全日本ラリー選手権第2戦

全日本ラリー選手権第2戦
久万高原ラリー
4月28~30日/愛媛県久万高原町
スペシャルステージ本数:9本
スペシャルステージ総距離:82.62km
ラリー総距離:1レグ約216km
SS路面:オールターマック
SS路面状況:ドライ

ターマックキング勝田範彦が前年と同じく開幕2連勝


 今年の全日本ラリー選手権は10戦が組まれ、そのうち7戦のポイント合計でシリーズランキングを競う。このため、チャンピオン争いに絡む可能性のあるトップドライバーたちの中でも、全戦に出場を予定しているのは勝田範彦と石田正史ぐらいで、あとはチームの体制と方針に従って5戦から8戦のスケジュールを組んでいる。そんな事情から、第2戦はP-WRCのアルゼンチンラリーを優先した奴田原文雄や、得意のグラベルに的を絞った炭山裕矢が欠場し、参加台数も37台と開幕戦に比べて少し寂しい顔ぶれとなった。

 しかしラリーの内容は今回も充実。まず、構成はきわめて効率的で、3か所のSSを同じ順に走るループを2度のサービスをはさんで3周するもの。朝8時に美川スキー 場をスタートしたラリー車は、約83kmのSSを終えて午後4時前には同じく美川スキー場にフィニッシュする。また、今年は2車線の県道をギャラリーに公開。豪快な高速コーナリングを見晴らしのいい斜面から堪能できるステージとなった。

 雨と霧に翻弄された昨年と異なり、波乱など起きそうもない快晴に恵まれた今年の久万高原ラリーは、SS1から予想どおり前年の覇者・勝田範彦が飛び出す。それに続いたのはランサー2戦目の横尾芳則と今年からインプレッサにスイッチした飯泉忠男という2人の若手だった。前戦3位の石田正史は精彩なく勝田から10秒落ちの6位、さらに前戦でただ一人勝田に食い下がった北村和浩は、エンジン補機類のトラブルでJN4クラス11台中9位と大きく出遅れた。

 しかしSS2で横尾はあっけなくコースアウト。石田が本領を発揮して2位に上がるも、SS1の遅れが響いてトップ勝田との差はすでに17秒近い。いっぽう回復不能に思えたトラブルが簡単に修復できると知った北村がここは踏ん張って4位タイムであがり、合計タイムでもたちまち4位に浮上した。
 
 サービス直後のSS4では、完全復調なったマシンで北村が勝田に次ぐセカンドベストを刻んで3位飯泉まであと4.2秒と猛追を開始。北村は続くSS5でこの日最初のベストタイムを記録し、この時点で2位石田まであと2.1秒に肉迫した。そしてSS6では、この日何度か原因不明のパワーダウンに悩まされていた石田が再びその症状に襲われたか、わずか3km足らずで3.5秒も北村に負け、あっさり2位を譲り渡した。

 2度目のサービスを終えてラリーはループ3周目へ。2位北村とはすでに33.6秒の差がある勝田の優勝はほぼ確実な中、1.4秒差で始まる2位争いが注目されたが、北村がSS7,8と連続ベストタイムを奪って勝負を決めた。いっぽう、断続的なエンジン不調が最後まで完全に解消できなかった石田は、できる限りクルマを軽くしようとぎりぎりのガソリンで臨んだところ、ラリーフィニッシュを目前にしてガス欠から失速。SS9は総合最下位のタイムでかろうじて完走を果たした。

 そんな状態でも石田が3位に残れたのは、ライバルたちの相次ぐ脱落があったからだろう。SS2でコースアウト、転落した横尾に続き、ターマックスペシャリストの松井がSS3でクラッシュしフロントサス破損でリタイア、SS5では飯泉がコースアウトからリタイア。大庭誠介はサスペンションセットアップに苦しみ最初から最後までペースが上がらなかった。

 また、SSタイムでは総合5位に入っていた杉村哲郎が、タイヤ使用本数が12本と特別規則で規定されているところを、うっかりミスから13本のマーキングを受け、10分のペナルティを与えられた。この結果、総合5位には今年全日本ラリーに本格参戦を開始した新人・松岡孝典が、総合6位にはJN3クラスの榊雅広が入った。

【全日本ラリー選手権 第2戦 総合結果】(出走37台/完走26台)
総合順位
ドライバー/コ・ドライバー
車名
トータルタイム
1位
JN4-1位 勝田範彦/北田稔
スバルラリーチームジャパン・インプレッサ
1:05:20.1
2位
JN4-2位 北村和浩/山口顕子 アーレスティDL・KYBインプレッサ
1:05:39.8
3位
JN4-3位 石田正史/宮城孝仁 DL テイン マルシェ ランサー
1:06:32.3
4位
JN4-4位 大庭誠介/高橋巧 REPSOL-ADVAN ランサー
1:06:51.2
5位
JN4-5位 松岡孝典/木村裕介 ニシオガレージDLインプレッサ
1:07:19.4
6位
JN3-1位 榊雅広/井出上達也 J&S クスコ KYB☆BS インテグラ
1:08:06.7
7位
JN3-2位 曽根崇仁/桝谷知彦 BPF・KYB・BS・インギング セリカ
1:08:35.1
8位
JN3-3位 長岩信二/箕作裕子 P.mu☆R谷☆アッスルDC2
1:08:52.1
9位
JN3-4位 森博喜/藤綱和敏 ミツバ・ラックZZW30
1:08:55.5
10位
JN2-1位 山口清司/船木一祥 エナペタル久興BSレビン
1:09:18.4
19位
JN1-1位 西山敏/多比羅二三男 el.DL.Wako's.BRIG.NASシティ
1:11:57.9
注)クラス区分の説明:JN4クラスは2000ccを超える車両、JN3は1600ccを超え2000cc
以下の車両、JN2は1400ccを超え1600cc以下の車両、JN1クラスは1400cc以下の車両。


Event photo

総合1位(JN-4クラス1位)
勝田 範彦/北田 稔

総合2位(JN-4クラス2位)
北村 和浩/山口 顕子

総合3位(JN-4クラス3位)
石田 正史/宮城 孝仁

総合6位(JN-3クラス1位)
榊 雅広/井出上 達也

総合10位(JN-2クラス1位)
山口 清司/船木 一祥

総合19位(JN-1クラス1位)
西山 敏/多比羅 二三男

勝田 範彦/北田 稔


開会式/ドライバーズブリーフィング

【参考総合結果表】
  2007_rd2.pdf
  2007_rd2.xls
ご注意:ここに掲載の本レポートおよび結果表等はJRCAが独自に取材、入手したものでJAF公式発表のものではありません。従ってJRCA以外から発表されるそれらのものと若干異なる場合や誤りのある場合もありますので、あらかじめご了承のうえ参考資料としてご覧ください。

 

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