全日本ラリー選手権第7戦

全日本ラリー選手権第7戦
FMSC久留米-吉野ヶ里マウンテンラリー
8月24~26日/福岡県久留米市
スペシャルステージ本数:10本
スペシャルステージ総距離:予定68.74km(うちSS5~10=40.29kmキャンセル)
ラリー総距離:1レグ約230km
SS路面:ターマック
SS路面状況:ドライのちヘビーウェット


勝田範彦が今季5勝目をあげて初タイトル確定


 7月下旬に第8戦の中止が決まり、残るは3戦。その時点で、シリーズ自力制覇の権利は勝田範彦と石田正史に絞られた。北村和浩と炭山裕矢は、可能性は残されたもののライバルたちの成績次第。ディフェンディングチャンプ奴田原文雄は、第6戦ラリー北海道でのリタイヤで早くもタイトルへの望みを絶たれている。

 こうして迎えたFMSC久留米-吉野ヶ里マウンテンラリーは、全日本ラリーとしては初開催のイベント。福岡県久留米市にスタート&サービスパーク&ラリーフィニッシュを置き、佐賀県東部の吉野ヶ里町、みやき町、神埼市に約70kmのSSを設定したが、この時期の厳しい暑さを考慮して、ラリーは1レグのみというコンパクトな構成となっている。

 カンカン照りで気温が36℃を越えた金曜日に続き、土曜日の朝も晴天に恵まれた。SS1は石田、勝田、北村がトップ3を形成し、早くもラリーは開幕からのターマック3連戦と同様の展開を予想させる。SS2でベストタイムを奪った勝田範彦が首位に立つと、SS3では北村和浩がベストタイムを奪い2位に浮上とめまぐるしい。この3人が圧倒的なスピードでトップ争いを繰り広げ、奴田原、炭山はどんどん離されていく。SS3を終了した時点で1位勝田から3位石田まではわずか3.6秒、いっぽう、3位石田と4位炭山の間はすでに19.5秒に開いていた。

 しかし早くもSS2から異変の兆候は見え始めていた。天気予報とはうらはらにぽつりぽつりと落ち始めた雨は、ラリーがSS4に達する頃には土砂降りに。こうなると形勢は一気に逆転し、奴田原が最速タイムをたたき出す。勝田はこの6kmだけで奴田原
の約11秒落ち、北村に至っては20秒近くも遅れてリードをほとんど吐き出してしまった。石田はスピンして大破し、早々に戦列を去ることになった。

 さらに後方では重大な事故が発生する。ガードレールにラリー車がぶつかったはずみで、そのすぐ外側にいた3人の記者がはじき飛ばされ、重傷を負ったのだ。救助活動のためラリーはその時点で中断され、最終的にSS4をもって競技は打ち切りとなった。

 その後、現地でJAFの緊急ラリー部会が召集され、全日本選手権認定基準であるSS実施距離30km以上という条件にはわずかに及ばないが、特例として今回のラリーを全日本選手権として認定することが決定された。勝田はこれで今季5勝目となり、初めての全日本ラリーチャンピオン獲得を確かなものにした。

 JN-3クラスは榊雅広、JN-2クラスは田中伸幸、JN-1クラスは廣瀬康宏が制した。


主催者からの事故報告

 

【全日本ラリー選手権 第7戦 総合結果】(出走49台/完走40台)
総合順位
ドライバー/コ・ドライバー
車名
トータルタイム
1位
JN4-1位 勝田範彦/北田稔
ラック名スバルStiDLインプレッサ 23:38.1
2位
JN4-2位 北村和浩/竹下紀子 アーレスティDL・KYBインプレッサ 23:52.6
3位
JN4-3位 奴田原文雄/小田切順之 ADVAN・PIAAランサー 23:57.9
4位
JN4-4位 炭山裕矢/松井博和 クスコADVANスバルインプレッサ 24:18.2
5位
JN4-5位 大庭誠介/高橋巧 REPSOL-ADVANランサー 24:23.2
6位
JN4-6位 吉谷久俊/高田新二 RS★R-DL-LANCER 24:32.6
8位
JN3-1位 榊雅広/井出上達也 J&SクスコKYB☆BSインテ 24:45.4
13位
JN2-1位 田中伸幸/萱原敏幸 クスコBS・CMSC・CJ4A 25:02.9
22位
JN1-1位 廣瀬康宏/谷内壽隆 DLレイルBIGキャッツCBシティ 25:21.9
注)クラス区分の説明:JN4クラスは2000ccを超える車両、JN3は1600ccを超え2000cc
以下の車両、JN2は1400ccを超え1600cc以下の車両、JN1クラスは1400cc以下の車両。


【ドライバーズ総合ランキング】(10戦中7戦終了時)
総合順位
ポイント
ドライバー
1位
120.6pt
勝田範彦
2位
78.0pt
石田正史
3位
72.0pt
北村和浩
4位
45.4pt
炭山裕矢
5位
40.4pt
大庭誠介
6位
30.6pt
奴田原文雄
※第7戦はSS実施距離が50km未満であったため、各順位ポイントに係数0.8が掛けられる。
すなわち:1位16.0pt、2位12.0pt、3位9.6pt、4位8.0pt、5位6.4pt、6位4.8pt、7位3.2pt、8位2.4pt、9位1.6pt、10位0.8pt


Event photo

総合1位(JN-4クラス1位)
勝田 範彦/北田 稔

総合2位(JN-4クラス2位)
北村 和浩/竹下 紀子

総合3位(JN-4クラス3位)
奴田原 文雄/小田切 順之

総合8位(JN-3クラス1位)
榊 雅広/井出上 達也

総合13位(JN-2クラス1位)
田中 伸幸/萱原 敏幸

勝田 範彦/北田 稔
両選手

スタート前 JN-4クラス
上位ポイントランキングドライバー


セレモニアルスタート会場
/久留米六角堂広場

【参考総合結果表】
  2007_rd7.pdf
  2007_rd7.xls
ご注意:ここに掲載の本レポートおよび結果表等はJRCAが独自に取材、入手したものでJAF公式発表のものではありません。従ってJRCA以外から発表されるそれらのものと若干異なる場合や誤りのある場合もありますので、あらかじめご了承のうえ参考資料としてご覧ください。

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