持ち家族を持つ傍ら、多大な情熱をラリー参戦のために傾け、同時に、所属するモンテカルロ・オート・スポーツ・クラブの仲間の多くのの協力を得て参戦しており、決して特別ではない体制の中で不断の努力と優れたドライビング技術で優秀な成績を挙げたことが評価され、今回の受賞対象となりました。

香川秀樹さん
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