どんなクルマがどんなクラスで走っているの?

ターボ車、NA車、4WD車、2WD車など、様々な車両で参戦可能な全日本ラリー選手権は、性能が均衡するマシン同士で戦えるように「日本ラリー選手権規定」でクラス区分が定められています。2017年のクラス区分は2016年までとほぼ同様です。

2016kubunクラス区分は、排気量、駆動方式、車両規定の3つの要素を組み合わせたものとなっています。最高峰となるJN6クラスは4WD、JN5クラスは2WDと駆動方式により二分され、JN4クラスとJN3クラスは排気量によって分けられました。また、JN2クラスとJN1クラスは最も改造範囲が狭くマシンのコストが安価なRPN車両がまとめられ、JN1クラスにはハイブリッドや電気自動車などのAE車両が、駆動方式や車種を問わず組み込まれています。

なかでもJN5クラスには、2500cc以上の2WD車をベースとしたラリーカーのほかに、FIAが定めるラリー専用車両「グループR」に、国内で走行できるようにナンバーをつけたラリーRR車両(R1〜R3)が2016年から追加されました。グループR車両は、WRCをはじめ世界中のラリーで使われている入門車種ながら、シーケンシャルシフトやボディ形状の改造などが施された、生まれながらのラリカーです。昨年は、プジョー208 R2、アバルト500ラリーR3T、シトロエンDS3 R3-MAX、GT86 CS-R3(トヨタ86ベース)といったラリーカーが参戦し、その迫力の走りとサウンドが話題となりました。JN1クラスにはAE車両が組み込まれています。今年も新たな車種が参加する可能性もあります。

2017年 全日本ラリー選手権 クラス区分

過給器つき車両は排気量×1.7で換算した数値(ターボ係数)をもとに区分されます。

JN6:名実ともに国内ラリーの最高峰
WRX STIとランエボの戦いは健在


JN6クラスは、国内最高峰クラスとしてハイパワーターボ4WDがしのぎを削るクラスです。具体的には、WRC参戦時代からライバル対決を繰り広げてきたスバルWRX STI vs 三菱ランサーエボリューションによる対決は、現在も繰り広げられています。豪快にねじ伏せるような4WDターボはテクニックが要求され、ドライバーも国内外で活躍したベテランが中心ですが、最近では若手も少しずつ活躍してきています。

JN5:ポテンシャルの高いラリーRR車両に
ターボ2WD車両が挑む


JN5クラスは、2500cc超の2WDのRN&RJ車両とRR車両が戦っています。2016 年はトヨタ・ヴィッツGRMNターボ、プジョー208 GTi、MINI JCWなどのハイパワーFFマシンが参戦。ターボ車は排気量×1.7という係数がかかるため、いずれも2500cc超となっています。RR車両ではプジョー208 R2、シトロエンDS3 R3-MAX、アバルト500ラリーR3T、GT86 CS-R3などが参戦しています。

JN4:86&BRZを中心として
グラベルもターマックも戦う


JN4クラスの参戦車両は、1500cc超2000cc以下であれば駆動方式を問わないとされています。実際の主力車種は86&BRZで、熟成が進んだFRマシンはターマックのみならず、グラベルラリーでも参戦が増えています。ダイハツ・ブーンX4やシビック・タイプRといったマシンも参戦しています。今年は同じ86&BRZが中心のJN2クラスからクラスを移籍する選手もおり、実力者も揃ってますます目が離せなくなってきました。

JN3:最も街乗りに近いクルマながら
クラスを超えたスピードを秘める


JN3クラスは、1500ccまでのFFという最も身近なクルマが戦うクラスです。コンパクトで見切りがよく軽量なボディは、高いスピードを維持したまま走行できることから、ラリーによっては86&BRZなどの排気量が大きいマシンをも凌駕するタイムを刻むこともあります。車種のバラエティも豊かで、ベテランからビギナーまで様々なドライバーが集まる、玄人好みのクラスと言えるでしょう。

JN2:改造範囲やタイヤの規制が大きい
入門者向けクラスに実力者が集結


JN2クラスは、改造範囲が狭くタイヤの銘柄、使用可能本数などが少なめに設定されていることから、車両製作コストやランニングコストが低いRPN車両が中心のクラスです。主な参戦車両はやはり86&BRZですが、ラリーによってはJN4クラスの86&BRZを上まわるタイムでフィニッシュすることもあります。2016年から86&BRZの後期型が発売され、ラリーでの投入も楽しみな状態になってきました。

JN1:1600ccコンパクトスポーツが活躍
ハイブリッドやEVの参戦にも期待


排気量1600cc以下の2WDのRPN車両と、ハイブリッドや電気自動車などのAE車両が参戦できるのが、このJN1クラスです。JN2クラス同様、製作コストが低いため、2016年は多数の新型車両が登場。スズキ・アルトワークスや日産マーチNISMO Sといったラリー初参戦のクルマもお目見えしました。排気量が大きなスイフトスポーツに多様なマシンが挑むという下克上の構図は、今年も引き続き見ることができそうです。