ラリーは一般公道を使用して開催されるモータースポーツです。そのため、様々な設備やエリアは、開催地周辺に競技期間中だけ設置される点が大きな特徴で、地元の自治体や行政機構の協力を得ることでラリーは開催されています。

競技区間である「スペシャルステージ」は、 スタートとフィニッシュはもちろん、途中の走行状況や緊急時の対応、競技中に関係者以外が入らないようにするオフィシャルと呼ばれる人員が配置され、競技期間中は常に管理されています。ラリーカーの整備などを行う「サービスパーク」、大会事務局が置かれる「ヘッドクオーター(HQ)」、車両を一時的に保管するための「パルクフェルメ」などは、開催地周辺の施設や駐車場などに設置されます。

また、主催者やラリーに関係する企業、地元の飲食店などが集まる「ラリーパーク」が設けられるラリーもあります。新型コロナウイルスの影響により、様々な催し物が開催できない状況がしばらく続いていましたが、制限も徐々に緩和され、有観客開催のラリーも増えつつあります。

Illustration/Atsushi Arino

スタート

多くのラリーでは式典としてセレモニアルスタートが行われ、選手が華々しくスタートする様子を間近で観ることができる人気イベントとなっています。また、スペシャルステージの各車スタート間隔は基本的に1分ごととされています。

スペシャルステージ

スペシャルステージ(SS)は全開のタイムアタック区間です。ドライバーたちのテクニックを堪能しましょう。SSタイムはスタート地点とフィニッシュ地点に設置された光電管で計測し、10分の1秒単位で順位が決まっていきます。

タイムコントロール

ラリー競技では、SSの走行時間以外のあらゆる行動が選手ごとに分単位で決められています。それをチェックするのがセクションごとに設置されたタイムコントロール(TC)です。選手はすべてのTCを必ず通過しなければなりません。

サービスパーク

車両の修復やセッティングの変更を行う場所がサービスパークです。ダメージを受けた車両を修復する熟練メカニックの手際は必見です。サービスパークは見学可能であることが多いですが、移動する車両など周囲には気をつけましょう。

パルクフェルメ

“マシンの整備等が禁止されている場所”ですが、ほとんどの場合はラリーカーを保管しておく場所を指します。1日の終わりのほか、競技進行の時間調整、車列調整のために設けられます。この時間調整は“リグループ”と呼ばれ、多くの場合はサービスの前後に設定されます。

リエゾン

SSとSSをつなぐ移動区間はリエゾン(ロードセクション)と呼ばれ、ラリーカーは一般道を交通法規を守って移動します。マイカーで観戦している場合には、ラリーカーとすれ違ったりすることも。沿道で応援する場合は、周囲の交通などにも配慮し安全な場所で行いましょう。

ヘッドクオーター

競技全体を運営・管理する本部のことをヘッドクオーター(HQ)といいます。会場近隣のホテルや公共施設に設置されることが多く、観戦の受付や、報道関係者の仕事場であるメディアセンター、記者会見場、通達やリザルトが掲示される公式掲示板などが設置されます。