全日本ラリー選手権第9戦
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全日本ラリー選手権第9戦
とはいえ今回もまた、奴田原にとっては多難なラリーだった。スタート早々、インターコムが不調となりペースノートがはっきりと聞き取れない。奴田原をはじめとする上位選手たちにはもう何十回も走っている道とはいえ、ノートがあるのとないのとでは攻め方も違う。この隙をついてオープニングからトップを奪ったのが、ここへきて調子をあげてきた岩下英一だ。 岩下の全日本デビューはおよそ20年ほども前のこと。がむしゃらな攻めの走りでめきめき頭角を現したが、その後、長期にわたって活動を休止していた。数年前から国際格式ラリーを中心に年に1~2回のペースで競技に復帰。今年は全日本のグラベルイベントに的を絞り、これまでに出場した2戦でいずれも4位を獲得している。 ラリーは岩下がトップを走り、インターコムの不調をおして奴田原がぴったり2位につける展開。すでにチャンピオンが決まった勝田範彦は、ここ数年完走したことのないこのラリーでなんとか上位に食い込んで完走したいという思いで2人を追う。 2回目のギャラリーステージとなったSS4深谷ダムでは、久しぶりにこのラリーの名物「川渡り」が復活したが、餌食となる競技車が続出。4位を走っていた大庭誠介ランサーもそのうちの1台で、勢い良く飛び込んだために下回りを強打し、そのダメージがもとでSS5で大きく遅れることになった。また、SS5では勝田も電動ファンのトラブルからタイムを落とし、順位は変わらないもののトップ争いから脱落。いっぽうこのラリーを得意とする田口幸宏がこのSSを3位であがり、大庭を抜いて勝田に0.2秒差に迫った。 SS5終了後のサービスで、奴田原はやっとインターコムが完璧に復調なったのか、SS6からラリーは奴田原の独壇場。SS6で記録したこの日初めてのベストタイムは、2位の岩下を10秒近く上回った。他方、勝田に迫る勢いだった田口はここでバーストのため致命的な遅れを喫して7位まで後退した。 奴田原は以後すべてのSSでベストタイムを奪い、岩下がタイヤバーストで大きく遅れたこともあって、最終的に2位に約46秒の差をつけて今季初優勝をおさめた。バーストを避けて慎重に走りきった勝田は久々のハイランドマスターズ完走を果たし、3位表彰台を獲得した。 「カーブレークラリー」という名前のとおり、今回も悪路でのダメージからリタイアするクルマが続出。とくに6台のインテグラとセリカで争われたJN-3クラスは5台がリタイアし、過酷なラリーを生き残った榊雅広インテグラがJN-3クラス優勝を手に入れた。JN-2クラスは平塚忠博ブーンが総合6位に食い込む快走で制した。 |
【全日本ラリー選手権 第9戦 総合結果】(出走28台/完走17台)
以下の車両、JN2は1400ccを超え1600cc以下の車両、JN1クラスは1400cc以下の車両。 【ドライバーズ総合ランキング】(10戦中9戦終了時点で高得点の7戦分による順位)
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【参考総合結果表】
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