9月5~6日 愛媛県久万高原町
スペシャルステージ本数:8本
スペシャルステージ総距離:97.92km
ラリー総距離:2デイ約210km
SS路面:オールターマック
SS路面状況:ドライ
勝田範彦インプレッサが今季3勝目でランキング2位に浮上
久万高原ラリーは今年も標高1,525mの大川嶺をその舞台に選んだ。拠点となる美川 スキー場は高度およそ1,000m。3箇所のSSから構成されるコースレイアウトは極めてシンプルだが、8本のSSの総距離は100km近くにもなる。コースの高低差が大きいうえに最長約24kmのロングステージもあり、クルマにもドライバーにも厳しい戦いが待ち受ける。
土曜日の午前中にレキを終え、ラリーは午後4時にスタート。まず小手調べに5.44kmのSS大谷を2周する。SS1は奴田原文雄、SS2は石田正史といずれもランサーエボ10が制し、デイ1を終えた時点で1位が石田正史、2位が奴田原、3位に勝田範彦GRBと、上位3人の顔ぶれは大方の予想どおりか。それに続く4位につけたのは、今年久々に全日本ラリー最大排気量クラスに復帰し、サスペンショントラブルからリタイアした第2戦以外は開幕以来すべて6位以内に入っている福永修。5位には第2戦で初めて全日本3位に入賞した松岡孝典が続く。
いっぽう、活躍が期待されながら大きく遅れを取ったのが、横尾芳則、古谷哲也だ。開幕戦2位の横尾は、SS1でターボホースが外れてトップから1分18秒落ちの最下位タイムで早くも優勝争いから脱落。古谷はラリー開始時からターボトラブルに悩まされ、結局、SS4の
途中でリタイアすることになった。
さてデイ2の構成は、SS3,4,5と同じコースをSS6,7,8でそれぞれリピートするもの。まず勝田がオープニングステージを制すと、次は石田正史がベストを奪い返し、石田が勝田を3.8秒差に従える形で2人が抜け出した。3位奴田原はすでに27.5秒後方に。しかし石田はSS5でスローパンクチャーからマシンコントロールを失ってリヤをヒットし、ここでリタイア。こうして1巡目を終えた時点で勝田が2位奴田原に34.7秒もの差をつけて独走体勢となった。奴田原と3位福永との差も約20秒に開いている。
2巡目に入ると、勝田は3本のSSすべてでベストタイムを刻み、終わってみれば2位奴田原に1分の差を築いて圧勝。奴田原はSSタイムで榊、横尾、福永、松岡らに前に割って入られつつも大きく負けることはなく、3位とは約30秒の差をもって余裕の2位をゲットした。
いっぽう3位争いは、SS7終了時点で4位松岡との差を20秒以上に広げた福永が安泰に見えたが、最終SSでブレーキが悲鳴をあげた福永を、勝田から0.9秒落ちで走りきった松岡が急追。しかし3.5秒差で辛くも福永が逃げ切った。5位には序盤の位置をキープした杉本哲郎、6位には終盤に好タイムを連発した榊が入った。
この勝利で勝田はポイントランキング2位に浮上したが、トップの奴田原が2位になったため差は5ポイント縮まっただけ。タイトル防衛に向けて、まだまだ勝田にとっては厳しい戦いが続く。
JN3クラスは村瀬太シビックが今季3勝目。しかし曽根崇仁が2位に入ったため、ポイントリーダーは依然として曽根で、村瀬は3.6ポイント差でそれを追う形となる。JN2クラスは高橋悟志レビンが今季2勝目をあげたが、現在ぶっちぎりでランキングトップの田中伸幸が2位のポイントを加算したため、田中のタイトル獲得が一層濃厚になってきた。今年3回目に成立したJN1クラスは明治慎太郎が初優勝。このクラスは毎回勝者が変わっているうえ、成立見込みも不透明で、シリーズの行方は混沌としている。
JN1.5クラスは、SS3終了時点でトップ2を占めた島田雅道と天野智之がともにSS4でリタイアした後、青島巧と大井こずゑの一騎打ちに。
青島が6.7秒リードして迎えた最終SSで、大井が青島に12.5秒差をつける大逆転で勝利をものにした。大井はこれで20ポイントを加算するいっぽう、2位天野がノーポイントに終わり、3位塩谷敏史は第5戦のクラッシュで活動打ち切りとなったため、大井が初チャンピオン獲得に向けて大きく一歩を踏み出すことになった。
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