記者懇談会要約

2001年1月24日(水)三菱自動車株式会社本社ビル AVルームにて開催

1.会長・桜井幸彦挨拶

2.新評議員紹介
  資料1「2001年度役員」参照

3.発足からこれまでの活動について
  資料2「会員一覧」、資料3「これまでの活動」、資料6「第2回アンケート結果」参照

4.シリーズスポンサーについて
昨年まで「レカロカップ」を主宰していた佐藤英哉氏に、ブリンプ株式会社としての全日本ラリー四駆部門シリーズスポンサーを打診、1月23日に回答を得たことを発表。
資料5-1「シリーズスポンサー企画について」(主催者にあてた説明文)、資料?-2「2001年シリーズ運営合意事項」参照

5.今後の活動について
・ 多数の関連企業会員から、「二駆も含め、日本のラリー全体を視野に入れた活動にしてほしい」という要望が寄せられている。もともと「設立の趣旨」において活動の対象を四輪駆動部門と限定したのは、手の届く範囲からの改善をめざしたためで、二駆を排除する意図は全くなく、従って、二駆部門参加者の入会も歓迎することをすでに表明している。さらにその姿勢を明確にするため、「設立の趣旨」にある四駆部門に限定するような表現は削除、改訂することとし、総会にて了承した。2月下旬に二駆部門懇親会にて説明を行う予定。

資料4「設立の趣旨変更」参照

・ 企業の立場からの意見をSTI・津田氏が表明。
「今の日本では、WRCについて少しでも知っているという人は多いが、全日本ラリーについては、知らない人は全く知らない。モータースポーツとして全日本ラリーもWRCのように盛んに報道されるようになってもらいたい。それには環境作りが必要と思う。二輪レースにおいては、日本で活躍した人が世界に行ってもそのまま通用する。ラリーにおいても世界基準の車両規則、競技規則を実現していかなければならない。現状では全日本といってもステータスがない。スポーツとしての公平性を確立し、憧れをもって見られるものとなってほしい。走る広告塔として、また技術開発の場として、全日本ラリーが育ってくれるように願う。」

6.質疑応答

Q1:JRCA役員で新しいラリー部会の委員はいるのか?
A:加勢、中野、小田切が部会委員になる。(補足:そのほか、新部会委員のうち、佐藤英哉氏、桜庭健次氏、勝田照夫氏が、個人または団体の一員としてJRCAに参加している。)部会長にラリーアートの木全氏が就任したことで、車両規則の国際化がかなり優先度の高い項目になるのではないかと思われる。

Q2:車両規則が国際化されると、全日本選手権は国際格式でやるのか?
A:国際格式のラリーを開催するのは難しいが、車両規則さえ国際化されれば、国際ルールでラリーをすることはそう難しいことではない。格式は別として、日本でも国際ルールのラリーをしていけばよい。日本の地理的な問題として、海外からの参加者を集めるのは難しいが、国際ルールでラリーを行えば、日本の選手はこれまでよりも海外に出て行きやすくなる。世界に出て行く土台づくりには、車両規則が大きなポイントになると思う。

A:
ここはラリー部会ではないので、規則をどう変えるなどと言うことはできない。あくまでも希望としての話とご理解願いたい。

Q3:インプレッサやランサーが発売された時は、これらのクルマを買ってラリーをしようという人が一時的に増えたが、維持費が高いために挫折した人も多い。底辺を広げるような車種を何か想定しているか?
A:国際規定ではすでにスーパー1600というカテゴリーもあり、底辺が広がる可能性はあると思う。これまでは国際規定でのラリーが国内で開催されなかったので、今は対応できる車種もないが、そういう規定が日本に根付けば、メーカーも協力してくれるのではないかと期待する。

Q4:今年、日本でWRCのイベントがあるという噂を聞くが・・・
A:噂はいろいろあるが、JAFの正式承認がなければ何も公表できず、今は公表できるようなレベルではない。正式に決まれば、JRCAとして主催者と話し合いをし、協力できることがあれば協力したい。おそらく問題になるのは車両規則と思う。グループN車は日本中かき集めても20台程度しかない。今後、新車でラリーをやろうという人は、N車を想定したクルマ作りをするほうが賢明と思う。JRCAとして今できることは、そういう働きかけをすることぐらいだろう。

Q5:資料(「2001年シリーズ運営合意事項」)の中の、「サービスパークでの安全確保」という項目が抽象的でわかりにくいが、具体的にはどういうことか?
A:サービスパーク内でスピードを出さないようにとか、ウマをかけずに作業をしないように、というような事柄を主催者側に規則として盛り込んでもらうか、あるいはJRCA会員が率先して指導していくということ。現状では安全の配慮において不足している面が見られるので、シリーズスポンサーからの協賛金を救急車配備などの費用に充てたいと考えている。

Q6:この資料(前出)に示されたことについては、全主催者が合意しているのか?
A:今年開催する全主催者(四駆部門)から合意を得ている。できるところから順次実施していく。

Q7:ラリー部会委員にはJRCA役員が入っているということだが、審査委員グループはどうか?
A:審査委員グループについては何も聞いていない。

Q8:現在の全日本ラリーは、土曜日にスタートし、夜中から明け方にゴールし、朝に表彰式というパターンが多い。(補注:現在の全日本ラリー四駆部門では、競技が夜中にまで及ぶことはあまりなく、たいていの場合は土曜日のうちに終わるか、土日の昼間に行われる。)WRCのように3日間にもわたるのは無理にしても、夜中に林道を走るのはギャラリーステージ盛り上げの観点からもあまりよい方法とは思えない。競技スケジュールの見直しが必要なのではないか?
A:観客をより多く集めるためにも、開催地に経済効果をもたらし、周辺住民の理解を得るためにも、ラリーは昼間に行うことが理想と思うし、主催者には極力昼間にしていただくようお願いしている。しかし、警察の許可の問題などもあり、なかなか容易には実現できない。

Q9:「ギャラリーステージの盛り上げに協力する」ということが合意事項に書かれているが、地元の放送局とのタイアップとか、具体的に企画していることはあるのか?
A:今のところは、とりあえず自分たちが労力を割くことによってできることぐらいしか考えていない。たとえば、競技が終わってから観客に同乗走行のサービスをすることなど。

A:今の問題として、警察やJAFの許可が降りるかどうかが開催直前までわからず、盛り上げようにも盛り上げる時間がない、というのが実情だ。

Q10:今はどこにでもWRCのことが書かれていて、内容は知らなくてもWRCという言葉は多くの人が知っている。自分たちメディアにも責任の一端はあると思うが、全日本ラリーについてもこんなふうにすれば、状況は違っていたと思う。
A:ラリーをやりたがっている人、興味を持っている人は多くいると思う。これからそういう人たちに向けてアピールしていきたい。

Q11:ヴィッツのワンメイクレースが予想を越える盛況でクルマの製造が追いつかないと聞いている。TRDが今度はヴィッツでワンメイクラリーを企画しているという噂を聞くが、もしもこれがJRCAの望む方向と同じなら、ともにやっていくことがいいのではないか?
A:「モータースポーツの基本はレースとラリーだから、ラリーが盛んでないとしても、そこから手を引くことはない」と、TRDの人から聞いたことがある。レースに初めて出る人のためにヴィッツレースをしたら、これが成功した。今度はラリーに初めて出る人のためにヴィッツラリーをしようということのようだ。JRCAの企業会員からは、ビギナー向けのラリーも視野に入れて活動してほしい、と要望されており、JRCAはラリー全体を振興する会として期待されているとともに、いずれそうならざるを得ないとも私個人的には感じている。しかし、実際にどこまでやれるかは、まだ活動が始まったばかりなので何とも言えない。

Q12:全日本ラリー四駆部門ではグラベルラリーばかりのようだが、二駆部門ではターマックラリーを取り入れて参加台数も増えている。四駆部門はターマックラリーに関心はないのか?
A:全日本ラリー四駆部門でもオールターマックやターマック主体のラリーは以前から行われている。我々は、ラリーであれば舗装であろうとダートであろうとこだわらない。おそらく、入門者にはターマックのほうがとっつきやすいだろう。

Q13:ラリー部会が大きく変わりそうだが、テクニカルレギュレーションやスポーティングレギュレーションに関する権限委譲の予感はあるか?
A:とりあえずは問題点を指摘し、改善の提案をラリー部会に上げていく。これまでは提案や要望をしてもレスポンスがあまりよくなかったが、今後は部会委員にJRCA役員が入っていることでもあり、その部分が大きく改善されるのではないかと期待する。提案についての詳しい説明も、役員が直接部会でできることになるので、部会の運営に大きく協力できると思う。

Q14:二駆部門との話し合いをするということだが、二駆部門の選手もJRCAに入れるということか?
A:もとより、設立の趣旨に賛同するのであれば、二駆四駆関係なく入っていただきたいと考えている。

Q15:JRCAから技術委員などオフィシャルの派遣をすることは考えているのか?
A:シリーズ共通の技術委員をJAFまたはJRCAから各大会に派遣するのはよいと思う。

Q16:JRCAのホームページはいつ頃開設予定か? 編集部にギャラリーステージについての問い合わせがたびたび来るので、そういう情報を載せてほしい。これからラリーをしたいという人のための情報も載せてはどうか。
A:実際に、ラリーXサイトに出しているJRCAのコーナーを通じて、「ラリーを始めたいが、どうすればいいのかわからない」という問い合わせがこれまでに数件あった。ラリーをしたいと思っている人がいても、どうすればいいのかわからないのが現状。情報が得られれば参入する人はいると思う。ホームページには、ギャラリーステージの情報はもちろん、こういう人のための情報も提供するつもりでいる。


←「JRCA活動情報」ページにもどる