全日本ラリー選手権第3戦

全日本ラリー選手権第3戦
KYOTO南丹ラリー
5月17日 京都府南丹市
スペシャルステージ本数:14本
スペシャルステージ総距離:56.93km
ラリー総距離:1レグ約343km
SS路面:ターマック
SS路面状況:ドライ

石田正史ランサーが今季初勝利


  開幕からのターマック3連戦は、今年も京都で最終ラウンドを迎えた。今回のKYOTO南丹ラリーは、個々のSS距離は最長でも5.6kmしかなく、短いSSを数多くこなすスプリント的な競技設定。ダムサイドの超高速ステージが採用されず、全体的に低速傾向にはなったが、二駆四駆統合後は初めての使用となるRurikeiは道幅が狭いうえに路面に苔が生えているなど、トリッキーで気の抜けないステージがいくつもある。
 
ディフェンディングチャンピオン勝田範彦が、そのトリッキーなSS1でコースアウト、リタイアするという波乱からラリーは始まった。SS1を制したのは、前戦はSS2で姿を消した石田正史で、そのわずか0.5秒落ちで奴田原文雄が続いた。セクション1はその後もすべて石田がベストタイム、奴田原が2番手という関係で推移し、SS5までを終えてトップが石田、それを3.9秒差で奴田原が追う。
 
別次元のスピードで争うトップ2の下では、新しい顔ぶれによって3位争いが始まっていた。昨年全日本ラリー初参戦でシリーズ総合8位にランクインし、今回はゼッケン5番を与えられた20歳代の新鋭・松岡孝典、JN3で1年連続チャンピオンとなり昨年からJN4にステップアップした横尾芳則、そしてグラベルスペシャリストと言われながら今年はターマックラリーにも復帰し、前戦で久々に3位表彰台を得た田口幸宏だ。セクション1終了時点では、2位奴田原とは11.3秒ながら、まず3位に座ったのが松岡。その0.2秒差に田口、そしてさらにその3.6秒落ちで横尾がつけた。
 
セクション2に入っても石田と奴田原の息詰まる接戦は続く。ベストラップを見れば石田がSS6,7,8,10の4本、奴田原はSS9のみだが、そのタイム差はわずか。SS11で石田がやや遅れたことで、奴田原はじわりと3.4秒差に詰め寄った。
 
いっぽう、3位争いにはさらに新しいメンバーが加わる。田口がSS11のクラッシュで沈んだのと入れ替わりに、ジムカーナ界のトップドライバーで全日本ラリー初参戦の古谷哲也が浮上してきた。さらに優勝候補の一人と目されながら序盤のスピンで低迷していた北村和浩もじわじわと順位を上げる。しかし、北村はチームメイトの松岡まであと1.6秒と迫ったSS11で石垣に激しくヒットし、またもや下位に転落。結局、セクション2終了時点でも松岡が3位をキープ。SS11でベストタイムを奪った横尾が1.4秒差に迫り、古谷がその1.6秒差で5位に。田口は古谷から6.3秒遅れの6位に後退した。
 
45分のサービスの後にリフューエルを受けると、長い初夏の一日もすっかり暮れた。セクション3はナイトステージ。石田がしょっぱなのSS12を4分36秒1のぶっちぎりベストタイムであがり、奴田原との差を一気に9.6秒に広げた。続くSS13も石田はダントツのベストラップで奴田原を14.1秒差に突き放す。4.75kmのSS14を残して、ここで勝負はついた。石田は最終SSを確実に7番手タイムで走りきり、今季初勝利。ここ京都は2連覇となった。
 
他方、3位争いはセクション3に入ってさらにめまぐるしく展開する。まずSS12では古谷が3位に上がり、SS13では横尾が古谷を0.8秒差にかわして3位を奪い取る。そして最終SS、横尾はSS11とあわせてこの日2度目のベストタイムを記録、セカンドベストの古谷を2.5秒差に退けて3位を守りきった。暗くなった途端に6位まで転落した松岡は、最終SSで踏ん張って田口を逆転し5位に就いた。
 
JN3クラスは仲鉄雄インテグラと村瀬太シビックtypeRが激しいつばぜり合いを演じていたが、暗くなってからのセクション3では地元の利があったか仲がスパートして 勝利を手中にした。
 
JN2クラスは、第1戦では高橋悟志との激戦に僅差で破れ、第2戦ではぶっちぎり優勝を目前にしてリタイアした山口清司レビンが、今回も快走。総合8位に食い込むスピードでついに待望の勝ち星をあげた。
 
JN1クラスは廣瀬康宏シティが開幕戦から3連勝。JN1.5も榊雅広コルトが3連勝を飾った。

【全日本ラリー選手権 第3戦 総合結果】(出走44台/完走37台)
総合順位/クラス順位
ドライバー/コ・ドライバー
車名
トータルタイム
 1位/JN4-1位 石田正史/澤田茂 DLテイン マルシェ ランサー 41:48.7
 2位/JN4-2位 奴田原文雄/小田切順之 ADVAN-PIAA ランサー 42:01.1
 3位/JN4-3位 横尾芳則/安東貞敏 POTENZA KYB ランサー 42:25.7
 4位/JN4-4位 古谷哲也/横川紀仁 DL Winmax ランサー 42:28.2
 5位/JN4-5位 松岡孝典/木村裕介 ニシオガレージDL インプレッサ 42:44.5
 6位/JN4-6位 田口幸宏/佐藤忠宜 ADVAN-PIAA KYB ランサー 42:45.6
 8位/JN2-1位 山口清司/船木一祥 エナペタル 久興 BS レビン 43:53.3
 10位/JN3-1位 仲鉄雄/藤戸栄司 SixSense常盤歯科ADVANゼロスインテ 43:56.6
 12位/JN1-1位 廣瀬康宏/中村信博 メロンブックスBRIGキャッツDLシティ 44.59.5
 18位/JN1.5-1位 榊雅広/井出上達也 J&S クスコ BS WM コルトRA 46:31.4
注)クラス区分の説明:JN4クラスは2000ccを超える車両、JN3は1600ccを超え2000cc
以下の車両、JN2は1500ccを超え1600cc以下の車両、JN1.5は1400ccを超え1500cc以下の車両、JN1クラスは1400cc以下の車両。


Event photo

全日本総合1位(JN-4クラス1位)
石田 正史/澤田 茂

全日本総合2位(JN-4クラス2位)
奴田原 文雄/小田切 順之

全日本総合3位(JN-4クラス3位)
横尾 芳則/安東 貞敏

全日本総合8位(JN-2クラス1位)
山口 清司/船木 一祥

全日本総合10位(JN-3クラス1位)
仲 鉄雄/藤戸 栄司

全日本総合12位(JN-1クラス1位)
廣瀬 康宏/中村 信博

全日本総合18位(JN-1.5クラス1位)
榊 雅広/井出上 達也


ギャラリーステージ
(府民の森ひよし)

【参考総合結果表】
  2008_rd03.xls
ご注意:ここに掲載の本レポートおよび結果表等はJRCAが独自に取材、入手したものでJAF公式発表のものではありません。従ってJRCA以外から発表されるそれらのものと若干異なる場合や誤りのある場合もありますので、あらかじめご了承のうえ参考資料としてご覧ください。

トップページに掲載の協賛各社(一部除く)のホームページにもイベントの結果レポートが記載されます。ぜひご覧ください。


JRCA Homepage