久万高原ラリー

開催日時:4月29日(金)〜5月1日(日)
開催場所:愛媛県久万高原町
スペシャルステージ本数:8本
スペシャルステージ総距離:105.27km
ラリー総距離:341.60km
SS路面:ターマック
SS路面状況:ドライ
ポイント係数:1.2

全日本ラリー選手権第3戦久万高原ラリーは5月1日の競技最終日を終え、トヨタGRヤリスの勝田範彦/木村裕介がJN-1クラスで今季初優勝を果たした。2位にはシュコダ・ファビアR5の福永修/齊田美早子、3位にはスバルWRX STIの新井敏弘/田中直哉が入っている。

第3戦は、第2戦唐津から約3週間というインターバルで開催された。ラリーは昨年同様、尾根を走るステージは使わず、森の中を駆けるワインディングロードが主体となる。昨年はJN-1クラスで多くの選手がタイヤの摩耗に苦しんでおり、タイヤマネージメントも重要なポイントとなる。競技初日は2SSを3回走行し、それぞれの間にサービスを挟むというスケジュール。SS距離は6SS合計で61.95kmという構成となっている。コースそのものは昨年と同様だが、前日のレッキでは降雨に見舞われ、各選手とも天候の推移をみながらスタートに備えることとなった。競技初日は一転して晴天に恵まれ、路面はところどころに濡れた箇所が残るものの、ほぼドライという状況となった。

また、JN-1クラスはそれまでの戦績に応じて性能調整が加えられるため、今大会における最低重量は下記のようになる。
前戦1位:ヘイキ・コバライネン(シュコダ・ファビアR5)1280kg
前戦2位:奴田原文雄(トヨタGRヤリス)1268kg
前戦3位:勝田範彦(トヨタGRヤリス)1268kg
前戦リタイア:福永修(シュコダ・ファビアR5)1230kg

レグ1

12台がエントリーしたJN-1クラスは、コバライネンが最初のループで2連続ベストタイムをマーク。今大会も圧倒的なスピードを見せるかと思われたが、SS3でブレーキングが遅れたため、右リヤを土手にヒットしてしまう。これでパンクを喫し、サスペンションにもダメージを負うことに。続くSS4ではフィニッシュ直前の段階でサスペンションが音を上げてしまった。コバライネンはSSフィニッシュ後にマシンを修理してサービスまで戻ろうとしたが、たどり着くことができずにレグ離脱となった。

これでトップに立ったのは、2番手につけていた勝田。SS3、SS4とベストタイムをマークし、2番手につける福永との差を31.1秒まで拡大している。福永も残るSS5、SS6を一番時計でまとめ、わずかながら勝田との差を詰めることに成功、24.6秒差で初日を終えた。3番手にはコンスタントにタイムを並べた鎌田が入るが、その1.5秒背後には、同じくスバルWRX STIの新井敏弘/田中直哉がつける接戦となった。前戦2位に入っている奴田原文雄/東駿吾は2度のギヤボックストラブルに見舞われ、不完全燃焼の1日に。なお、チームはSS2後とSS4後の30分サービスで2回ともギヤボックス交換を行っており、いずれも時間内にマシンを送り出している。
勝田は「今回から255幅のタイヤを使っていますが、かなりフィーリングがいいし、摩耗的にも悪くないですね。2ループ目では、ちょっとプッシュしすぎて危なかったです。2~3回スピンしかける瞬間がありました。それでも今回はSS1から出遅れず、いい走りができました。明日も新品のタイヤが使えるので、1本目でプッシュして、様子を見ながら走るつもりです」と笑顔を見せつつ、後続との差は十分ではないと警戒する。2番手の福永は「最初のループでタイヤを大外ししてしまったのが痛かったです。SS5と6はヘイキ選手がいないから出せたベストタイムですね。自分の中では、もっと行かなければならないと思っています。勝田選手とは少し離れてしまっていますが、もちろんやるだけのことはやります」と、最終日に向けて意気込みを語る。3番手につけている鎌田は「クルマの方は順調で、セットアップもいい方向です。僕らのパッケージなりには上出来かと思います。今日はタイヤを6本使ったので、明日に向けて4本残しています。1ループ目からマックスのスピードを出せている点は、ポジティブですね」と手応えを語っている。

JN-2クラスは中平勝也/島津雅彦(トヨタGT86 CS-R3)がトップ。2番手にはトヨタGRスープラのAKIRA/美野友紀。栗原誠次/八塚勝博(日産フェアレディZ)は不出走となり、前戦に続き実質的に2台での争いとなった。首位の中平が6連続ベストタイムでまとめ、リードを拡大。一方のAKIRAはブレーキの違和感に悩まされた部分もありつつ、初日を終えている。
首位の中平は「1ループ目はグリップするかしないか、コーナーに入るまで分からないところがあり、かなりヒヤヒヤしながら走りました。タイヤをスムーズに使って、きれいに曲がることにトライしています。明日は今日のステージの逆走ですが、左ハンドルだと山側で見通しが悪くなるので、ブラインドになる部分には注意しながら走ります」と、初日の走りを振り返った。2番手のAKIRAは、「楽しくは走れましたが、タイムに繋がりませんね。クルマはエンジンの制御など含め、ずいぶん良くなったんですが、それを活かし切れませんでした。まだブレーキを踏んだ時に違和感があって、効く時と効かない時がある。それがちょっとストレスです」と、課題を語っている。

前回の唐津ではトップ5が接戦を見せたJN-3クラスは今回も接戦となり、スバルBRZの久保凜太郎/山本磨美が首位に立った。2番手には新型スバルBRZの竹内源樹/木村悟士、3番手には今大会からトヨタGR86を投入した山本悠太/立久井和子、4番手にはトヨタ86の山田啓介/藤井俊樹というオーダーとなった。序盤ラリーをリードした山口清司/丸山晃助(トヨタ86)はSS4でコースアウトを喫し、リタイアとなっている。このJN-3クラスでは、SS1でトヨタ86の平川真子/藤田めぐみが横転。後続の選手にはノーショナルタイムが与えられることとなった。
6SS中3SSでベストタイムをマークした久保は「1ループ目はペース配分がうまくいかず、2ループ目、3ループ目は配分を考えて走りました。3ループ目はぎりぎりタイヤも保ちましたし、竹内選手にやられるかと思ったんですが、なんとか耐えられました」と、コメント。「久保選手が速かったですね」と語る2番手の竹内は、「序盤はウエットや泥を気にしてしまいましたが、勝負権を失ったタイム差ではありませんし、明日は明日で仕切り直しなので、コンスタントに攻めていきます」と淡々。すでに昨年の久万高原で新型BRZを投入しており、データの蓄積というアドバンテージをもって最終日に臨む。一方、このラリーがGR86のほぼシェイクダウンという状態の山本は、「若干トラブルが出たりしましたが、クルマのことは徐々に分かってきました。まだ2.4Lの旨味を出せていませんね。新型のボディ剛性をコーナーなどで活かせていません」と、3番手ながら難しい表情を見せる。

スズキ・スイフトスポーツ3台のバトルとなったJN-4クラスは、西川真太郎/本橋貴司がトップ。2番手に岡田孝一/河本拓哉、3番手に鮫島大湖/船木佐知子という順位になっている。SS1は全車がノーショナルタイムとなったため、実質的に5SSでの戦いとなったが、西川がSS5まで4連続ベストタイムをマーク。SS6では岡田が一矢報いたものの、最終的に西川が16.2秒差のリードを築いて初日を終えた。鮫島はSS3後の段階まで2番手につけていたが、ドライ路面にタイヤが合わない部分もあり、後半岡田に逆転を許してしまった格好だ。
西川は「SS6では調子に乗ってハーフスピンをしてしまいました。新しいセットアップと、クルマと自分の軽量化でバランスが良くなったと思います。今回からホイールを17インチに変更してきましたが、まだまだ使い切れていない感じですね。明日はもうちょっとペースアップして、1位を守りたいです」とコメント。2番手の岡田は「1ループ目でウエットタイヤを履いて失敗してしまいました。SS4はがむしゃらに頑張って、なんとか2番手に上がり、最後はやっとドライタイヤで元気よく走れました」と笑顔を見せた。3番手の鮫島は「セッティングを見直してきた部分が、良い方向に出ています。ドライタイヤで思うようにペースを上げられませんでした。ちょっと足踏みしてしまった感じで、悔しいですね。明日は頑張って集中していきます」と、最終日への意気込みを語った。

JN-5クラスはトヨタGRヤリスRSの天野智之/井上裕紀子がトップ。2番手にはトヨタ・ヤリスCVTの渡部哲成/橋本美咲、3番手には、マツダRX-8の藤原直樹/中嶋健太郎がつけている。藤原はTRDヴィッツチャレンジの2003年チャンピオンで、今年からドライバーとして全日本ラリーに初参戦。このクラスもSS1ではノーショナルタイムが与えられており、5SSでバトルが展開された。ここまで2連勝の天野はSS2〜SS6まで5連続ベストタイムを刻み、2番手の渡部に17.4秒のリードを築いている。
トップを走る天野は「ちょっと自分のミスが多く、コースアウトしかけて右リヤをヒットしてしまいました。一度失速してしまうと再加速に時間がかかるので、ロスが大きいですね。明日は20km以上のステージですが、上り主体ですし、20秒以内では簡単にひっくり返ってしまう差なので、引き続き頑張ります」と、気を引き締める。2番手につける渡部は「ステージごとに、天野選手との差を縮めてきてはいるんですが、まだ先行を許していますね。明日は40kmあるので、1kmあたり0.5秒詰めることができれば、まだ勝機はあると思っています」と、逆転に向けて意気込みを見せる。3番手につけている藤原は、「路肩から掻き出された砂利がかなり出ていたので、最初は慎重に走りました。ドライ仕様に変えてから安定感が出て、抜群にクルマの動きが良くなりました。明日はタイヤをどう保たせるかですね」と、初日を振り返った。

4台がエントリーするJN-6クラスは、トヨタ・ヴィッツCVTの海老原孝敬/蔭山恵が好走を見せて、クラストップに立っている。2番手にはトヨタ・ヤリスCVTの佐藤セルゲイビッチ/保井隆宏、3番手にはマツダ・デミオの中西昌人/有川美知代という順位。4番手には同じくマツダ・デミオの鷲尾俊一/鈴木隆司が続いている。SS1はノーショナルタイムが与えられており、残る5SSを海老原が制している。
開幕戦の新城、第2戦の唐津で連勝している勢いをつなげたい海老原は、「SS2はクルマのバランスが悪かったのですが、セッティングを変えて、すごく良くなりました。明日はドライで走れそうなので、雨の中で難しかった去年よりも楽しめそうです。あとはタイヤの空気圧をどう調整するか考えています」とコメント。2番手の佐藤は「ここまで3戦とも違うコ・ドライバーで、色々と吸収させてもらっています。保井選手のアドバイスやCVTのロス、タイヤなど、それらを共有できた点は大きかったです。長いSSでもクルマの変化を感じながら走りたいです」と、充実の表情を見せた。3番手の中西は、「前半は制御が入ってしまい、エンジンが全然吹けなくなってしまいましたね。途中でセッティングを変えたのが裏目に出てしまったので、明日は思い描いたセッティングになるよう、また変更して挑みたいと思います」と、やや不完全燃焼の様子で初日を振り返った。

レグ2

競技最終日は21.66kmのロングSSを、サービスを挟んで2度走行する43.32km。初日に走行した2SSを連結し、逆走で走ることとなる。わずか2SS、しかも長距離ステージではリカバリーの難しくなるため、セットアップやタイヤ選択のミスは許されない。天候は曇りだが、雨の降り出す気配はない。初日にレグ離脱したヘイキ・コバライネン/北川紗衣(シュコダ・ファビアR5)、平川真子/藤田めぐみ(トヨタ86)はマシンを修理し、この日再走を果たした。

JN-1クラスは、いずれのステージも再出走を果たしたコバライネンがベストタイムをマーク。他を寄せ付けない圧倒的なスピードで、この日のレグポイント3点を獲得した。また、オープニングステージのSS7では、福永がSS2番手タイムを刻み、前日を終えた段階で24.6秒あった勝田との差を15秒まで縮めることに成功した。このSS7では、鎌田卓麻/松本優一が駆動系トラブルに見舞われてマシンをストップ、惜しくもリタイアを喫してしまうこととなった。代わって新井が3番手に浮上している。最後のステージとなったSS8では福永がパンクを喫してしまい、大きくタイムロス。ポジションは守ったものの、3位の新井とはわずかに1.8秒差という薄氷の2位となった。

首位の勝田は、リズムに乗り切れない部分も見せながらも、2SSをそれぞれ3番手タイム、2番手タイムで走り切り、今シーズン初優勝を獲得した。「1本目よりは2本目の方がリズム良く走れました。ヘイキ選手がリタイアしたラリーでしたが、やっと勝てましたね。唐津が終わってからタイヤや駆動系のテストができました。良い準備でラリーに挑めていることに、チームに感謝しています。ただ、自分が思ったほどタイムが出ていないところもあったので、エンジニアと相談して丹後に挑みたいと思います」と、今回の手応えを語った。2位の福永は「SS7はアンダーステアがキツい感じがしていましたが、SS8は限界まで攻めることができました。ただ、カットしてタイヤをバーストさせてしまいました……。今後はもったいないミスを減らしたいですね。丹後は昨年も勝っているので、いい形でフィニッシュしたいと思います」と、次戦への展望を語る。3位の新井は今季初表彰台。「今までとまったく違うセッティングにして、走りやすくなりました。次の丹後も頑張ります。SS7で競り合っていた鎌田選手が止まっているのが見えて、ちょっと集中力を欠いてしまいましたね」と、振り返っている。

JN-2クラスでは、中平勝也/島津雅彦(トヨタGT86 CS-R3)が3連勝を決めた。トヨタGRスープラのAKIRA/美野友紀も2位で完走を果たしている。中平はSS7でスローパンクチャーに見舞われてペースを落とすものの、SS8ではきっちりと走り切って勝利をものにした。AKIRAもSS8では30秒ほどのタイムアップを果たして、完走している。
優勝した中平は、「3勝目、うれしいです。マシンのテストという意味でも、スキルの幅を広げるという意味でも色々と収穫の多いラリーでした。SS7ではスローパンクチャーもありましたし、このステージはブレーキに厳しく、途中までしか左足ブレーキを使えませんでした。あとはできれば、もっと台数が増えてくれればいいんですけどね。ちょっと寂しいので」とコメント。2位に入ったAKIRAは「ブレーキはダンパーの調整で沈み込みを強くしたら、乗りやすくはなりましたが、今度は切り返しとかのバランスが難しくなってしまったので、引き続き調整したいですね。ステージは砂や泥が出ていたけれど、昨日よりいいかなと思います。気持ち良く走れました」と笑顔を覗かせた。

新旧のスバルBRZ、トヨタGR86、トヨタ86が鎬を削るJN-3クラスは竹内源樹/木村悟士が新型スバルBRZでの今季2勝目を獲得。2位にはトヨタ86の山田啓介/藤井俊樹、山田から4.4秒遅れの3位にトヨタGR86の山本悠太/立久井和子が入っている。SS7では、新品タイヤを投入した山田がベストタイムをマーク。竹内もSS2番手タイムを刻み、クラス首位に立つ久保凜太郎/山本磨美(スバルBRZ)にプレッシャーをかける。最終SSを前にして、久保と2番手竹内の差は2秒、SS7でスピンを喫してしまった3番手の山本と4番手山田の差は5.4秒となっていた。竹内は最終SSに向けて新品タイヤ4本を投入し、再びSS2番手タイムをマーク。一方の久保は痛恨のコースアウトを喫してしまいリタイアに。これで竹内がシーズン2勝目を挙げることとなった。最終SSを制した山田が2位、山本が3位となった。
竹内は「今シーズン2勝目ですが、今回1本もベストを獲得できていないんです。厳しい戦いでしたが、ペースをキープして、勝負権を失わず最後まで走れました。クルマも仕上がってきているので、ターマック2戦ではしっかり勝ちたいですね。次は丹後ですが、去年、一昨年と連勝しているので、3連勝を目指します」と、クルマの着実な進化を思わせるコメント。最後の最後に新品タイヤを残す戦略もピタリとはまったかたちだ。2位の山田は「2連続ベストを獲得できました。昨日悔しい思いをした分、コ・ドラとふたりで昨晩考えて、監督からもアドバイスを頂いて、吹っ切れたといいますか。今まで以上のレベルの走りがずっとできた気がします。これを次につなげたいです」と、笑顔で振り返った。3位の山本は、「時折エンジンが吹けないトラブルがあるので、その改善とセッティングも含めて、今後に向けてやれることは見つかりました。問題点を洗い出して次に臨みます」と、新型マシンでの初陣をまとめた。

JN-4クラスはスズキ・スイフトスポーツ3台による争い。SS7でベストタイムをマークした西川真太郎/本橋貴司が、ポジションを守り切り、9秒差で今シーズン初勝利を獲得した。2位にはSS8を制した岡田孝一/河本拓哉、3位に鮫島大湖/船木佐知子が入っている。
勝利を挙げた西川は「自分が好きな道なので気持ち良く走れましたが、後半はブレーキが厳しかったです。それでもなんとかポジションを守って戻って来ることができました。丹後では17インチ化によるドライビングの変化に、私自身がもっと合わせていきたいです」と語る。「ラストは思い切り走りましたので、満足しました」という2位の岡田は、「SS7が不甲斐なかったな。もう少し行けた気がします。最後はダンパーのセッティングを変えて、走りやすくなりました。やっとスイフトでのセッティングが出てきました」と、クルマへの手応えを感じている様子だ。3位の鮫島は「昨日のサービスで減衰力を変えて、クルマの頭を動きやすくしました。なんとか最後の1本で感覚をつかめましたが、完敗ですね。クルマのセッティングをもっと理解して、丹後に挑みます」と次戦に向けて気持ちを切り替えた。

JN-5クラスは、トヨタGRヤリスRSの天野智之/井上裕紀子がシーズン3勝目を獲得。2位にはトヨタ・ヤリスCVTの渡部哲成/橋本美咲、3位には同じくトヨタ・ヤリスCVTの小川剛/梶山剛が入る結果となった。4位はマツダ・デミオの本名修也/湊比呂美。前日3番手につけていた藤原直樹/中嶋健太郎(マツダRX-8)はクラス3番手相当のタイムでフィニッシュするも、ペナルティによりクラス5位でラリーを終えている。SS7では渡部が一番時計。SS2番手タイムの天野を15.9秒引き離して、総合タイムで天野の1.5秒背後に迫る力走を見せた。しかし無理がたたったか、渡部のヤリスはSS7後のサービス前にエンジンオイル漏れの症状が発生。渡部と橋本はクルマを押して無事にTCインを果たしている。最終SSは天野が圧倒的とも言えるベストタイムでフィニッシュ、最終的に25.4秒差で勝利をものにした。
天野は「SS7の後にセッティングを変えて制御の介入を抑えるようにしたら、タイムが一気に上がりました。クルマの状態が違うだけで、こんなにタイムが違う(44.2秒短縮)のかって感じです。コーナリングよりも制御を重視するのは最近のクルマの鉄則ですね。勉強になりました」と、ラスト2本の走りを振り返った。2位の渡部は「まだまだということですね。SS7は良い感触だったんですが、まさかまさかの2本目でした。エンジンは無事に直っていて、チームに感謝です。丹後に向けてもっと精進しないといけないと実感しています」と、悔しさをにじませた。3位となった小川は「SS7では新しい走り方に挑戦したんですけど、スピンしかけてしまいました。タイヤも含めて次につながるラリーになったと思います。丹後は天気と路面とセッティングと、頭で理解して実践できるようにしたいですね」と、今シーズンから乗り換えたヤリスCVTの理解を深めたいと語った。

トヨタ・ヴィッツの海老原孝敬/蔭山恵が勝利を挙げたJN-6クラス。2位はトヨタ・ヤリスCVTの佐藤セルゲイビッチ/保井隆宏、3位にマツダ・デミオの中西昌人/有川美知代が入った。海老原はこの日も危なげなく2SSをベストタイムでまとめ、開幕戦から負けなしの3勝目と好調ぶりを発揮している。
海老原は「SS7ではとても気持ち良く走れましたが、SS8でフレッシュタイヤを投入してもう一段階タイムアップができました」と笑顔。「今回のラリーに向けてセッティングを出してきたつもりだったのですが、実際に走ってみて、まだまだ読めない部分も多かったので、色々と考えて丹後に挑みたいと思います」と、次戦に向けて語った。2位の佐藤は「今日はリヤのタイヤサイズを205から195に変えてタイムが良かったので、リヤのグリップを下げた方が合っているのかもしれません。色々なパターンでテストができ、体感的にも得られることが多かったです」とコメント。佐藤はこのラリーの翌々日に富士スピードウェイで行われたFIA-F4に参戦。第1戦でインディペンデントカップ3位を獲得している。3位の中西は、「なんとか表彰台を確保できてホッとしています。SS7では中間地点でペースノートをロストしてしまいました。半分くらいまでは良かったんですけどね。悪かった箇所を修正して、セッティングを煮詰めていきたいですね」と語っている。

次戦は5月20日〜22日にかけて、京都府京丹後市を拠点として行われる「ラリー丹後」。丹後半島を舞台とするターマックラリーで、丹後縦貫林道を使った12SS、SS距離108.08km、総走行距離291.07kmで争われる。京丹後森林公園スイス村にはギャラリーステージが設けられる予定だ。昨年は福永修/齊田美早子のシュコダ・ファビアR5が優勝しており、次戦の走りに期待がかかる。今回の結果を受けて上位3台の最低重量に加算されるウエイトは、勝田が+30kg、福永が+20kg、新井が+10kgとなる。

(RALLY PLUS)

総合結果

順位 クラス ドライバー/コ・ドライバー 車名 タイム
1 JN1-1 勝田範彦/木村裕介 GR YARIS GR4 Rally 1:21:34.3
2 JN1-2 福永 修/齊田美早子 アサヒ☆カナックOSAMU555ファビア 1:22:29.2
3 JN1-3 新井敏弘/田中直哉 富士スバル AMS WRX STI 1:22:31.0
8 JN3-1 竹内源樹/木村悟士 YH CUSCO 大阪冷研 BRZ 1:27:01.7
10 JN2-1 中平勝也/島津雅彦 DL SYMS R-ART 86 R3 1:27:57.9
13 JN4-1 西川真太郎/本橋貴司 el・DL・正和・ANIKI スイフト 1:29:21.4
16 JN5-1 天野智之/井上裕紀子 豊田自動織機・DL・GRヤリスRS 1:29:34.4
23 JN6-1 海老原孝敬/蔭山 恵 スマッシュ DL itzz ヴィッツ 1:37:09.5

注)クラス区分については全日本ラリー選手権の基礎知識をご覧ください。

参考総合結果表: リザルト(PDF) リザルト(Excel)

ご注意:ここに掲載の本レポートおよび結果表等はJRCA/RALLY PLUSが独自に取材、入手したものでJAF公式発表のものではありません。従ってJRCA以外から発表されるそれらのものと若干異なる場合や誤りのある場合もありますので、あらかじめご了承のうえ参考資料としてご覧ください。

ダイジェスト動画

イベントフォト

JN1クラス優勝 勝田範彦/木村祐介

JN2クラス優勝 中平勝也/島津雅彦

JN3クラス優勝 竹内源樹/木村悟士

JN4クラス優勝 西川真太郎/本橋貴司

JN5クラス優勝 天野智之/井上裕紀子

JN6クラス優勝 海老原孝敬/蔭山恵