全日本ラリー選手権第2戦

全日本ラリー選手権第2戦
久万高原ラリー
4月26~28日 愛媛県久万高原町
スペシャルステージ本数:7本
スペシャルステージ総距離:93.84km
ラリー総距離:1レグ約243km
SS路面:ターマック
SS路面状況:ドライ

新型ランサーで奴田原選手今期初勝利


  開幕戦から2週間後、ラリーは愛媛県久万高原町にやってきた。拠点となる美川スキー場が標高1525メートルの大川嶺のすぐ下に位置するため、ここでのラリーは天候が急変して局地的な雨と霧に見舞われることもたびたびあり、過去幾多のドラマを生んできた。しかし今年は昨年に引き続き快晴に恵まれ、トップドライバーたちがそれぞれの本領を発揮する白熱の戦いが繰り広げられた。

 競技は7本のSSから成る1レグだけのシンプルかつコンパクトな構成。しかし各セクションに25~28kmのロングステージ1本ずつを配し、SS総距離は約94kmにも及ぶ。マシンにもドライバーにも厳しいラリーとなることが予想された。

 オープニングのSS1でベストタイムを奪ったのは、昨年P-WRC参戦のためこのラリー出場を見送った奴田原文雄。奴田原は続くSS2、SS3も連続でベストラップを刻み、舗装のラリーではここしばらくないような好調な滑り出しを見せた。開幕戦を制したディフェンディングチャンピオン勝田範彦は、最初のステージこそ石田正史の後塵を配してやや奴田原に水をあけられたが、SS2とSS3ではピタリと2番手につけて、虎視
眈々と逆転のチャンスを狙う。

 実力どおりの勝負を続ける奴田原と勝田に対し、この2人とともに優勝候補の最有力候補に挙げられていた北村和浩と石田正史にはSS2で波乱が襲った。北村はスタートから約8km地点で右側の前後輪を同時にパンクさせ、前輪はスペアタイヤに交換するも後輪はパンクしたまま走らざるを得ず、このSS2だけでトップから7分以上も遅れて早々に戦線離脱。石田正史は左フロントを大破させてリタイアした。

 セクション2に入ると、勝田がまずSS4で奴田原に2.2秒勝ったが、奴田原はSS5で勝田を2.2秒差に退けて、その差は縮まらない。SS6では、昨年グラベルのみに参戦し今年久々にターマックラリーに復帰した田口幸宏がベストタイムを記録し、奴田原がその0,1秒落ち。勝田は奴田原に0.7秒及ばず、差は8.4秒に開いた。

 セクション3は、この日最長の28kmのSS1本のみ。セクション2までで走った25kmのロングステージと2.8kmのギャラリーステージをつなげたものだ。先頭走車の勝田はここを21分30秒7で走りきり、奴田原のフィニッシュを待つ。奴田原のタイム21分37秒8がアナウンスされた瞬間、奴田原の勝利が明らかになった。最後の最後にターマックキングの意地を見せた勝田だったが、わずか1.3秒及ばなかった。

 JN3クラスは今回も開幕戦に引き続き岡田孝一セリカと森博喜MRSというベテラン対決となり、今回は岡田に軍配が上がった。
 JN2クラスはSS6まで山口清司レビンが総合でも7位に食い込む圧倒的な速さでリードしていたが、無念にもSS7でメカニカルトラブルからリタイア。ターマックでは不利といわれる四駆で平塚忠博が優勝した。

 JN1クラスは廣瀬康宏シティが開幕戦に続く2連勝。JN1.5も榊雅広コルトが大方の予想どおり2連勝を飾った。

【全日本ラリー選手権 第2戦 総合結果】(出走38台/完走26台)
総合順位/クラス順位
ドライバー/コ・ドライバー
車名
トータルタイム
 1位/JN4-1位 奴田原文雄/小田切順之 ADVAN-PIAA ランサー 1:12:13.4
 2位/JN4-2位 勝田範彦/晝田満彦 スバルラリーチームジャパン・インプレッサ 1:12:14.7
 3位/JN4-3位 田口幸宏/佐藤忠宜 ADVAN-PIAA KYB ランサー 1:13:18.1
 4位/JN4-4位 飯泉忠男/露木明浩 シャフトMOTUL・DL・WP インプレッサ 1:13:37.9
 5位/JN4-5位 杉村哲郎/松井和子 CMSC DL el Wm和光レイルランサー 1:14:00.9
 6位/JN4-6位 島田雅道/横川紀仁 Six常盤歯科DLテイクグッドランサー 1:14:22.1
 7位/JN3-1位 岡田孝一/石田裕一 DL KYB・アルテック セリカ 1:15:55.4
 10位/JN2-1位 平塚忠博/山岸典将 ダイハツブーン X4 1:17:27.1
 12位/JN1-1位 廣瀬康宏/中村信博 メロンブックスBRIGキャッツDL シティ 1:18:11.8
 18位/JN1.5-1位 榊雅広/井出上達也 J&S クスコ BS WM コルトRA 1:20:02.3
注)クラス区分の説明:JN4クラスは2000ccを超える車両、JN3は1600ccを超え2000cc
以下の車両、JN2は1500ccを超え1600cc以下の車両、JN1.5は1400ccを超え1500cc以下の車両、JN1クラスは1400cc以下の車両。


Event photo

全日本総合1位(JN-4クラス1位)
奴田原 文雄/小田切 順之

全日本総合7位(JN-3クラス1位)
岡田 孝一/石田 裕一

全日本総合3位(JN-2クラス1位)
平塚 忠博/山岸 典将

全日本総合12位(JN-1クラス1位)
廣瀬 康宏/中村 信博

全日本総合18位(JN-1.5クラス1位)
榊 雅広/井出上 達也

スタート(美川スキー場)

サービスパーク(美川スキー場)


表彰式
奴田原選手(左)/小田切選手(右)

【参考総合結果表】
  2008_rd02.xls
ご注意:ここに掲載の本レポートおよび結果表等はJRCAが独自に取材、入手したものでJAF公式発表のものではありません。従ってJRCA以外から発表されるそれらのものと若干異なる場合や誤りのある場合もありますので、あらかじめご了承のうえ参考資料としてご覧ください。

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