速さと安全性を確保したマシン
公道も走るので違法改造はナシ

スペシャルステージ(SS)で0.1秒を争う選手たちのラリーカーは、世界自動車連盟(FIA)や日本自動車連盟(JAF)の定める車両規定に則って製作されています。規定の範囲内において、安全かつ速く走るためのチューニングや車両セッティングが行われており、まさに各チームのノウハウが詰め込まれた1台と言えるでしょう。

SSでのタイムアタックでは車両に大きな負荷がかかるため、操縦安定性を確保する強靭なサスペンションや、悪路からエンジン、トランスミッションなどを守るアンダーガード等が装着されます。そしてクラッシュなどが発生した際に乗員を守るロールケージや多点式シートベルト、消火器など様々な安全装備が義務づけられています。

国内のラリー車両の主な車両規定

日本国内で開催されるラリーに出場できる車両の種類は規則で細かく規定され、安全性や公平性が確保されるようになっています。区分によっては世界選手権のWRC出場車両や国際大会向けの車両も全日本ラリーに出場できるようになっています。

FIA公認車両 ラリーに出場するための臨時運行許可を有するFIAによりグループA、R、N(公認有効期限後8年を経過していない車両を含む)として公認された車両。
ASN公認車両 ラリーに出場するための臨時運行許可を有するFIAグループRally2と同等に近い性能の車両を作ることを目的とした海外のASNによって公認された車両。
JAF公認車両 ラリーに出場するための臨時運行許可を有するFIAのRally2公認規定に準じて製作された公認取得前の車両、または海外ASNが規定するグループAP4に準じて製作されたJAFによって公認されたJP4車両。
RRN車両 FIAによりグループA、R、N(公認有効期限後8年を経過していない車両を含む)として公認された車両で、保安基準に適合し、本編に従った自動車登録番号標(車両番号標)を有する車両。
RJ車両 JAF登録車両で、国内ラリー参戦車両としては改造範囲が広いもの。
RPN車両 JAF登録車両で、メーカーラインオフ時の諸元が変更されていないもの。改造範囲はRJ車両よりも狭い範囲に規定されている。
AE車両 電気モーター、または電気モーターとエンジンを併用して動力とする車両。改造範囲はRPN車両と同じく狭い範囲に規定されている。

車両の改造は、安全性とともに競技が公平に行われるように規則で制限されています。サスペンションやタイヤは舗装路や未舗装路といった路面の状態にあわせて変更されます。車内は万が一のクラッシュや転倒の際に、選手を保護するロールケージと呼ばれる骨組みで補強がされています。ロールケージも安全のため規則で定められています。