がんばろう! 福島MSCCラリー2013

開催日時:6月8〜9日
開催場所:福島県棚倉町周辺
スペシャルステージ本数:16本
スペシャルステージ総距離:68.68km
ラリー総距離:581.77km
SS路面:グラベル(未舗装路)
SS路面状況:デイ1 ドライ、デイ2 ドライ一部ウエット
ポイント係数:1.5

ラリー概要

JAF全日本ラリー選手権第3戦の舞台は福島県。本州で唯一のグラベルラリーとして、棚倉町を中心として、近隣の鮫川村やいわき市の一部も使用している。東日本大震災までは「東京ラリー」という名称だったが、ラリーによる地元の復興支援を目指し、名称に「がんばろう!福島」を採り入れた。

コースはすべてグラベル。ほとんどのコースは尖った岩が散在するガレ場で、マシンが走行するごとに轍ができやすい路面だ。デイ1のSSは9カ所。今年のコースの中では長めのSS2(6.18km)、SS3(8.50km)をSS4/5でもループする午前中の5本のSSが勝負どころ。後半のSS距離を考えると、ここでいかにタイムを伸ばし、差をつけるかが重要となる。デイ2は8本のSSで、2.81kmから5.01kmと短いSSが続く。

今年のギャラリーステージはデイ1の午後に2本を実施。ルネサンス棚倉の500mのコースで、SS以外の時間帯は、篠塚建次郎によるデモランや同乗走行、おたのしみ抽選会といったイベントも設定されていた。会場にはレプリカマシンや出店もあり、競技中は主催者により選手の情報や走りの楽しみ方などの実況も行なわれるため、ラリー観戦初心者でも楽しみやすいイベントだ。

また、デイ1、デイ2ともにSS間を移動するラリーカーを間近で見られる「ラリーパーク」を設置。今年は事前に実施場所や時間をウェブサイトで告知していたこともあり、カメラを構えたラリーファンの姿も多く見られたが、普段ラリーには興味のない地元の住民の方々も足を運び、年に1度のモータースポーツイベントを興味深そうに見ていたのが印象的だった。

JN4クラス:奴田原、新タイヤで今季初勝利

JN4クラスは、前年スバルWRX STIを駆る勝田範彦と柳澤宏至が1秒以内の僅差で好勝負を繰り広げたが、今年は奴田原文雄(三菱ランサーエボリューションX)の独走となった。

デイ1の勝負所と言われた午前の5本のSSのうち、SS1〜SS4で奴田原がトップタイムをたたき出し、この時点で17秒以上の差を築く。その後もデイ1の4本のSSすべてでトップタイムをマーク、さらにデイ2でも勢いは衰えず、SS10/12/15の3カ所でも最速をマーク。最終的に2位に33.6秒もの差を築き、圧倒的な勝利を飾った。「今回はA053という新タイヤのおかげです」と奴田原。2位は昨年ここ福島で僅差の戦いを繰り広げ、惜しくも優勝できなかった柳澤宏至(スバルWRX STI)が今年も2位。3位はスバルWRX STIの福永修が入賞。デイ1で3位につけていた勝田範彦(スバルWRX STI)はデイ2でプッシュしたが、SS12でボールジョイントを破損してリタイアに終わった。

JN3クラス:上原利宏が2戦連続グラベルを制す

JN3クラスは前戦久万高原で優勝した上原利宏(ホンダ・シビックタイプR)が出だしから大量リードで首位に立つ。それを追いかけるのは三好秀昌、横尾芳則らのトヨタ86勢だったが、三好のマシンにエンジンセンサーのトラブルが発生し後退。デイ1終了時点で香川秀樹(ホンダ・インテグラタイプR)が2番手に浮上し、3番手に横尾がつける。デイ2に入ると86の粟津原豊が猛スパートをかけてSS14時点でついに横尾をかわして3番手に躍り出て、そのままフィニッシュ。しかし、SS15でフライングスタートを犯してしまったことが判明し、粟津原に10秒のペナルティが科せられ、横尾が3位に返り咲いた。

JN2クラス:川名賢がグラベルラリー初優勝

JN2クラスはオープニングの5つのSSで天野智之(トヨタ・ヴィッツG’s)が連続トップタイムで首位に立つが、続くSS6で駆動系のトラブルによりデイリタイア。デミオを駆る加藤達弥が首位に立つが、川名賢(トヨタ・ヴィッツ)が怒濤の追い上げを見せてSS8で加藤を逆転し首位に。デイ2に入っても川名、加藤の順位は変わらず、さらに3番手の岡田孝一(マツダ・デミオ)との差も変わらず、そのままの順位でフィニッシュ。優勝した川名は3勝目で、グラベルラリーでは初優勝となった。

JN1クラス:福島初挑戦の松岡竜也が完勝

JN1クラスは松岡竜也(ダイハツ・ストーリアX4)が、福島初出場ながら序盤から圧倒的な大差を築き、そのまま優勝。コ・ドライバーが直前に決まったという鷲尾俊一(ダイハツ・ストーリアX4)が2位、3位に葛西一省(ダイハツ・ストーリア)が入った。

総合結果

出走53台/完走34台

順位 クラス ドライバー/コ・ドライバー 車名 タイム
1 JN4-1 奴田原文雄/佐藤忠宜 ADVAN-PIAAランサー 1:02:11.3
2 JN4-2 柳澤宏至/中原祥雅 CUSCO ADVAN WRX-STI 1:02:44.9
3 JN4-3 福永 修/奥村久継 ハセプロCL☆DLインプレッサSTI 1:03:32.7
4 JN4-4 大嶋治夫/井手上達也 加勢eレーシング ADVAN EvoⅨ 1:04:15.7
5 JN4-5 桑田幸典/澤田耕一 PLUM・DL・SRSランサー 1:05:01.7
6 JN4-6 堀江 拓/馬瀬耕平 テイクグッドitzzDLランサー 1:05:25.8
9 JN3-1 上原利宏/佐瀬拓野 BF-アクションDLシビック 1:08:24.9
13 JN2-1 川名 賢/小坂典嵩 TAKUMI CRAFT ADVAN Vitz 1:09:05.9
23 JN1-1 松岡竜也/縄田幸裕 ナカガワロードサービスKEY-BEAUTYストーリア 1:12:05.5

注)JN4クラスは3000ccを超える車両、JN3は1500ccを超え3000cc以下の車両、JN2は1400ccを超え1500cc以下の車両、JN1は1400cc以下の車両(過給器つき車両は排気量×1.7で換算)

参考総合結果表: 2013_rd03(PDF)  2013_rd03(Excel)

ご注意:ここに掲載の本レポートおよび結果表等はJRCAが独自に取材、入手したものでJAF公式発表のものではありません。従ってJRCA以外から発表されるそれらのものと若干異なる場合や誤りのある場合もありますので、あらかじめご了承のうえ参考資料としてご覧ください。

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