JRCAでは、2013年2月23日にJRCA主催者意見交換会を開催いたしました。

会議では、スペシャルステージラリー開催規定の主な変更点および留意事項(ノーショナルタイムの概念の徹底、レッキやリエゾンでの走行マナーに関する対応、車検対応マフラーの主催者統一解釈など)について議論がありました。

その要旨を以下に掲載いたしますので、選手・チーム関係者の皆様はぜひご一読ください。

2013年02月23日 JRCA主催者意見交換会要旨 (4/1改定 – 文章中にわかりにくい点があったため改定いたしました)

JRCA主催者意見交換会要旨

最重要事項

・ノーショナルタイムの概念の徹底
・レッキやリエゾンでの走行マナーに関する対応
・車検対応マフラー

■スペシャルステージラリー開催規定の主な変更点および留意事項
(全日本/地方選手権共通)

●スタートリストは公式通知からコミュニケーションに変更
(スペシャルステージラリー開催規定第1章第4条参照)
・競技会の規則に関わる案件=公式通知、その他に関わる案件=コミュニケーション

●スタート間隔は原則1分おき
・安全上問題がある場合は間隔を広げることも可能(その場合は競技長が審査員界に提案)
・シード順に対しては、前年度成績、当年度成績が基準となるが、ターマック、グラベルで走行順が変わることもあり得る。
(スペシャルステージラリー開催規定第3章第19条参照)

●SSスタートカウントダウン
(スペシャルステージラリー開催規定第3章第25条6参照)
・30秒前に必ずクルーにアナウンスを行うこと。
・フライング装置と連動させる場合の設置位置は、スタートラインの先40cmの位置とすること。(誤動作防止)

●イエローフラッグの運用について
(スペシャルステージラリー開催規定第3章第25条14参照)
・イエローフラッグを提示する場合は静止提示ではなく振動提示で行うこと。
(ドライバーが視認しやすいように縦に振動)
・イエローフラッグを提示した先頭車のゼッケンと時間をステージコマンダーに報告)
・イエローフラッグを提示された車両に与えられる救済タイム(ノーショナルタイム)は、クラス最遅タイムとは限らない。競技長が妥当とするタイムを与えることができる。

●ノーショナルタイムの概念
(スペシャルステージラリー開催規定第3章第25条14-7参照参照)
・救済タイムの概念=自分のゼッケン順よりも前ゼッケンのタイムを与えられることにより、良いタイムが与えられる。(シードゼッケン制)
・ノーショナルタイムを一律に与える場合と、個々に与える場合の2パターン。(個々のタイムはラリージャパン、北海道で運用済み)
・同一SSを複数走る場合、2回目の走行タイムを参考とすることもあり。
(要するに、2011年のハイランドマスターズでのノーショナルタイムの与え方はダメよということ)
・ゼッケン1とゼッケン10は平等の環境ではないというシードゼッケンの概念を周知させる。
・速報タイムはあくまでも暫定であるため、ステージ内でトラブルがあったSSの速報タイムは、ノーショナルタイムが決定するまでのタイムカード、コントロールシートに記載されているタイムをそのまま掲載する方が、混乱が少ない。

●競技会、競技の始まり
(スペシャルステージラリー開催規定第1章第1条8及び9参照)
・競技会の始まり=参加受付後
・競技の始まり=TC0
・競技の終了=最終パルクフェルメ
・競技会の終了=表彰式終了
・受付後の給油は、TCゼロの後は指定急所かリフューエルゾーンで可能。給油行為は消防法で定められた方法以外では行ってはならない。
(スペシャルステージラリー開催規定第3章第18条10参照)

●ラジオポイント
(スペシャルステージラリー開催規定第2章第18条参照)
・必ず2名のオフィシャルで運用すること。
・1名はトラッキング対応、1名はイエローフラッグ対応。
(イエローフラッグ提示中もトラッキングは中断しない。イエローフラッグ提示=競技区間の中断ではない)
・ラジオポイントにも予告看板(黄色)は必須。
・ラジオポイントにも消火器設置。内容量3kg以上×1本以上。

●ギャラリーSS開催規定
・開催規定の要項を満たすこと。
(スペシャルステージラリー開催規定第8条10参照)
10)開催場所に観衆(観客)を入れる場合は、その安全確保に十分留意いなければならない。とくに、JAF公認レーシングコースおよびJAF公認スピード行事競技コース(2級以上)以外の場所に観衆を入れる場合には、公認コースに準じた十分な防護対策を講じなければならず、JAFの確認(査察等)を受けること。
観客安全・コントロール
[1]観客に警告を促すために、[8]の手段を適用すること。必要であれば、危険なエリアに侵入しているいかなる人物も排除すること。
[2]危険な場所はセーフティプランに盛り込むこと。オーガナイザーは、セーフティプランに示されている危険なエリアをはっきりと示すこと。それはまた観客の到着前に行うこと。
[3]競技長は、救急委員長の推奨事項(FIA国際競技規則H項参照)を考慮することとする。また、万一危険な状況の場合にはスペシャルステージを中止できるよう、先行車の乗員(および審査委員会)の推奨事項も考慮することとする。
[4]競技中(先行車が通過後、追上車が通るまで)一般観客は、競技に使われる道路沿いに移動することを禁止する。
[5]競技中に観客の安全を確保するため、十分な人数のオフィシャルまたは警備員を配置しなければならない。
[6]オフィシャルは、はっきり確認できるように、ジャケット等を身に付けること。
[7]スペシャルステージは、観客が安全に移動できるような場所、および時間を設定を設定すること。
[8]インフィメーション(安全に関する告知)
観衆向けのインフォメーションをさまざまな方法で伝える
パンフレット、チラシ、プログラム
11)上記1)~10)に加え、必要に応じて国際モータースポーツ競技規則付則H項に準拠した準備や対策を追加すること。
※[1]の「[8]の手段」とは、「モータースポーツ観戦には危険が伴います」の警告を必ずパンフレットに記載すること。

●レッキ中のスピード
(スペシャルステージラリー開催規定第2章第11条参照)
・オーガナイザーはレッキ中のスピードを計測する場合もある。
・場合によってはペナルティもあり得る。
※主催者申し送り要項に加えられた。

●コースカー
(スペシャルステージラリー開催規定第2章第13条参照)
・00、0を必ず走らせる。
・コース確認を行い、安全にフィニッシュすること。
・走る速度は「中程度の速度」

●サービス(整備作業)
(スペシャルステージラリー開催規定第3章第16条参照)
・各デイ最初のスペシャルステージ前=20分
※デイ1については強制ではない。ただしラリーの競技的要素およびオーバーナイトリグループの後の場合はその限りではない。
・2つのステージグループの間=20~30分。(旧規則はデイ毎に45分×2回または20分×回数限定無し)
・最終デイを除く、デイ終了時=45分。(旧規則は60分)
・ラリーフィニッシュ前に10分のサービスを設定してもOK(セレモニアルフィニッシュ前にお化粧直し)
※テクニカルゾーン、フレキシに関しては記載無し
(ラリー北海道はAPRC規則を全日本で運用)

●SS内での緊急排除の概念
(スペシャルステージラリー開催規定第3章第25条11と12の解釈)
・コースを塞いだ車両を競技役員が排除した場合=当該車両はデイ離脱またはリタイア。
・コースを塞いだ車両を後続のクルーが排除した場合=当該車両が競技に復帰することはあり得る。
(主催側は選手間による緊急排除を期待、選手側は緊急排除による不利益(競技に復活したクルーがポイントを獲得する可能性あり)

■JAFから各主催者への留意事項
(規則化されていない部分を各主催者に申し送り)

●ターマックラリーの場合、公式車検時以外、競技期間中に任意の場所で最低地上高を測定。
●三角表示板は、着座した状態で工具を使用することなく取り出せる場所に設置するよう、設置状況を車検時に確認。車検で確認が行われることをコミュニケーション/ブリーフィングで注意喚起。

■その他

●自動消火器を装備している場合は、内容量を3kg以上に変更。手動消火器の場合は従来通り2kg以上。2013年は猶予期間とする。
●車検対応マフラーについて
車検対応マフラーは、携行が義務付けられている認定書または保安基準に準拠していることを証明できるものを車検時に提示した場合は純正マフラーとみなす。ただし、マフラー規制は各主催者で異なる(特記で規制)
車検対応マフラーは製造年月によって異なり、平成 22 年4月1日以降の生産車は、義務付けられている認定書または保安基準に準拠していることを証明できるものを車検時に提示しなければならない。平成22年3月31日までの生産車については、保安基準で近接排気騒音の規制値が設定されている。
なお、マフラーとは最後部の消音器を意味するものではなく、触媒を含みエキゾーストマニホールド以後の部品全てである。但し各主催者は特別規則書でさらに規制することができる。