NISSIN Rally丹後2018 Supported by Sammy

開催日時:4月27日(金)〜29日(日)
開催場所:京都府京丹後市
スペシャルステージ本数:12本
スペシャルステージ総距離: 80.68km
ラリー総距離: 279.05km
SS路面:ターマック
SS路面状況:ドライ
ポイント係数:1.0

全日本ラリー選手権第3戦NISSIN Rally丹後2018 Supported by Sammyが4月27日(金)から29日(日)にかけて行われ、スバルWRX STIの勝田範彦/石田裕一が今シーズン初勝利を達成した。2位は鎌田卓麻/市野諮(スバルWRX STI)、3位には福永修/齊田美早子(三菱ランサーエボリューションⅩ)が入賞した。

レグ1

丹後半島の内陸部を舞台としたラリーは、場所によって道幅や路面が大きく変化する難しいステージ。状況に合わせたドライビングの切り替えと、対応力が求められる。ラリーがスタートすると、前戦悔しい結果となった鎌田がSS1、SS3、SS4とベストタイムを刻んでラリーをリード。2番手につけた勝田との差を徐々に広げていく。しかし勝田もSS5を制して逆転。0.6秒という僅差ながら、ラリーリーダーに立つと、続くSS6でもベストタイムをマークして、差を1.6秒とした。勝田は「明日もしっかり勝負して、この位置を守りたいと思います」と、シーズン初勝利を視野に入れたコメントを残した。

JN5クラスは今シーズン初出場となる小濱勇希/草加浩平(シトロエンDS3 R3-MAX)がトップ。2番手の眞貝知志/安藤裕一(トヨタGRMNヴィッツ)に50秒以上の差をつけて盤石の構えで2日目に臨む。「だんだん運転の正解が分かってきた気がします。まだドライビングで気づいたことがあったので、明日も頑張ります」と、明日に向けての意気込みを語っている。2番手の眞貝は、今回が初投入となるGRMNヴィッツで挑むが、車両特性を完全には把握しきれていないようだ。「クルマは好調に走ってくれ、トラブルの類は一切ありません。でも、このクルマが出すべきタイムには達していませんし、まだまだ行けると思います」とポテンシャルの高さを強調した。

JN4クラスは2台のトヨタ86によるバトル。山口清司/山本磨美が山本悠太/北川紗衣を5秒リードして初日を終えている。序盤リードしていた山本を午後になって逆転した山口は、「サービスでバネとセッティングを変えたことで、だいぶ良くなりました。ペースも上がりましたね。山本選手とは楽しいバトルになっています。リズム良く走れていますので、明日も落ち着いて頑張ります」と、この日を振り返った。JN4クラスは3番手に香川秀樹/松浦俊朗のホンダ・シビックタイプR(FD2)、4番手に西川真太郎/本橋貴司のスズキ・スイフトスポーツ(ZC33S)が続いている。また、天野智之/井上裕紀子はJN3クラスが不成立となったため、JN4クラスに編入されることに。「完走を目指しながら、色々と試しています。明日は別のタイヤを試して、他のクラスとのタイム差をみていきたいですね」と淡々と語った。

JN2クラスはスバルBRZの鈴木尚/鈴木裕がリード。前戦で勝利を挙げた明治慎太郎/北田稔(トヨタ86)に20秒以上の差をつけて首位に立っている。鈴木は「運が良かった面もあったと思いますが、まだ安心できる差ではないので、明日も気を引き締めて走ります」と、さらなる好走を誓う。

JN1クラスはホンダ・フィットの小川剛/佐々木裕一がトップ。SS1でのフライングペナルティが響き10.6秒差の2番手に伊藤隆晃/大高徹也(日産ノートNISMO S)という接戦。セクション1トップの古川寛/廣田幸子(スズキ・スイフトスポーツ)は、TC6で遅着ペナルティを受け1分15秒7差の4番手。3番手にはポイントリーダーの三苫和義/遠藤彰(ホンダ・フィット)が浮上している。セクション1トップの古川をSS4で逆転しクラス首位に立った小川は、「タイヤの空気圧を調整して、1周目よりもグリップが上がりました。前回のように逆転されないように頑張ります」と、手応えを語っている。

レグ2

競技最終日は、SS7〜12の6SS、35.18km。前日のSS2カ所をリバースステージとして使用し、道の駅丹後王国の敷地内に設けられたギャラリーステージを加えた3SSを2度走行する設定となっている。この日の注目はやはりJN6クラスのトップ争い。勝田と鎌田の差はスタート時点で1.6秒と、気の抜けない状況が続いている。

この日最初のSS7を獲ったのは勝田。鎌田を0.1秒だが上回るベストタイムをマークしプレッシャーをかけていく。しかし鎌田も負けずにSS8で一番時計。これで勝田との差を0.8秒とした。SS9は勝田が鎌田のタイムを上まわり、これで差は1.4秒に広がることに。さらに勝田は続くSS10でベストタイムをマークしてその差を4.0秒とし、逃げ切りを狙う。しかし鎌田も踏ん張り、SS11で同タイムのベスト。勝負は最終SSに持ち越されたが、0.36kmの最終SSでは鎌田の逆転ならず、3.8秒差で勝田が勝利を収めることとなった。これで勝田は今シーズン初勝利。僅差で敗れた鎌田だが、SS7でのフライングによりペナルティ10秒が加算され、最終的には13.8秒差での2位となった。

JN5クラスはシトロエンDS3 R3-MAXの小濱勇希/草加浩平が初日のリードをさらに拡大して今季初出場で初勝利を得た。「デイ1は調子良く走れたんですが、デイ2は周囲も速くなったことで、あまり大きく差がつきませんでした。周囲も進化していると感じたラリーでした。次の久万高原ラリーは、自分の地元愛媛です。ターマックからグラベルに変わりますが、連勝を狙いたいと思っています」と小濱。2位にはGRMNヴィッツを投入した眞貝知志/安藤裕一。眞貝は「ニューマシンのデビュー戦できっちり完走できて、本当に良かったと思います。車両の不具合はまったくなく、今後、速さを突き詰めることに集中できるので楽しみです。次はこのクルマにとって初のグラベルラリーです。色々なことが起きると思いますが、チームと一緒に戦っていきたいです」、と新しい車両に大きな手応えを得たようだ。3位にはプジョー 208 R2の横嶋良/木村祐介が入っている。

山口清司/山本磨美、山本悠太/北川紗衣というトヨタ86同士のバトルとなったJN4クラスは、2日目に山本が6SS中5SSでベストタイムをマークする力走を見せて逆転優勝。今季初勝利を飾った。3位にはスズキ・スイフトスポーツ(ZC33S)の西川真太郎/本橋貴司が初表彰台を獲得している。山本は、「1秒を争う緊迫した展開でした。午前中に逆転して、なんとか持ちこたえることができました。落ち着いて走れたことが一番の勝因だと思います。丹後の道は初めてでしたが、大きなミスなく走れました」と笑顔でラリーを振り返った。

JN3クラスは天野智之/井上裕紀子(トヨタ・ヴィッツGR SPORT“GR”)が優勝。JN3クラスのレッキ受付台数が規定台数に満たなかったためクラス不成立となりポイントはつかないものの、収穫の多いラリーとなったと語る。「色々とタイヤを変えたりして、いいテストになっています。2日目のセットアップが良かったので、今後の方向性が見えてきました。グラベルになると僕のような小さなクルマでも上位に行けるので、総合でも目立ったポジションを獲れるように頑張りたいです」と、天野は次戦以降への意気込みを見せた。

JN2クラスはスバルBRZの鈴木尚/鈴木裕が初日のリードを活かして逃げ切り勝利。明治慎太郎/北田稔(トヨタ86)を20秒差で押さえ込んだ。3位はTGRRCから全日本ラリー選手権にステップアップしたトヨタ86の長﨑雅志/秋田典昭。優勝した鈴木尚は、「JN2初優勝です。うれしいです。トラブルはなかったのですが、長くてタフなラリーでした。色々な路面を楽しめて、充実したラリーでした」とコメントしている。

JN1クラスはホンダ・フィットの小川剛/佐々木裕一が逃げ切って今季初勝利を挙げた。25秒差の2位には伊藤隆晃/大高徹也(日産ノートNISMO S)、3位は三苫和義/遠藤彰(ホンダ・フィット)が入っている。今シーズン初優勝の小川は「気の抜ける箇所のないラリーだったので、集中力を欠かないように注意しました。次の久万高原に向けて、マシンをしっかり準備して、僕自身も練習して挑みたいです」と、手応えを語っている。SS1でフライングを喫した伊藤は「我慢のラリーとなってしまいました。次の久万高原は初めてのグラベルラリーになります。スタートまでにしっかり準備して臨みます」

(RALLY PLUS)

総合結果

順位 クラス ドライバー/コ・ドライバー 車名 タイム
1 JN6-1 勝田範彦/石田裕一 ラックSTI 名古屋スバル DL WRX 1:00:06.1
2 JN6-2 鎌田卓麻/市野諮 itzz DL SYMS WRX STI 1:00:19.9
3 JN6-3 福永修/齊田美早子 555☆OSAMU・F☆DLランサー 1:00:31.7
7 JN5-1 小濱勇希/草加浩平 KYB DUNLOP DS3R3TMAX 1:02:10.8
9 JN4-1 山本悠太/北川紗衣 Sammy☆K-one☆ルブロスYH86 1:03:01.3
12 JN2-1 鈴木尚/鈴木裕 スマッシュDL itzzコマツBRZ 1:03:16.9
17 JN3-1 天野智之/井上裕紀子 豊田自動織機・DL・ヴィッツ 1:04:31.8
23 JN1-1 小川剛/佐々木裕一 itzz ADVAN AN Fit 1:05:31.1

注)クラス区分については全日本ラリー選手権ガイダンスをご覧ください。

参考総合結果表: リザルト(PDF) リザルト(Excel)

ご注意:ここに掲載の本レポートおよび結果表等はJRCA/RALLY PLUSが独自に取材、入手したものでJAF公式発表のものではありません。従ってJRCA以外から発表されるそれらのものと若干異なる場合や誤りのある場合もありますので、あらかじめご了承のうえ参考資料としてご覧ください。

ダイジェスト動画

2018年 全日本ラリー選手権 第3戦 丹後

イベントフォト

JN6クラス優勝 勝田範彦/石田裕一

JN5クラス優勝 小濱勇希/草加浩平

JN4クラス優勝 山本悠太/北川紗衣

JN3クラス 天野智之/井上裕紀⼦

JN2クラス優勝 鈴木尚/鈴木裕

JN1クラス優勝 小川剛/佐々木裕一