第1回会員アンケートの結果

 優先希望プログラムとして挙げられた項目と、それに対して添えられた説明を、以下にまとめました。ただし、会員各自の項目の挙げ方がまちまちなので、同じ内容としてまとめられるものは統合しています。(分割することは難しいので、統合するだけにしました。)
 有効回答数は7通で、内訳は、主催者1通、ドライバー3通、コドライバー3通でした。
 優先順位の高い項目から順に、10,7,5,3,2の各ポイントを与えて集計しました。全項目の合計は189ポイントとなっています。

(1) シリーズ運営規則の統一化、FIA規則に準じたスポーツ性の高いラリー/60ポイント
・ 国内ラリーの最高峰として、海外へつながるラリーが、統一した運営の中で実現できるように。

・ シリーズで運営を統一化すれば、スポーツ性の確保やエントラントの混乱の回避が可能なだけでなく、イベント運営費の節約によるエントリー費の削減も期待できる。

・ 日本ルールをFIAルールにするのではなく、FIAルールを日本に合致させるやり方で。また、スポーツとしての認知および一般社会での認知のために、スポーツマンシップにのっとったマナー(ドライバーズブリーフィング、表彰式)などについても規定する必要があるかもしれない。

・ 各ラリーで競技規則(SSの有無、ラリー区間の設定など)が異なるのはおかしい。主催者への申し入れを行い、その内容と結果を開示してほしい。

・ チェック間の最低距離規制撤廃、「ラリー区間」とSS区間の比率規制撤廃

(2) ラリーの認知度向上策、ギャラリーステージの振興、ラリー以外の地方巡業をする、共通スポンサーをとる/40ポイント
・ ラリーの認知度を上げ、ラリーに興味を持つ人を多くすることにより、ラリー開催に対する社会的許容度を向上させ、ラリー開催の環境を整える。同時に、スポンサー獲得の可能性を向上させられるようになればと思う。

・ ギャラリー拡大のためにラリーの実施やステージ開放の情報をもっと告知すべき。

・ 一般的認知度が低い日本のラリーのため、ギャラリーが参加できるイベントを関東・関西近県にて年に各1回を大々的に行う。つまり、北海道で行うよりは首都圏で、いろいろなイベントで行うよりは年1回でもいいからビッグイベントを、というスタンス。たとえインターナショナルでなくても「日本一のラリーイベント」というだけで本来はビッグイベントになるのではないか。当然、メディアタイアップも重要。

・ ラリーをメジャー化するには世間一般へのアピールと新しい人材の流入による活性化が必要。現在の状況はあまりにもお粗末で将来の展望がない。これを打破するには、テレビ、雑誌、インターネットなどのメディアにどんどん新しい話題を提供する必要がある。WRCの誘致はそのきっかけになると思う。WRCにつながるラリーの将来性をアピールすることにより、一般企業(若者受けするスポーツ関連産業やファッション産業、ゲーム業界、ニュービジネスベンチャーなど)からJRCAとして大口のスポンサー契約をとり、選手に還元する。例えば、ミズノに新しいデザインのラリー用レーシングシューズとスーツを会員全員分発注する代わりに、JRCA一括スポンサーとなってもらい、全車に優先的広告スペースを確保する。こうすれば、各個人がスポンサー契約をとる苦労も減り、スポンサーにとっても宣伝効果が高い。これでもしWRCが招致されれば、先行投資した企業にとっては大きなメリットになる。その代わり、JRCAのメンバーはプロとしてラリー以外に地方巡業で見せるイベントを数多く開催し、スポンサーの宣伝とラリーの認知度向上に努める。

(3) 四駆と二駆、全日本と他の選手権の併催、総合順位制→イベント数の削減、台数制限の緩和/25ポイント
・ 目的はエントラントの経済的負担の低減とラリーイベントの格付けアップ。但し、現在の台数では主催者の採算性が悪く、初中級者に対して門戸を閉ざすことにもつながるので、1イベントの参加台数規制を緩和する必要がある。また、2WD、グループN、グループAも混走できるようにすれば、単一のイベントとしても華やかになり、ギャラリーも楽しめる。しかし、台数が増えると住民とのトラブルも増えやすいので、夜間走行を禁止したり、リエゾンはコンボイ式でオフィシャルが先導するなどの対策をすれば、現在よりトラブルは減らせると思う。また、イベントが減れば、ラリー以外の「地方巡業」もやりやすくなる。

・ 頂点に位置するシリーズを他国のようにシンプルにする。これは全日本の格付けを明確にすることで、底辺層の上昇意識を高揚させることのみならず、イベントスポンサーおよび官公庁に対しての説得力をも増すため。群馬では全日本の威厳はないように感じた。また、イベントが多すぎるために地元住民とトラブルが起きているのではないかと思うこともあった。

(4) SS実施手続きの統一化、明確化/17ポイント
・ 全国組織であるJAFが統括しているのだから、全国の関係機関に提出する書類を統一化したり、JAFが全国の関係機関に説明して周知徹底を図るべきだ。JAFに対してそのように要望してほしい。

・ SSが実施できない場所を把握し、そのような状況を解消するよう、JAFに申し入れてはどうか。

(5) 国際整合性のある車両規定/6ポイント
・ 近年、規制緩和の中で車両改造の自由度が上がっているが、車両規則は海外と共通にする必要があると思う。

・ 車両規定を国際ルールに合わせることは、国際ラリーイベントの定着と、エントラントの費用負担低減につながる。現在の車検制度ならば、排気ガスさえクリアすれば、たとえグループAでも車検を通し公道を走らせることが可能。その排ガス問題も、台数をまとめて検査を受ければ、並行輸入車のように低コストでクリアできる。排ガス装置だけ日本のローカルルールにした国際車両規則は導入に問題ないといっていい。この機会に、JRCAからJAFにグループAとグループNクラスの創設を提言してはどうか。ただし、エントラントの混乱を避けるために、当面は従来のカテゴリーも残しておく。国際規則に基づいた車両規定のほうが、(現在の車両規則より)世間一般の理解も得やすい。

(6) 会員の意志統一のためのまめな連絡、インターネット会議開催、勉強会実施、初心者へのアドバイス/15ポイント
・ 今回のような広範囲なものではなく、ある程度的を絞ったアンケートのほうが、有効に意見が集められるのではないかと思う。

・ 現状では役員とその他の会員の間に認識レベルの差があるように思える。インターネット会議を開催すれば、より多くの人達に意見交換の機会を提供することができ、その差を解消していくのに役立つのではないか。日時、場所(URL)などを決め、パスワードをメールで配信すれば実施できる。

・ 広い視野をもって現状を捉えることができるようになるには、国際ルールやラリーを取りまく文化をもっとよく理解する必要がある。国際イベントをよく知る著名人を招いて、会員のために、勉強会や意見交換会をしてはどうか。

・ JRCAとして、初心者への講習会を開いたり、雑誌連載などで初心者へのアドバイス行うなどして、初心者に正しい情報を提供する機会を作ってはどうかと思う。

(7) 地球環境に対する配慮のアピール/10ポイント
東京都のディーゼル車規制にも見られるように、環境問題は国家的な問題として関心が高く、そういう観点から見れば、サーキット内を走るレースはともかく、一般公道を走るラリーは環境的にいえば反社会的と見られ、今後ますます一般の支持を得ることが難しくなることが考えられる。その対策として、たとえば、排気ガスに関してはチェックを厳しくし、違反者には厳罰を課し、しかもこれを一般にアピールしていくことなども必要になると思う。さらに、将来的には電気自動車やハイブリッドカーなどのエコカークラスの創設も考えてはどうか。このように、自らを律する態度がなければ、一般の支持を得ることは不可能だろう。

(8) その他/16ポイント
1.「主催者のレベルアップおよびレベルの統一化」(5ポイント)
 主催者側がレベルアップを図れるようJRCAとしての働きかけを行ってはどうか。たとえば、インターネット会議などによって主催者同志の意見・情報交換の場を作れば、トラブルシューティングもでき、レベルの統一化が促進できると思う。

2. 「JRCAによる賞典制度」(3ポイント)
 WRCのようにマニュファクチュアラー、タイヤメーカー、チームに対する表彰、最も良い運営を行った主催者(ベスト・オーガナイザー・オブ・ザ・イヤー)の選出・表彰を行ってはどうか。

3. 「情報連絡の規律化」(2ポイント)
 連絡の受け取りもれがないかどうか会員各自が確認できるよう、ラリーの公式通知のように、JRCAの連絡事項に発行番号などをつけて管理してほしい。――このご提案は事務局単独で実現できますので、さっそく取り入れました。

4. 「JAFがラリーの今後についてどう考えているか聞きたい」(2ポイント)

5. 「公正な抗議システムの確立」(2ポイント)
――とくに説明は添えられていませんでした。アンケートの回答例に示したようなお考え(主催者を通してではなく、中立的立場の者に直接抗議を出せるようにするべき。また、審判員の判定に対する抗議ができないのもおかしい。)ではないかと解釈します。

6. 「第三者の窓口設定」(2ポイント)
 現在、JRCAの主要役員はエントラント中心になっている。このため、今後JRCAとして主催者側との協力関係をすすめていくうえで、彼らと一部主催者の関係が必要以上に密になるのではないかという懸念がある。エントラント(役員)と主催者が一定の距離を置くための方法を考える必要があると思う。

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