第47回M.C.S.C.ラリーハイランドマスターズ2019

開催日時:10月11日(金)〜13日(日)
開催場所:岐阜県高山市
スペシャルステージ本数:12本
スペシャルステージ総距離:51.59km
ラリー総距離:270.58km
SS路面:ターマック
SS路面状況:ウエット/ドライ
ポイント係数:1.0

全日本ラリー選手権第9戦ラリーハイランドマスターズは10月13日にすべての競技を終了し、三菱ランサーエボリューションの奴田原文雄/佐藤忠宜が今シーズン2勝目を獲得した。2位には新井敏弘/田中直哉、3位には新井大輝/小坂典嵩のスバルWRX STI勢が入っている。

この日はSS7〜SS12の計6SS、29.72kmで争われる。前日の台風の影響で、路面には湿った落ち葉が敷き詰められる難しい状況となった。前日までの3SSを終えた段階で、JN1クラスの首位は新井敏弘、6.8秒差の2番手に新井大輝、7.6秒差の3番手に奴田原という状況だ。ラリーがスタートすると、先頭走者の新井敏弘は、積もった落ち葉をかき分ける役を担うこととなり、思うようにペースを上げられない状況に。2番手の新井大輝は、オープニングのSS7、続くSS8でベストタイムをマークして、新井敏弘との差を1.8秒にまで詰めることに成功するが、午前中最後のSS9で痛恨のスピン。20秒近いタイムロスを喫し、これで3番手にドロップしてしまうこととなった。

路面が乾き始めた午後のSS、新井敏弘はリードを拡大すべくソフトコンパウンドのタイヤをチョイス。しかし、これがサスペンションセッティングと合っていなかったこともあり大苦戦。SS10で奴田原に首位を奪われてしまった。奴田原は続くSS11、12でも一番時計をたたき出し、午後の3SSすべてを制する速さを披露して第3戦唐津以来となる今季2勝目を挙げてみせた。
「優勝できて良かったです。ヨコハマタイヤも1-2-3で、タイヤが今回もすごく良かったです。昨日のA052も、ドライでのA08Bでも、コントロールの幅が広いというのが、アドバンテージになりました。それが勝因です。ターマックのセッティングが決まってきたので、まだまだランサーでも打倒スバルができますよ。タイトル争いに関しては相手次第ですので厳しい状況ですが、最後まで決まらないのは面白いですね」と、笑顔で奴田原はラリーを振り返った。

ヘイキ・コバライネン/北川紗衣(GT86 CS-R3)と眞貝知志/安藤裕一(トヨタ・ヴィッツGRMN)が同タイムで首位に立っていたJN2クラス。この日は終始コバライネンがリードする展開となり、この日の6SSすべてでベストタイムをマークする快走を披露。念願の全日本ラリー選手権初優勝を飾ることとなった。2位は眞貝、3位にはレクサスRC Fで参戦する石井宏尚/寺田昌弘が入った。コバライネンは「すごくうれしいよ。今日はまったく問題なく走ることができた。午後のループは午前よりもコンディションが良くなって、少しアタックもできたしね。マシンもばっちりで、すごく楽しかったよ。横手はステージでは勝てたけど、ペナルティを受けて優勝はお預けになってしまった。それが、今回はペナルティもなさそうだし、ようやく初優勝だ。ラリーはすごく難しいけど、常に成長することができる。ペースノートもどんどん良くなっている。午前中は勉強して、午後はタイムアップできている。成長を実感しているよ」とコメント。難しい路面のなか、危なげなく勝ち切ってみせた。

ヘイキ・コバライネン/北川紗衣(GT86 CS-R3)と眞貝知志/安藤裕一(トヨタ・ヴィッツGRMN)が同タイムで首位に立っていたJN2クラス。この日は終始コバライネンがリードする展開となり、この日の6SSすべてでベストタイムをマークする快走を披露。念願の全日本ラリー選手権初優勝を飾ることとなった。2位は眞貝、3位にはレクサスRC Fで参戦する石井宏尚/寺田昌弘が入った。コバライネンは「すごくうれしいよ。今日はまったく問題なく走ることができた。午後のループは午前よりもコンディションが良くなって、少しアタックもできたしね。マシンもばっちりで、すごく楽しかったよ。横手はステージでは勝てたけど、ペナルティを受けて優勝はお預けになってしまった。それが、今回はペナルティもなさそうだし、ようやく初優勝だ。ラリーはすごく難しいけど、常に成長することができる。ペースノートもどんどん良くなっている。午前中は勉強して、午後はタイムアップできている。成長を実感しているよ」とコメント。難しい路面のなか、危なげなく勝ち切ってみせた。

台数が規定に満たず選手権不成立となったJN4クラスは、スズキ・スイフトスポーツ勢同士の戦い。トップでフィニッシュしたのは初日をトップで終えていた古川寛/大久保叡。2番手には西川真太郎/本橋貴司、3番手には黒原康仁/美野友紀というオーダーとなった。古川は、「台風だったり、不成立だったり、色々とあったラリーでしたね。このスイフトスポーツで初ターマックでしたが、他のクラスと比較しても、悪くないタイムで走ることができました。争えるレベルにあるのが分かったのは、収穫でした」と、ラリーを振り返っている。

JN5クラスは天野智之/塩田卓史(トヨタ・ヴィッツGR)が初日から危なげなくリードを拡大して優勝。2位には小川剛/藤田めぐみ(ホンダ・フィットRS)、3位に岡田孝一/小林剛(マツダ・デミオ15MB)という順位となった。初日に続き、天野がリードを拡大、貫録を見せての勝利となった。前後ともやや間隔の空いた小川は、2番手の座を守り切ってフィニッシュ。背後から迫る渡部哲成/橋本美咲(マツダ・デミオ)と石川昌平/竹藪英樹(トヨタ・ヴィッツGR)の追撃を振り切った岡田が、3位に入った。
これでシーズン8勝目となる天野は、「とりあえず、セクション4はドライになったので、思い切り走ることができました。タイム的にもまずまずでしたね。コ・ドライバーにとっては初優勝なので、それは良かったです」と、塩田の初優勝をねぎらった。

初日に大倉聡/豊田耕司(トヨタ・ヴィッツCVT)がレグ離脱、水原亜利沙/中村理紗(日産ノートe-POWER NISMO S)がリタイアを喫するという波乱が起きたJN1クラス。初日トップに立ったプレイドライブ・ラリーチームの伊藤隆晃/大高徹也(日産ノートe-POWER NISMO S)がそのまま逃げ切り、今シーズン初優勝とともに日産ノートe-POWER NISMO Sでの初優勝を達成した。2位は清水和夫/高波陽二(トヨタ・ヴィッツCVT)、3位には中西昌人/福井林賢(マツダRX8)が入っている。
伊藤は、「昨年の新城ラリー以来の優勝ですね。午後のセクションは路面が良くなったので、路面を良くみて、踏めるところを踏んでいったら、大きく離されることなく走ることができました。次のグラベルの福島も、今日のように着実に走り切りたいです」とラリーを振り返った。

次戦はシーズン最終戦。10月31日〜11月3日にかけて開催される「MSCCラリー in ふくしま」。JN1クラスのチャンピオンが決まる決戦の舞台だが、大きな爪痕を残した台風19号の影響・被害も懸念されるところだ。

(RALLY PLUS)

総合結果

順位 クラス ドライバー/コ・ドライバー 車名 タイム
1 JN1-1 奴田原文雄/佐藤忠宜 ADVAN-PIAAランサー 39:26.8
2 JN1-2 新井敏弘/田中直哉 富士スバル AMS WRX STI 39:40.4
3 JN1-3 新井大輝/小坂典嵩 ADVAN KYB AMS WRX 39:48.4
7 JN2-1 Heikki Kovalainen/北川紗衣 AICELLOラックDL速心GT86R3 41:17.9
10 JN4-1 古川 寛/大久保叡 スマッシュDL itzzインディゴスイフト 42:44.0
11 JN3-1 山本悠太/山本磨美 Sammy☆K-one☆ルブロスYH86 42:56.4
22 JN5-1 天野智之/塩田卓史 豊田自動織機・DL・ヴィッツ 43:49.6
27 JN6-1 伊藤隆晃/大高徹也 PD YHノートe-POWERニスモS 45:06.4

注)クラス区分については全日本ラリー選手権ガイダンスをご覧ください。

参考総合結果表: リザルト(PDF) リザルト(Excel)

ご注意:ここに掲載の本レポートおよび結果表等はJRCA/RALLY PLUSが独自に取材、入手したものでJAF公式発表のものではありません。従ってJRCA以外から発表されるそれらのものと若干異なる場合や誤りのある場合もありますので、あらかじめご了承のうえ参考資料としてご覧ください。

ダイジェスト動画

2019年 全日本ラリー選手権 第9戦 高山・岐阜

イベントフォト

JN1クラス優勝 奴田原文雄/佐藤忠宜

JN2クラス優勝 Heikki Kovalainen/北川紗衣

JN3クラス優勝 山本悠太/山本磨美

JN4クラス優勝 古川寛/大久保叡

JN5クラス優勝 天野智之/井上裕紀⼦

JN6クラス優勝 伊藤隆晃/大高徹也