全日本ラリー選手権第10戦
新城ラリー2008
11月21~23日 愛知県新城市
スペシャルステージ本数:13本
スペシャルステージ総距離:79.48km
ラリー総距離:232.52km
SS路面:ターマック
SS路面状況:ウェットのちドライ
奴田原文雄ランサーEvo10今期2勝目
2004年の初開催から去年まで毎年雨に見舞われてきた新城ラリーだが、今年は例年より2~3週間遅れての開催となったためか、冬型の気圧配置のもと、2日間とも好天に恵まれた。しかしコース上に広がる砂利や落ち葉は参加者に厳しい試練を与え、全日本選手権出走56台のうち19台がリタイアするというサバイバルラリーとなった。
JN4クラスは、早くも第8戦で2年連続チャンピオンを決め、今年すでに舗装ラリーで3勝をあげているターマックキング・勝田範彦が優勝候補の最右翼。これに、第2戦久万高原ラリーで勝田をくだした奴田原文雄、第3戦KYOTO南丹ラリーの勝者・石田正史がどうからむかが注目された。
予想どおりラリー序盤は勝田、奴田原、石田正史の3つどもえの展開。しかし石田正史はSS4でターボブローのため後退し、勝田を追うのは奴田原だけになった。レグ1の8本のSS約57kmを終えた時点でトップは勝田、その20.4秒差で奴田原、3位には全日本ラリー出場2戦目のジムカーナドライバー古谷哲也がつけたが、奴田原との差はすでに44秒にも開いている。
金曜日の夕方の時雨でレグ1はウェット路面で始まったが、SS1が終わるまでに路面はほぼドライコンディションに。しかしその後は走るたびに砂利がコース上に出され、その砂利に足元をすくわれるクルマが続出した。レグ1ですでに13台がリタイアしていたが、レグ2になっても、リタイア車は前日同様の勢いで増えていく。
勝田は奴田原との差を睨みながら磐石の走りでリードを保っているように見えたが、SS11の右コーナーで浮き砂利に乗りアウト側の土手にヒッ
ト。これで足回りにダメージを受け、一時30秒近くあった奴田原との差が一気に9.0秒まで縮まってしまった。
SS11を終えて応急処置をし、SS12前のTCになんとかたどり着いた勝田は、大急ぎでSS走行の準備をしてスタート位置に着いたが、あろうことかここで指示された時刻より1分早くスタートしてしまった。フィニッシュで「フライング」を宣告された時、いったい何のことなのかわからなかったという。
結局、SSタイム合計では奴田原を12.8秒差にくだしてラリーを終えた勝田だったが、審査委員会の裁定により、SS12スタートでの「違反行為」に対して10分のペナルティを受けたため、今季6勝目は成らず。これで優勝は奴田原の手に落ち、ランサーEvo10による2度目の勝利となった。
いっぽう、SS11まで3位につけていた古谷も、SS12で浮き砂利のためクラッシュしリタイア。こうして石田雅之が2位に、ターボ交換してふたたび上位に迫ってきた石田正史が3位となった。
JN3クラスは、シリーズ後半になってシビックタイプRの熟成が進んだ村瀬太が、前戦に続いて2連勝。これで村瀬はシリーズランキングも2位
に。前戦までトップだった森博喜がチャンピオンに確定した。
JN2クラスは山口清司が総合でも5位に入る激走で今季3勝目をあげ、前戦までのランキング4位から一気にジャンプアップして初めてのシリーズタイトルを獲得した。
JN1.5クラスは大本命の榊雅広が予想にたがわず圧勝。これで榊は完走した6戦をすべて優勝で飾り、初代JN1.5王者に。
JN1クラスは小泉茂が今季初勝利。廣瀬康宏が完走して3位のポイント12点を加算し、初のシリーズチャンピオンを手に入れた。
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