RALLY HOKKAIDO

開催日時:9月9日(金)〜11日(日)
開催場所:北海道帯広市
スペシャルステージ本数:10本
スペシャルステージ総距離:107.98km
ラリー総距離:686.08km
SS路面:グラベル
SS路面状況:ドライ
ポイント係数:1.5

2022年全日本ラリー選手権第7戦RALLY HOKKAIDOは、9月11日(日)にすべての競技を終えて、トヨタGRヤリスの勝田範彦/木村裕介がトップでフィニッシュ。今シーズン2勝目を飾った。2位にはトヨタGRヤリスの奴田原文雄/東駿吾、3位にはスバルWRX STIの新井敏弘/田中直哉が入っている。また、このラリーを9位で走り切ったヘイキ・コバライネン/北川紗衣(シュコダ・ファビアR5)、最終戦を残してJN-1王座を決めた。

前戦ARKラリー・カムイから約2カ月のインターバルを経たラリー北海道は、2022年シーズンの2戦目、そして最後のグラベルラリーとなる。今回、ラリー北海道としては3年ぶりに有観客での開催を実現。帯広駅前で行われたラリーショーやセレモニアルスタートには多くの観客が集まり、さらに陸別オフロードサーキットをはじめ、SSにも観戦エリアが設けられた。

ラリーは初日に7SS、2日目に3SSの合計10SSを走行。SS距離は107.26km、得点係数は1.5。林道コースは、WRCラリージャパンでもおなじみだった、ハイスピードステージの「YAM WAKKA」や「NUPRIPAKE」、距離は短いながらもテクニカルで道が荒れやすい「OTOFUKE REVERSE」、ターマック・グラベル・オフロードコースを一気に走破する「RIKUBETSU LONG」など、バラエティに富んだステージが特徴となる。なお、2日目にSS9として行われるPAWSE KAMUY REVERSEは、久しぶりに逆走設定が採用されている。

なお、今季から性能調整が導入されているJN-1クラスの、今大会における最低重量は下記のようになっている。
前戦1位:ヘイキ・コバライネン(シュコダ・ファビアR5)1280kg(最低重量+50kg)
前戦2位:新井敏弘(スバルWRX STI)1418kg(最低重量+20kg)
前戦3位:勝田範彦(トヨタGRヤリス)1198kg(最低重量+30kg)

好天に恵まれた9日(土)9時、ラリーはニセコアンヌプリ国際スキー場の駐車場に設けられたゲートからスタート。各車とも約50km離れた黒松内町のステージへと向かっていった。

レグ1

コバライネンのタイトル獲得に注目が集まったJN-1クラス。そのコバライネンが、先頭スタート、そして北海道のグラベル路に苦しむなか、スピードを見せたのは新井敏弘、勝田範彦、奴田原文雄のベテラン勢だった。SS1で奴田原がベストをマークすると、SS2とSS3は新井が連続ベストを刻み、奴田原をかわして首位に立つ。
最初のセクションを終えてトップに立ったのは新井。これに好タイムを並べた勝田が6.9秒差の2番手につける。制御系のトラブルから一部でFFとなっての走行を強いられながらも、奴田原が11.6秒差の3番手。18.1秒差の4番手に鎌田卓麻/松本優一(スバルWRX STI)、20.8秒差の5番手に福永修/齊田美早子(シュコダ・ファビアR5)が続く。コバライネンは30秒差の6番手と、大きく出遅れてしまった。

陸別でのリモートサービスを挟んだ午後のセクション、SS5ヤム・ワッカ2で勝田が今回初のベストタイムをマークし、3番手タイムの新井をかわして首位に浮上。勝田はSS6のリクベツ・ロングこそ6番手だったが、最終のSS7ヌプリパケ2でも再びベストタイムで、2番手の新井との差を12.6秒に広げて、初日を終えた。SS5~SS7まですべてセカンドベストを刻んだ奴田原は、2番手新井から0.1秒差の3番手。なおSS5ではコバライネンが橋の欄干にヒットし、右リヤタイヤをパンク。足まわりにもダメージを負っていて、修理のために20分以上のタイムロス。ポイント圏外となるクラス10番手まで順位を落としている。

首位の勝田は「渾身のアタックではなく、たまたまタイムが良かっただけです(苦笑)。大きくクルマを変えてきたので戸惑いがありましたが、自分のドライビングをアジャストしました。その過程でだんだんとフィーリングをつかめた感じです。ただ、タイトコーナーではまだ課題がありますね」とコメント。2番手の新井は「クルマに関しては、少しパワーのなさを感じています。最高速が出せないことが、高速ステージで勝田選手や奴田原選手との差になっているんでしょう」と、語る。

JN-2クラスは、前戦でチャンピオンを決めた中平勝也/島津雅彦(トヨタGT86 CS-R3)がスキップし、小倉雅俊/平山真理(ホンダ・シビック・タイプRユーロ)のみの参戦。小倉はリヤサスペンションが破損しながらも最初のセクションを走破、その後もすべてのステージを走り切った。「トラブルの原因がよく分からない状態で走り続けることになりました。SS2あたりからずっとなので、どこかに引っ掛けたのかもしれません」と、小倉は首を振る。

トヨタ86とスバルBRZのライバル対決が行われるJN-3クラスは、今回からGR86を投入した長﨑雅志/大矢啓太がSS2でベストタイムを記録し、首位に立つと、その後も安定したペースで初日を走り切った。山本悠太/立久井和子はアライメントのトラブルを抱えながらも、長﨑から3.4秒差の2番手。3番手にはスバルBRZを駆る加納武彦/横手聡志、4番手に竹内源樹/木村悟士がつけている。

「予想外の首位ですね。まだ感覚にタイムがついてきていなくて、蓋を開けたらこの位置にいたって感じです。危ない箇所はしっかり抑えることもできていて、踏めるところは踏めています。メリハリのある走りはできていると思います。北海道は最後まで何が起こるか分からないので、順位は二の次で、しっかり走り切りたいです」と、長﨑は慎重なコメント。トラブルを抱えながらも僅差の2番手をキープした山本は「午前中から続くクルマが真っ直ぐ走らないトラブルは陸別のサービスでも直りませんでした。修正もできず、本当に厳しかったです。3秒差で終われて良かったので、明日はトップを狙います」と、最終日の逆転を誓った。3番手の加納は「3位を争っている竹内選手とは、ほとんどタイムが変わりませんでしたね。やっぱり新型は速いです。明日は距離も短いんですが、諦めてくれないと思うので、しっかり走って3位をキープしたいです」と、竹内を警戒する。

JN-4クラスはスズキ・スイフトスポーツ勢に加え、前戦カムイに続き、香川秀樹/松浦俊朗のホンダ・シビック・タイプRユーロが登場。序盤からスピードを見せたのは、7つのSS中6SSでベストタイムを並べた、ベテランの岡田孝一/河本拓哉(スズキ・スイフトスポーツ)。2番手の香川に約35秒の差をつけてみせた。3番手にはSS2でエンジンの不調に見舞われながらも走り続けた古川寛/吉田賢吾(スズキ・スイフトスポーツ)が続く。

「気合いを入れて走りました。クルマ的には前戦から特になにも変えていません。ドライバーの私が一生懸命走っています(笑)。明日のパウセカムイを逆走で走るのはは初めてですし、ここが鍵になります。サイドブレーキも使えるようになったので、これが効果的でした」と、首位の岡田はしてやったりの表情。大きく差をつけられた香川は「岡田選手が途中から火がついたのか、ものすごく速くなりました。手がつけられませんでしたね。明日は距離がないので、逆転は狙えませんが、何が起こるか分からないので、自分のペースで走ります」とコメント。3番手の古川は「エンジンがまったく吹けなくて、けっこう凹んでいます。色々と制御系をリセットしたので、明日はせめてベストタイムを1本獲りたいです」と、肩を落とした。

JN-5クラスは、SS3までラリーをリードしていた小濱勇希/橋本美咲(トヨタ・ヤリス)が、SS4リクベツ・ロング2のウォータースプラッシュ後に続く右コーナーでアウト側の土手にマシンをヒット。ドライブシャフトが折損し、リタイアを決めた。これで首位に立ったのは小濱のチームメイトの渡部哲成/小藤桂一(トヨタ・ヤリスCVT)。ところが渡部はリクベツでのリモートサービスで、TCアウトの時間に遅れ、40秒のペナルティを科されることに。この結果、大倉聡/豊田耕司(GRヤリスRS)が、渡部に9.6秒差をつけて初日をトップで折り返している。3番手はトヨタ・ヴィッツをドライブする笠原彰人/宗片さおりが、ベテランの小川剛/梶山剛(トヨタ・ヴィッツ)や天野智之/井上裕紀子(GRヤリスRS)を抑え順位をキープしている。

「死ぬ気で攻めました。それでも渡部選手にタイムでは負けているところがありました。パウセカムイが逆走なので、読めないですね。せっかく勝利のチャンスがあるので、しっかりプッシュして、様子を見たいです」と、大倉は慎重に語る。一方、スピードを見せながらも、ペナルティに泣いた渡部は「ペナルティは仕方ないです。それでも前戦と比較すると、走りは改善できて、狙ったとおりにドライブできています。ただ、全SSでベストを獲れなかったので、リクベツのような硬い路面やツイスティなセクションで、もう少しクルマを速く走らせたいです」と振り返った。3番手につけた笠原は「丁寧なドライブを心がけすぎたのか、リピートステージでタイムが挙げられませんでした。左のドライブシャフトから異音が聞こえましたが、交換もしましたし、明日は万全の状態で走れます。絶対にこの順位をキープします」と、最終日に表彰台を狙う。

JN-6クラスは、前戦カムイで海老原孝敬がタイトルを確定。海老原はマシンをトヨタ・ヴィッツから、来季を見据えてハイブリッドのトヨタ・アクアで参戦。今回、スタートからスピードを見せたのは、海外ラリーでの経験豊富な鷲尾俊一/鈴木隆司(マツダ・デミオ)。鷲尾は5つのSSでベストタイムを刻み、なかなかペースの上がらない海老原/原田晃一に14.9秒差をつけて首位を確保している。3番は中西昌人/有川美知代(マツダ・デミオ)が続いた。

「午後のSS5ヤム・ワッカ2は、ホコリがすごかったので安全ペースで走ったら、海老原選手に14秒も負けてしまいました。ただ、それ以外は良い走りができたと思います。最終日のオトフケが苦手なんですが、荒れた路面に適したセッティングに変更するつもりです。ただ、このタイム差ならば、安全圏かな……」と、鷲尾は笑顔のコメント。2番手の海老原は「ヤム・ワッカ1で下を打った時に、足まわりを曲げてしまったようです。午後はそれなりにタイムを稼ぐことができました」と、最終日に逆転を狙う。3番手の中西は「これがクルマの限界です。私自身はとにかく完走が目標。なんとか、鷲尾さんを勝たせてあげたいですね」と、同じクルマで戦う鷲尾にエールを送った。

レグ2

ラリー2日目は3SS、22.05km。最初のループは6.12kmの「OTOFUKE REVERSE」と9.81kmの「PAWSE KAMUY REVERSE」を走行し、北愛国でのサービスを挟んで、最後に再び「OTOFUKE REVERSE」で締めくくる。コンディションはドライ。ただ「OTOFUKE REVERSE」は、2度目の走行で深く轍が掘られ、トラブルやアクシデントが引き起こされる可能性が高い。

JN-1クラス、首位の勝田が12.6秒のアドバンテージを持って順調に走行を続けたのに対し、熾烈を極めたのが、0.1秒差で最終日をスタートした2番手新井と3番手奴田原による2位争いだった。SS8オトフケ・リバース1は奴田原がSS3番手タイムの新井に2.1秒差をつけるベストタイムで首位に浮上。今回逆走ルートが採用されたSS9パウセカムイ・リバースは、奴田原に1.6秒差をつけた新井が制している。

最終SSを前に、2番手の奴田原と3番手新井のタイム差は0.4秒。最終ステージは6.12kmのオトフケ・リバース2、奴田原はわずか0.2秒ながら新井を上まわるベストタイムをたたき出し、2位表彰台を獲得してみせた。首位の勝田はベストタイムこそなかったものの、ミスなく走り切って、第3戦久万高原以来となるシーズン2勝目を飾った。初日から苦しみ続けたコバライネンは、9位で完走。この結果、最終戦を残してうれしいJN-1クラスチャンピオンを決めた。外国人ドライバーが全日本ラリー選手権のトップカテゴリーで王座に輝くのは史上初となる。

初日マシントラブルに見舞われた鎌田卓麻/松本優一(スバルWRX STI)が4位。ラリージャパンへの参戦を表明している福永修/齊田美早子(シュコダ・ファビアR5)は5位。6位には石川昌平/竹藪英樹(トヨタGRヤリス)が入った。

シーズン2勝目、昨年に続くラリー北海道2連覇を達成した勝田は「まさにチーム力による勝利です。多忙な中、テストや開発を続けてくれたチームに心から感謝しています。試行錯誤を繰り返しながら、その中で最適なセットアップを見つけて、厳しいラリー北海道に挑むことができました。彼らの頑張りに結果で応えられたことをうれしく思います」と、チームへの感謝を語っている。新井とのバトルを制した奴田原は「やっとクルマも壊れず、タイムが出せるようになりました。ただ、信頼性の足りない箇所がまだあるので、そこを潰していければ、プライベーターでもワークスと同じスピードで走れます」と、手応えを語った。2位まであと一歩届かなかった新井は「自分の走りは完璧でした。おそらく限界まで攻めた結果ですし、あれ以上は無理でした。ミスも一切ありませんでしたし、これで負けたら仕方ありません」と、納得の表情を見せている。

小倉雅俊/平山真理(ホンダ・シビック・タイプRユーロ)1台のみの参戦となったJN-2クラス。ライバル不在のため、プッシュすることなく、安全に3つのステージを無事に走り切った。小倉の全日本ラリー優勝はダイハツ・ブーンで参戦した2016年のラリー北海道以来となる。「あまり攻めていないので、不完全燃焼ですね。ただ、完走に向けて、これだけプレッシャーを感じたのは初めてです。今後の参戦は未定ですが、やはりグラベル中心ですね。まだこのクルマはトラブルが残っているので、そこを潰していくことになります」と、小倉はコメントしている。

JN-3クラスは、山本悠太/立久井和子(トヨタGR86)がオープニングのSS8で、前日まで首位の長﨑雅志/大矢啓太(トヨタGR86)を逆転。山本はこの日行われたすべてのステージでベストタイムを並べ、前戦カムイに続きグラベルラリー2連勝を果たした。18.8秒差でスタートした、加納武彦/横手聡志(スバルBRZ)と竹内源樹/木村悟士(スバルBRZ)による3番手争いは、竹内が2.4秒差にまで追い上げたものの、加納が逃げ切って3位表彰台を獲得。今回4番手に終わった竹内と山本によるタイトル争いは、最終戦ハイランドで決することになる。

タイトルの可能性がつながった山本は「初日にトラブルが発生して、もうダメかと思ったんですが、運が良かったですね。ここまでターマックでポイント稼げていなくて、グラベルでは2連勝ですから、分からないものです。チャンピオンの可能性がつながったので、ターマックのハイランドで優勝を狙っていきます」と、意気込みを語る。2位に終わった長﨑だが「新しいマシンでのラリーですし、結果には満足しています。ただ、特にデイ2は課題がたくさん見つかりました。結果としては悔しさもありますが、次に向けていい勉強になりました」と、笑顔を見せた。「頑張りました! いつもの1.5倍くらいのレベルで走って、ぎりぎり逃げ切れました。3回連続で表彰台ですし、いいシーズンになっていますね」と、加納は3位表彰台に喜びを爆発させた。

JN-4クラスは、前日首位の岡田孝一/河本拓哉(スズキ・スイフトスポーツ)は最終日も大きくペースを落とさず、待望のシーズン初勝利を手にした。2位はSS8でベストタイムを刻んだ香川秀樹/松浦俊朗(ホンダ・シビック・タイプRユーロ)。初日にエンジントラブルに見舞われた古川寛/吉田賢吾(スズキ・スイフトスポーツ)は、「1回くらいはベストを獲りたい」と語ってスタート。SS9で香川にわずか0.9秒差ながらもベストタイムを奪取し、3位表彰台を得ている。

今シーズンはなかなか思うようなラリーを戦えなかった岡田は、「デミオで参戦して以来の全日本勝利になります。今回は思い切って攻めることができましたし、グラベルラリーは攻めないと勝てないと実感しました。次のハイランドはターマックですが、ぜひ西川選手をやっつけたいです(笑)」と、打倒王者西川を宣言した。2位の香川は「今回は岡田選手のラリーでしたね。今回はチャンスがあるかと思ったんですが、全然勝てませんでした。このクルマもクルーも重いので、それがネックですね(笑)」と、岡田のスピードに賞賛を送った。3位の古川は「やっぱりエンジンにトラブルがあったのと、RJ仕様に作り替えて、まだ乗り慣れていない感じでした。ハイランドは分かりませんが、来年に向けてプログラムを考えているところです」と、来シーズンのリベンジを誓っている。

JN-5クラスは、前日2番手の渡部哲成/小藤桂一(トヨタ・ヤリスCVT)が、最初のステージで大倉聡/豊田耕司(トヨタGRヤリスRS)を逆転。SS9でも前日のリタイアから再出走にまわったチームメイトの小濱勇希/橋本美咲(トヨタ・ヤリス)に続くセカンドベストで、2番手大倉との差を3.2秒に広げて、最終ステージへと向かう。ところが、このままトップフィニッシュを果たすと思われた渡部が、SS10でオーバースピードからコースオフし、転倒。この結果、大倉がシーズン初勝利を手にした。昨年のラリー北海道に続き、笠原彰人/宗片さおり(トヨタ・ヴィッツ)が2位表彰台。3位に小川剛/梶山剛(トヨタ・ヤリス)が入った。また、4位で走り切った天野智之/井上裕紀子(トヨタGRヤリスRS)が、最終戦を前に9年連続(コ・ドライバーの井上は13年連続)のタイトルを決めている。

望外の勝利を獲得した大倉は「これもラリーですね。最後本当にプッシュして、道にとどまれたのは、一生懸命クルマを用意してくれたチームのおかげです。チーム体制も強化していただいて、素晴らしい環境でやらせていただいてます」と、チームへの感謝を語った。2位の笠原は「1日目が厳しい展開でも、長いスパンで考えて戦ったのが、良かったです。2日目も頑張ったことで、表彰台に上がれました」と、笑顔を見せた。

JN-6クラスは、初日首位の鷲尾俊一/鈴木隆司(マツダ・デミオ)が、海老原孝敬/原田晃一(トヨタ・アクア)の追い上げを振り切って、実に十数年ぶりとなる全日本ラリー選手権での優勝を手にした。すでにタイトルを決めている海老原は、2本のベストを刻んだものの、6.6秒届かず。今シーズン続けてきた開幕連勝記録は6でストップした。3位はベテランの中西昌人/有川美知代(マツダ・デミオ)が入った。

海老原を抑え切った鷲尾は2010年以来の優勝。「ドライバーが偉いのではなく、このクルマを作ってくれた人のお陰です。でも、次のハイランドも、どうせなら連勝したいですね(笑)」と、チームを称えている。シーズン初の2位となった海老原は「最後はプッシュしすぎました。あと少し足りませんでしたね。それでもグラベルの経験値が上がって、掘れた道でもペースを下げずに走れたのは良かったです」と、収穫を語っている。3位の中西は「私自身は十分走れました。これでグラベルのラリーが終わってしまいますが、最後に足まわりが決まった感じです。鷲尾さんの勢いがすごいので、次もデミオで頑張ります」と、同じマシンで戦う鷲尾を祝福した。

次戦は10月14日(金)~16日(日)にかけて、岐阜県高山市を拠点として行われる第8戦「第49回M.C.S.C.ラリーハイランドマスターズ2022」。2日間で12SS、SS距離65.50km、総走行距離374.26kmで争われる。すでにJN-3以外のチャンピオンが決まっており、初秋の舗装路を舞台に雌雄が決する。

(RALLY PLUS)

総合結果

順位 クラス ドライバー/コ・ドライバー 車名 タイム
1 JN1-1 勝田 範彦/木村 裕介 GR YARIS GR4 Rally 1:10:22.5
2 JN1-2 奴田原 文雄/東 駿吾 ADVAN カヤバ KTMS GRヤリス 1:10:30.7
3 JN1-3 新井 敏弘/田中 直哉 富士スバル AMS WRX STI 1:10:31.3
9 JN3-1 山本 悠太/立久井 和子 SammyK-oneルブロスYHGR86 1:19:19.0
10 JN5-1 大倉 聡/豊田 耕司 AISIN GR Yaris CVT 1:19:32.7
15 JN4-1 岡田 孝一/河本 拓哉 キーストーンナビゲーターDLスイフト 1:21:00.3
21 JN2-1 小倉 雅俊/平山 真理 ウエルマーDLWINMAX技研シビックR 1:22:34.0
31 JN6-1 鷲尾 俊一/鈴木 隆司 アストラルDLワコーITTZデミオAT 1:29:11.9

注)クラス区分については全日本ラリー選手権の基礎知識をご覧ください。

参考総合結果表: リザルト(PDF) リザルト(Excel)

ご注意:ここに掲載の本レポートおよび結果表等はJRCA/RALLY PLUSが独自に取材、入手したものでJAF公式発表のものではありません。従ってJRCA以外から発表されるそれらのものと若干異なる場合や誤りのある場合もありますので、あらかじめご了承のうえ参考資料としてご覧ください。

ダイジェスト動画

イベントフォト

JN-1クラス優勝 勝田 範彦/木村 裕介

JN-2クラス優勝 小倉 雅俊/平山 真理

JN-3クラス優勝 山本 悠太/立久井 和子

JN-4クラス優勝 岡田 孝一/河本 拓哉

JN-5クラス優勝 大倉 聡 /豊田 耕司

JN-6クラス優勝 鷲尾 俊一/鈴木 隆司