04年チャンピオン奴田原文雄の貫禄勝ち
混戦の2位争いで光った
全日本デビュー平林織部の速さ
スペシャルステージ本数:12本(本来12本が用意されていたが、SS1がキャンセルとなったため11本となった)
スペシャルステージ総距離:50.91km
移動区間総距離:229.85km
ラリー総距離:280.76km
路面:ドライ
約半年のインターバルを経て、全日本ラリー4輪駆動部門の開幕戦が5月20~22日、宮崎県東臼杵郡椎葉村を舞台に行われた。椎葉村は昨年九州地方を襲った台風23号のため、道路に甚大な被害を受け、ラリールートも寸断されてしまった。一時はラリー開催が危ぶまれたものの、椎葉村の多大な支援の下ラリールートの復旧が行われ、無事開幕戦を迎えることができた。これもひとえにラリーと地元の協力体制がしっかり整っている「ひえつき」ならではのことだ。
開幕戦の注目は、なんといってもチャンピオン奴田原文雄と「打倒・奴田原」を掲げるライバルたちとの争いだ。特に今シーズンは4輪駆動部門はわずか5戦しかなく、シリーズ展開を考えると1戦1戦が相当な重みを持ってくる。ベテランの石田正史や石田雅之、若手筆頭の勝田範彦と鎌田卓麻、奴田原のチームメイトである田口幸宏、そして今シーズンから4駆部門Cクラスに参戦する2輪駆動部門Bクラスチャンピオンの飯泉忠男、中部ラリー選手権Cクラスチャンピオンの平林織部が注目された。
だがラリーが始まると、やはり奴田原の独壇場。セクション2までの8SS中7SSでベストタイムを出して圧倒的な強さを見せつけた。だがその下では石田正史、石田雅之、鎌田、勝田、平林による熾烈な2位争いが繰り広げられた。
セクション1の2SSを終えて勝田が奴田原から6秒1遅れて2位、石田正史が勝田にコンマ7秒差の3位、鎌田が石田にコンマ7秒差の4位。やや遅れて平林が勝田に7秒8遅れの5位、石田雅之は平林にコンマ5秒差の6番手だ。セクション2に入るとその争いはさらに激化。平林が、出走順の利もあってセクション2最初のSS4で、デビュー戦で初ベスト。続くSS5でも、奴田原とタイながらベストタイム連発だ。一方石田正史はステアリングトラブルからタイムが伸びない。
セクション2の6SSを終わってオーダーは奴田原トップで変わらず。2番手には平林が上がってきた。だが平林のコンマ1秒後ろに勝田、勝田に1秒2遅れて鎌田、トラブルを抱えた石田正史だったがロスを最小限にとどめて鎌田のコンマ4秒後ろの5位につける。
セクション3はナイト。2位に20秒以上の大差をつけている奴田原だったが、ベストタイム1本ももぎとって今季1勝目をゲット。デビュー戦2位がかかった平林だったが、不慣れなナイトセクションで徐々に遅れだし、加えて最終SSではスピンを喫して大きくタイムロス。結果7位まで順位を落としてゴールした。2位争いはトラブルを克服した石田正史がコンマ5秒差で鎌田を抑えてゴールした。
Bクラスは原口真、大嶋治夫、関根正人の三つ巴となったが、ノートラブルで走りきった原口真が終わってみれば30秒以上の大差で優勝。Aクラスは平塚忠博がミッショントラブルでリタイア。小野寺清之も駆動系のトラブルを抱えてタイムが伸びない。優勝は、20年間全日本ラリーに参戦していて初優勝という小倉雅俊がゲットした。
【各クラス優勝者】
●4輪駆動部門Cクラス |
1位
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奴田原文雄/小田切順之 |
ADVAN-PIAAランサー |
42分59秒2
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2位
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石田正史/宮城孝仁 |
DLテイン マルシェ ランサー |
43分16秒4
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3位
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鎌田卓麻/加勢直毅 |
東京スバル インプレッサ |
43分17秒1
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4位
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勝田範彦/北田稔 |
ラック名スバルSTI IPF DLインプレッサ |
43分22秒8
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5位
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石田雅之/澤田茂 |
C-ONE POTENZA LANCER |
43分50秒6
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6位
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福永修/奥村久継 |
レイル☆オサムCMSCランサー |
44分07秒8
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7位
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平林織部/晝田満彦 |
5ZIGEN・Dunlopインプレッサ |
44分10秒1
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8位
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飯泉忠男/石田裕一 |
ブリッグMOTUL CMSCランサー |
44分20秒7
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9位
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岩下英一/高橋昭彦 |
オクヤマ ランサー |
44分48秒4
|
10位
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星野博/鈴木一也 |
クスコポテンザCMSCランサー |
44分49秒2
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●4輪駆動部門Bクラス |
1位
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原口真/新井正和 |
スピードマスター・インプレッサ |
45分00秒6
|
2位
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大嶋治夫/井手上達也 |
セーフティ21アドバンGC8 |
45分35秒4
|
3位
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関根正人/五十嵐恵子 |
DL・TEIN・BRIGランサー |
45分56秒9
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●4輪駆動部門Aクラス |
1位
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小倉雅俊/平山真理 |
デューポイント DL ストーリア |
46分53秒0
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2位
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小野寺清之/黒田正彦 |
ダイハツ・ストーリア4×4 |
47分53秒6
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3位
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村田康介/地神潤 |
BOOBOW・DL・ストーリア |
48分18秒8
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注)クラス区分は、排気量により分かれ、Cクラスは2000ccを超える車両、Bクラスは1400ccを超え2000cc以下の車両、Aクラスは1400cc以下の車両。
【参考総合結果表】
ご注意:ここに掲載の本レポートおよび結果表等はJRCAが独自に取材、入手したものでJAF公式発表のものではありません。従ってJRCA以外から発表されるそれらのものと若干異なる場合や誤りのある場合もありますので、あらかじめご了承のうえ参考資料としてご覧ください。