全日本ラリー選手権第5戦


全日本ラリー選手権第5戦
MSCC東京ラリー
6月13~15日 福島県棚倉町
スペシャルステージ本数:12本
スペシャルステージ総距離:71.73km
ラリー総距離:2レグ約350km
SS路面:グラベル
SS路面状況:ドライ

石田正史が今季2勝目、ポイントも2位に浮上


 今シーズンのグラベル第2戦となったMSCC東京ラリーは、全日本選手権だけでも50台がエントリー、東日本選手権やイノベーションクラスも合わせると総勢84台が参加する盛況となった。その中で注目を集めたのは、まずランサーEvo10。奴田原文雄と田口幸宏の2台体制でグラベルデビューウィンを狙う。また今シーズン2台が全日本を走っているインプレッサGRBは、第4戦でグラベルデビュー3位を獲得した北村和浩が今回は欠場し、第4戦をGDBで戦った勝田範彦が初めてGRBをグラベルに持ち込んだ。

 しかしラリーはそれらのニューマシンが遅れをとる展開で始まった。出走順も多少影響したか、SS1は4号車岩下英一と6号車石田雅之がベストタイムを分け合い、3位に2号車石田正史がつける。3号車奴田原、8号車田口、1号車勝田はこの順に7、8、9番手だ。

 石田雅之が続くSS2もベストタイムで上がると、石田正史がSS3、SS4で連続ベストを奪い、SS4終了時点でトップが石田雅之、0.5秒差に石田正史がつけ、3位の岩下までは約19秒と、2人の石田が飛び抜けている。ニューマシン3台は、他者のトラブルもあって順位こそ4位田口、6位奴田原、7位勝田とそれぞれ上がってはいるが、タイムは大きく水をあけられた格好だ。

 SS5でラリーが大きく動いた。序盤でパンクした石田雅之と奴田原が、それぞれSS中にタイヤ交換をしてここだけでトップから約3分も遅れたのだ。同じくこのSSの後半でパンクした田口は、タイヤ交換せずにそのまま走りきったが、これも2分近くのロス。こうしてSS5終了時点で石田正史が2位岩下に40秒以上のマージンを持った独走態勢となり、3位には2.6秒差で大嶋治夫、勝田がその4.3秒差の4位に浮上した。

 石田雅之はSS6、SS7でも連続ベストながらすでに焼け石に水。レグ1を終えてトップは石田正史、44.1秒差で岩下、その1.4秒落ちで大嶋、さらにその6.7秒差で4位勝田と続く。田口はトップから2分23秒落ちの9位でまだ入賞に一縷の望みを残したものの、石田雅之は同2分54秒4落ちの12位、奴田原は3分35秒2遅れて17位と、上位進出はほぼ絶望的となった。

 明けてレグ2。あろうことかしょっぱなSS8のスタートで3位の大嶋がマシントラブルから停止。石田正史が完走を視野に入れてペースを落とす中、奴田原、石田雅之、勝田が猛チャージをかけてトップ3のタイムを叩き出し、勝田はここで一気に岩下を抜いて2位に。

 その後も奴田原、石田雅之はSSベストかまたはそれに近いタイムを刻むも、最終的に石田雅之が8位、奴田原は9位まで回復するのがやっと。レグ2は完全にペースダウンして1位を守った石田が、今季2勝目をあげてドライバーズポイントでも単独2位に。的確なペース配分で荒れた競技展開を旨く乗り切った勝田が、効率よく2位のポイントを稼いだ。レグ2ではマシン不調からかタイムは落ちたものの序盤のリードが効いて岩下が昨年より順位を一つあげて3位でフィニッシュ。また、SS2でサスペンションを傷めて1分以上のロスを被った横尾が、遅れを走りで取り戻して最終的に4位を獲得した。

 JN1クラスでは久々のラリー出場となった往年のリトルジャイアント綾部美津雄が変わらぬ速さを見せつけて序盤からぶっちぎりの独走優勝。JN2クラスは平塚忠博が終盤のSS9でリタイアした後、大学在学中に全日本デビューして4年目を迎えた村田康介が、ベテラン田中伸幸に競り勝って勝利をもぎ取った。今季コンスタントに2位、3位のポイントを稼いでいる村田は、これでJN2クラスドライバーズポイントでも1位に躍り出た。

 JN3クラスは森博喜セリカが開幕戦以来の今季2勝目。JN1.5クラスは大庭誠介が前戦に続いて2連勝となった。

【全日本ラリー選手権 第5戦 総合結果】(出走50台/完走29台)
総合順位/クラス順位
ドライバー/コ・ドライバー
車名
トータルタイム
 1位/JN4-1位 石田正史/澤田茂 DLテイン マルシェ ランサー 1:09:21.0
 2位/JN4-2位 勝田範彦/晝田満彦 スバルラリーチームジャパン・インプレッサ 1:09:57.1
 3位/JN4-3位 岩下英一/犬貝忠 岩下ADVAN ランサー 1:10:20.5
 4位/JN4-4位 横尾芳則/木村裕介 POTENZA KYB CT9A 1:10:49.6
 5位/JN4-5位 星野博/石田裕一 クスコ・ポテンザ・CMSC・OZランサー 1:10:52.3
 6位/JN4-6位 田口幸宏/佐藤忠宜 アドバン・PIAA・KYBランサー 1:11:35.2
 11位/JN1-1位 綾部美津雄/森田茂利 アヤベ・ダイハツ・ストーリア 1:13:13.6
 12位/JN2-1位 村田康介/地神潤 BOOBOW・DL・ブーン X4 1:13:25.3
 17位/JN3-1位 森博喜/藤綱和敏 ミツバ・ラック・セリカ 1:18:03.8
 19位/JN1.5-1位 大庭誠介/高橋巧 REPSOL-ADVAN コルト 1:19:25.8
注)クラス区分の説明:JN4クラスは2000ccを超える車両、JN3は1600ccを超え2000cc
以下の車両、JN2は1500ccを超え1600cc以下の車両、JN1.5は1400ccを超え1500cc以下の車両、JN1クラスは1400cc以下の車両。


Event photo

全日本総合1位(JN-4クラス1位)
石田 正史/澤田 茂

全日本総合2位(JN-4クラス2位)
勝田 範彦/晝田 満彦

全日本総合3位(JN-4クラス3位)
岩下 英一/犬貝 忠

全日本総合11位(JN-1クラス1位)
綾部 美津雄/森田 茂利

全日本総合12位(JN-2クラス1位)
村田 康介/地神 潤

全日本総合17位(JN-3クラス1位)
森 博喜/藤綱 和敏

全日本総合19位(JN-1.5クラス1位)
大庭 誠介/高橋 巧


石田正史選手(左)/澤田茂
選手(右)

【参考総合結果表】
  2008_rd5.pdf
  2008_rd05.xls
ご注意:ここに掲載の本レポートおよび結果表等はJRCAが独自に取材、入手したものでJAF公式発表のものではありません。従ってJRCA以外から発表されるそれらのものと若干異なる場合や誤りのある場合もありますので、あらかじめご了承のうえ参考資料としてご覧ください。

トップページに掲載の協賛各社(一部除く)のホームページにもイベントの結果レポートが記載されます。ぜひご覧ください。


JRCA Homepage