鎌田卓麻が全日本ラリー初優勝
6月17~19日/福島県東白川郡棚倉町周辺
スペシャルステージ本数:12本
スペシャルステージ総距離:57.87km
ラリー総距離:約300km
路面:オールグラベル
路面状況:ドライ(一部ウエット有)
全日本ラリー選手権4輪駆動部門第2戦は舞台を前戦の九州・宮崎県椎葉村から福島県・棚倉町に移しての開催となった。MSCC東京ラリーは昨年、18年ぶりに全日本戦として開催されたが、掘れるコースにリタイア続出、まれに見るサバイバルラリーとなってしまった。だが今年はコースを変更し、固く締まったグラベル路面で争われることになった。
Cクラスは前年チャンピオンの奴田原文雄(ランサー)を筆頭に、前戦のデビュー戦で大活躍を見せた平林織部(インプレッサ)、ベテラン石田正史(ランサー)、石田雅之(ランサー)、勝田範彦(インプレッサ)、鎌田卓麻(インプレッサ)、そして今回からランサー・エボリューションIXを投入してきた田口幸宏らの戦いが注目された。ラリーは序盤からシーソーゲームの様相を呈していた。SS1をベストタイムで駆け抜けたのは石田正史。だがSS2は奴田原、SS3は鎌田という具合。SS3を終わってラリーリーダーは奴田原となっていたが、その後奴田原のマシンをトラブルが襲う。SS4でタイヤバーストでトップから7秒遅れ。総合で3位に転落してしまい、続くSS5も不調。奴田原は初日レグ1を終えてトップから40秒遅れの総合6位に落ちてしまった。逆に好調だったのが石田正史だ。SS4でベストを叩き出してラリーリーダーに立つと、SS5&6を2番手、3番手タイムで上がり、レグ1をラリーリーダーで終えた。
レグ1を終えてのオーダーは、トップ石田正史、2位に鎌田、3位にSS6でベストタイムを叩き出した平林、4位に石田雅之、5位には28歳の若手・炭山裕矢(インプレッサ)がつける。勝田は本来なら4位なのだが、タイムコントロール早着で1分のペナルティを背負ってしまい、トップから1分以上離れた13位となってしまった。
翌19日は午前6時30分にレグ2がスタート。レグ1は奴田原が不振だったが、レグ2に入ると、なんとラリーリーダーの石田正史をミッショントラブルが襲う。なんとSS9でリタイアしてしまったのだ。これでラリーリーダーは鎌田となった。SS8で平林がリタイアしたため、SS9終了時点でトップ鎌田と2番手・石田雅之との差は22秒。石田雅之も3番手・炭山に約10秒のリード。残すステージは2.56km、2.12km、2.40kmのショートステージ3本。無理をしなければトップ2台は逃げ切れるタイム差だ。鎌田は自身初となる全日本の優勝を見据え、SS10以降、完全に完走ペースに切り替えた。そして見事トップの座を守りきってゴール、1996年に全日本ラリーBクラスにミラージュでデビューして以来の初めての、全日本ラリー表彰台トップを獲得した。鎌田は昨年のラリージャパンでも日本人プライベーター最上位のグループN2位を獲得しており、今後の活躍が大いに期待される。石田雅之は2位。そして3位には、前日の不調を抱えながらも必死の追い上げを見せた奴田原が入った。だが圧巻だったのは勝田。レグ2の6ステージ中5ステージでベストタイム! レグ1の13番手から8番手まで追い上げて、なんとかシリーズポイントを獲得した。
Bクラスでは序盤、原口真(インプレッサ)と大嶋治夫(インプレッサ)の激しいつばぜり合いが展開されたが、エンジントラブルのためSS5で大嶋がリタイアしてしまい、原口が今季2勝目をゲット。次戦原口が優勝すれば、3戦目にしてチャンピオンが決まってしまう展開となった。Aクラスは平塚忠博(ストーリア)が他を圧倒。レグ1の6SS中5SSでベストタイム。余裕のマージンを作り上げて今季1勝目をゲットした。
【各クラス優勝者】
●4輪駆動部門Cクラス |
1位
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鎌田卓麻/加勢直毅 |
東京スバルインプレッサ |
52:01.2 |
2位
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石田雅之/澤田 茂 |
C-ONE POTENZA LANCER |
52:17.4 |
3位
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奴田原文雄/林 哲 |
ADVAN-PIAAランサー |
52:21.7 |
4位
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炭山裕矢/星野 元 |
クスコスバルADVANインプレッサ |
52:25.1 |
5位
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アキラ/安東 貞敏 |
C-ONE POTENZA LANCER |
52:35.1 |
6位
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飯泉忠男/石田裕一 |
ブリッグMOTULCMSCランサー |
52:44.9 |
7位
|
高田修/盛合とうこ |
ADVANKYBGamランサー |
52:47.0 |
8位
|
勝田範彦/北田 稔 |
ラック名スバルSTiIPFDLインプレッサ |
52:49.3 |
9位
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田口幸宏/佐藤忠宜 |
アドバンPIAAカヤバランサー |
53:23.8 |
10位
|
杉村哲郎/味村 寛 |
ADVAN elCMSCランサー |
53:33.1 |
●4輪駆動部門Bクラス |
1位
|
原口 真/松井和子 |
SPM・DL・インプレッサ |
54:16.1 |
2位
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石川俊明/田中直哉 |
DL冨士テクノCMSCテインランサー |
55:39.5 |
3位
|
守屋教昭/中台昇一 |
ビッグベアBSインプレッサ |
55:41.0 |
●4輪駆動部門Aクラス |
1位
|
平塚忠博/鈴木 裕 |
ダイハツストーリアX4 |
54:22.3 |
2位
|
小倉雅俊/平山真理 |
デューポイントDLストーリア |
55:29.8 |
3位
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吉田雅彦/福田智張治 |
ミニカーハウスマルヨシビビオ |
1:01:33.9 |
注)クラス区分は、排気量により分かれ、Cクラスは2000ccを超える車両、Bクラスは1400ccを超え2000cc以下の車両、Aクラスは1400cc以下の車両。
【参考総合結果表】
ご注意:ここに掲載の本レポートおよび結果表等はJRCAが独自に取材、入手したものでJAF公式発表のものではありません。従ってJRCA以外から発表されるそれらのものと若干異なる場合や誤りのある場合もありますので、あらかじめご了承のうえ参考資料としてご覧ください。