<所要時間が指定されている区間>
スペシャルステージをフィニッシュすると、次のスペシャルステージまでの移動区間が始まります。この区間のことをロードセクションまたはリエゾンと呼び、目標所要時間(ターゲットタイム)が与えられます。この時間でこの区間を走行することになりますが、普通に走っていけば充分に余裕のある時間が設定されており、早く到着してもタイムコントロール(TC)の手前でチェックイン時刻まで待っていればいいので、何も難しいことはありません。
もしも予想外の渋滞などで遅れそうになった場合も、目標所要時間内に到着することよりも、交通違反をしないことに注意して走行してください。渋滞など想定外の不可抗力で遅れてしまった場合には、主催者が事後に救済措置を講じることができるということが、新規則では明文化されています。

<区間の開始地点は国内と海外で異なる>
国際ラリーの場合は、ロードセクションの始まりはスペシャルステージのスタートとされていて、その区間のスタート時刻はスペシャルステージのスタート時刻となっています。つまり、ステージでの走行時間がロードセクションに含まれることになります。このルールでは、もしもステージ内でスタックしたりパンクしたりしてタイムロスすると、次のTCへ目標時刻通りに到着することが厳しくなってしまう場合が考えられます。
そこで、日本のルールでは、スペシャルステージのフィニッシュ(ストップポイント)をロードセクションのスタートとして、ステージが極端に遅かった場合でもロードセクションは急ぐ必要はないようにしています。一般道の制限速度が海外と比較して低く、通行量も多い日本の道路状況を加味したルールといえます。
具体的には、スペシャルステージフィニッシュ時刻(秒単位もしくは1/10秒単位)の次の分がロードセクションのスタート時刻となります。
注:現在のJAFの規則では特別規則書に明記することで「基準時間」のない国際ルール同様のルールに基づいた競技会も認められているので、参加の際注意が必要です。

<タイムコントロール>

各スペシャルステージの手前には必ずタイムコントロール(TC)が置かれています。このTCがロードセクションの到着地点となっており、上記の目標時刻にこのTCにチェックイン(到着時刻を記入してもらう)すればいいことになります。余裕のある時間設定のため、トラブル等がない限り早めに到着し、TCの手前で時間調整のため車を停めて待つことになるので、選手同士がコミュニケーションを交わす良い機会でもあります。
TCはこのほか、サービスの入口・出口リグループエリアの入口・出口レグ終了パルクフェルメの入口スタートエリアパルクフェルメの出口など、時間を指定される場所には必ず置かれます。
TCの少し手前に、黄色く塗られた時計マークのサイン(看板)がまず出てきますが、ここは目標チェックイン時刻(到着予定時刻)の1分前から入ることが許されるコントロールエリアが始まるところです。約25m先に赤い時計マークのサインとマーシャル(オフィシャル)を務める数人がいるところがあります。ここがチェックインをするタイムコントロールです。ラリーによってテントを建てていたり車を使っていたりとまちまちですが、TCのサインがあるので間違えることはないでしょう。

<TCチェックインの手順>

TCへのチェックインにおいて最も重要なことは、選手が持っているタイムカードをマーシャルに手渡した瞬間が、そのチェックイン時刻になるということです。このときの時刻は、TCに置かれた時計が基準になるので、オフィシャルの時計を見ながら手渡す(チェックインする)とよいでしょう。
コントロールエリア(黄色の時計マークから)にコ・ドライバー(ナビゲーター)が歩いて入ることは1分前以前でも許されているので、コ・ドライバーがクルマから降りて事前にTCに行き、1分前になったら手招きなどで競技車をTCに呼ぶという方法もよく見られます。

<TC遅着・早着に対するペナルティ>
もし、この目標チェックイン時刻に対し遅着(遅れる)してしまった場合、1分に付き10秒のタイムペナルティーが課せられることになります。逆に早着(目標時刻よりも早くチェックインすること)してしまった場合は、1分に付き1分の重いペナルティーが課せられてしまうので、計算ミスなど絶対に無いよう注意したいものです。
また1か所のTCでの遅着が15分を超えている場合は、失格になります。さらに、1つのセクションまたはレグで遅着の合計が30分を超えた場合、競技会全体で遅着の合計が60分を超えた場合も失格になってしまいます。

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