全日本ラリー選手権第4戦
全日本ラリー選手権第4戦
MSCC東京ラリー
6月20~21日 福島県東白川郡棚倉町
スペシャルステージ実施本数:12本
スペシャルステージ実施距離:47.73km
ラリー総距離:2デイ約390km
SS路面:オールグラベル
SS路面状況:ウェット

奴田原文雄ランサーEvoXが磐石の勝利


 開幕戦と同じく、実質2日間のスケジュールが組まれた今年のMSCC東京ラリー。
土曜日の午前中にレキが行われ、午後3時にラリーがスタートした。当日の天候は曇りで、路面はドライ。と見えたのは表面だけで、ここしばらくの間に降った雨がしっかりと土にしみ込んでいたようだ。ラリー車のグラベル用タイヤでひと掻きされると、表面の乾いた砂が飛び、林道の路面はみるみるうちにウェットに変わっていった。

 サラサラに乾いたグラベル路面では、砂利掻き役となる先頭出走が圧倒的に不利だが、この日の路面コンディションは、ポイントリーダーの勝田範彦が欠場したためにカーナンバー1を与えられた元チャンピオン・奴田原文雄ランサーEvoXのハンデをほとんど帳消しにした。奴田原はSS1を幸先よくベストタイムであがると、続くSS2では2番手に約12秒もの差をつけるスーパーラップで早くも磐石の体勢を築き始めた。

 SS2と同じ場所の再走となったSS3では、コース終盤のおよそ1/3ほどが濃い霧にすっぽりと包まれ、各車ともスローダウンを余儀なくされて軒並みタイムを落とした。そんな中で、SS2から約22秒も遅れた奴田原とは対照的に、石田正史ランサーEvoXはロスをわずか2.1秒にとどめ、この時点で奴田原との差を11.3秒とした。

 ここでデイ1は終了。上位の顔ぶれを見ると、石田正史から4.6秒落ちで大島治夫、その10.1秒落ちで岩下英一と、毎年この難しいグラベルラリーで衰えぬ力を見せるベテランたちが今年も健在だ。それに続くのは、アジパシへと活躍の舞台を移して今回は5年ぶりの全日本出場となった柳沢宏至。長年乗ってきたインプレッサから今年ランサーにスイッチし、最初の実戦テストとしてこのイベントを選んだ。第2戦から活躍めざましい福永修がそれに続く。

 明けてデイ2は雨。こうなると先頭出走の不利は消え、場合によっては後方出走のほうが泥がこねられて余計にスリッパリーになる。この好条件を得て奴田原は2位以下との差をちゃくちゃくと広げた。全SS制覇とまではいかなかったが、キャンセルされた1本を除く
12SSのうち8本でベストタイムを記録し、最初から最後まで一度もトップの座を明け渡すことなく、今シーズン2つ目の勝ち星をものにした。

 2、3、4位はそれぞれ石田正史、大嶋治夫、岩下英一と、デイ1終了時点の順位がそのまま保たれた。デイ1で5位につけていた柳沢は、SS11でエンジントラブルのためリタイア。SS2でのタイヤバーストのためデイ1は7位に沈んでいた石田雅之がデイ2で福永を抜いて5位にあがった。

 JN3クラスは森博喜セリカが今季初勝利、JN2クラスは田中伸幸ミラージュが前戦に続いてグラベル2連勝を遂げた。JN1.5クラスは、デイ1をトップで折り返した大井こずゑが早着1分ペナルティを受ける不覚を取ったことにも助けられて、新人の塩谷敏史が全日本初勝利を手に入れた。
JN1クラスは成立しなかった。 

【全日本ラリー選手権 第4戦 総合結果】(出走34台/完走30台)
総合順位/クラス順位
ドライバー/コ・ドライバー
車名
トータルタイム
 1位/JN4-1位 奴田原文雄/佐藤忠宜 ADVAN-PIAA ランサー 41:52.5
 2位/JN4-2位 石田正史/澤田茂 DL・テイン・マルシェ ランサー 42:14.9
 3位/JN4-3位 大嶋治夫/藤田めぐみ 加勢eレーシング ランサー 42:44.1
 4位/JN4-4位 岩下英一/犬貝忠 IRS GAM ADVAN ランサー 42:52.0
 5位/JN4-5位

石田雅之/清田恵次

C-ONE POTENZA ランサー 43:07.5
 6位/JN4-6位 福永修/奥村久継 ハセプロCMSC SDF ランサー 43:16.3
 14位/JN2-1位 田中伸幸/遠山裕美子 BSフォルテックitzz CMSC CJ4A 46:52.4
 15位/JN3-1位 森博喜/藤綱和敏 ミツバ・ラック・DL・セリカ 47:45.6
 23位/JN1.5-1位 塩谷敏史/高橋巧 REPSOL-ADVAN コルト 49:10.1
注)クラス区分の説明:JN4クラスは2000ccを超える車両、JN3は1600ccを超え2000cc
以下の車両、JN2は1500ccを超え1600cc以下の車両、JN1.5は1400ccを超え1500cc以下の車両、JN1クラスは1400cc以下の車両。


【ドライバーズポイントランキング】(総合/第4戦終了時点)
順位
ドライバー
ポイント
 1位  奴田原文雄  46pts
 2位  勝田範彦  40pts
 3位  石田正史  39pts
 4位  石田雅之  24.4pts
 5位  福永修  22.8pts
 6位  吉澤哲也  18.8pts
※第4戦はSS実施距離に関する規定により、ポイントが通常の80%となります。
※上記のポイント合計は、JRCAの独自集計によるものです。 正式ポイントおよび内訳はJAFホームページをご参照ください。


Event photo
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全日本総合1位(JN-4クラス1位)
奴田原 文雄/佐藤 忠宜

全日本総合2位(JN-4クラス2位)
石田 正史/澤田 茂

全日本総合3位(J-4クラス3位)
大嶋 治夫/藤田 めぐみ

全日本総合6位(JN2クラス1位)
田中 伸幸/遠山 裕美子

全日本総合15位(JN-3クラス1位)
森 博喜/藤綱 和敏

全日本総合23位(JN2クラス1位)
塩谷 敏史/高橋 巧

サービスパーク
(ルネッサンス棚倉)


各クラス優勝の選手
(左からJN4,JN3,JN2,JN1.5)

【参考総合結果表】
  2009_rd04.xls  2009_rd04.pdf
ご注意:ここに掲載の本レポートおよび結果表等はJRCAが独自に取材、入手したものでJAF公式発表のものではありません。従ってJRCA以外から発表されるそれらのものと若干異なる場合や誤りのある場合もありますので、あらかじめご了承のうえ参考資料としてご覧ください。

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