モントレー2017 in 嬬恋

開催日時:6月8日(木)〜11日(日)
開催場所:群馬県嬬恋村、長野県須坂市
スペシャルステージ本数:16本
スペシャルステージ総距離:74.198km
ラリー総距離:387.506km
SS路面:ターマック
SS路面状況:デイ1 ドライ/ウエット、デイ2 ドライ
ポイント係数:1.0

全日本ラリー選手権第5戦「モントレー2017 in 嬬恋」が6月10日(土)〜11日(日)に行われ、初日首位に立った新井敏弘/田中直哉(スバルWRX STI)がそのままトップの座を守り切って優勝し、モントレー3連覇を達成した。

群馬県嬬恋村に位置するパルコールつま恋リゾートを拠点としたモントレーは、例年8月末に行われてきたが、今年は梅雨入り直前にあたる6月上旬に開催時期を変更。10日(土)の朝、晴れ晴れとした青空のもと、多くのギャラリーに見守られてセレモニアルスタートが行われ、午前のセクションはドライ路面だったものの、午後から突然の雨や霧などの天候変化に見舞われ、今年もやはり“雨のモントレー”という異名が現実のものとなってしまった。

デイ1

JN6クラスは、地元の新井がオープニングからの4カ所のSSで連続ベストタイム。午後のセクションもSS6、SS7でベストタイムを連発し、デイ1を首位で折り返す。2番手は、終盤で追い上げを図った奴田原文雄/佐藤忠宜(三菱ランサーエボリューション)が、一時は7.1秒差まで広がっていた新井との差を2.8秒まで縮め、2日目の逆転に望みをつないだ。3番手は、序盤からタイムが伸びず我慢のラリーが続いていた勝田範彦/石田裕一(スバルWRX STI)が、一時は7番手まで落ちていたポジションを終盤のSS8で挽回して一気に3番手に浮上。以下、勝田に9.2秒差の4番手の鎌田卓麻/市野諮(スバルWRX STI)、その鎌田に4.0秒差の5番手には竹内源樹/加勢直毅(スバルWRX STI)、さらに0.9秒差の6番手に村瀬太/宮部弘陽(三菱ランサーエボリューション)という気の抜けない展開となっている。

JN5クラスは、序盤から好タイムを連発した川名賢/キャシー・デュロッソウ(シトロエンDS3 R3-MAX)がSS8まで首位を維持したものの、SS8でミッショントラブルに見舞われ、初日の最終サービスには帰ってくるものの、そこでリタイアとなってしまった。代わって小濱勇希/馬場雄一(シトロエンDS3 R3-MAX)が首位に浮上、2番手には今季初参戦となる昨年のチャンピオン柳澤宏至/中原祥雅(プジョー208 R2)、3番手にはいまひとつ噛み合わなかった眞貝知志/安藤裕一(アバルト500ラリーR3T)が続いている。

JN4クラスは、3連続ベストで抜け出した山本悠太/藤田めぐみ(トヨタ86)が、連勝中の曽根崇仁/桝谷知彦(トヨタ86)を約16秒引き離しトップ。2番手にターマック3連勝中の曽根、3番手はSS7で石川昌平/竹藪英樹(トヨタ86)を逆転した山口清司/山本磨美(トヨタ86)が浮上している。

JN3クラスは、天野智之/井上裕紀子(トヨタ・ヴィッツ)が、モントレーを得意とする内藤学武/小藤桂一(マツダ・デミオ)を振り切り初日をトップで終える。12秒差の2番手に内藤、3番手には加藤英祐/塩田卓史(トヨタ・ヴィッツ)がつける。

JN2クラスは、ドライ路面だった序盤に加納武彦/横手聡志(スバルBRZ)が3連続ベストタイムでトップに浮上するが、ウエットコンディションとなった中盤から明治慎太郎/北田稔(トヨタ86)が驚異的な追い上げをみせ単独首位に浮上。加納が2番手、猪股寿洋/齊藤孝太(スバルBRZ)が3番手で初日を折り返している。

JN1クラスは、3本のベストタイムをマークした小川剛/佐々木裕一(ホンダ・フィット)が、4本のベストを刻んだ須藤浩志/新井正和(スズキ・スイフトスポーツ)に4.7秒差の首位。須藤から7.5秒遅れの3番手には、午前中のSSでフライングスタートしてしまい、そのペナルティの影響が大きかった古川寛/遠藤彰(スズキ・スイフトスポーツ)がつけている。

デイ2

11日(日)のデイ2は、デイ1で使用したステージの逆走コースが主舞台となり、雨と霧に翻弄されたデイ1とはうってかわり、早朝から爽快な青空が広がるドライコンディションでの戦いとなった。

新井が奴田原に対し2.8秒のリードで迎えたデイ2は、奴田原が2度のベストタイムを奪い、SS12を終えて1.9秒差まで詰め寄る展開となった。だが、奴田原はSS16でコースオフ&パンクを喫し約20秒をロス。新井が最後まで逃げ切り、今季初勝利とともにモントレー3連覇を達成した。2位は奴田原、3位にはデイ1の後半から持ち直した勝田が入賞した。以下、4位はデイ1の遅れが最後まで響いた鎌田、5位は竹内、6位は村瀬と、上位6台中4台がスバルユーザーとなった。

JN5クラスは、デイ1で30秒以上のマージンを築いた小濱がデイ2でも独走。5つのSSでベストタイムを重ね、第2戦からの連勝記録を4に伸ばした。2位には今季初出場の柳澤が入賞、その柳澤を追いかけていた眞貝はSS11でコースオフによりリタイアとなり、柳澤と同じく今季初出場となったMINIの大橋逸夫/木村裕介が我慢の走りで3位に入賞した。

JN4クラスは、初日トップの山本を曽根が追う展開。しかし、タイム差は徐々に開いていったうえに、曽根がSS12で痛恨のコースオフ。山本がそのまま逃げ切り、曽根の連勝を阻止して今季初優勝を飾った。2位は山口、3位には前戦のクラッシュから短期間でマシンを修復してきた石川が入賞した。

JN3クラスは、デイ1に続きデイ2でもベストタイムを連発した天野が開幕5連勝を達成。内藤と、渡部哲成/松浦俊朗の若手デミオ勢が揃って表彰台を獲得した。デイ1からエンジンが不調だった大倉聡/豊田耕司(トヨタ・ヴィッツCVT)は4位に終わった。

JN2クラスは、明治がデイ1で築いたマージンを守り、今季3勝目をマーク。2位はドライコンディションでの速さが光った加納、3位は雪の嬬恋で勝利した猪股が、デイ1のポジションを守り切りフィニッシュした。

JN1クラスは、デイ1で2番手につけていた須藤がデイ1トップの小川を早々に逆転。小川も食い下がるが3.4秒届かず、須藤が2連勝、2位に小川、3番手には古川と伊藤隆晃/大高徹也(日産ノートNISMO S)が同タイムで並んだが、選手権規定によりSS1のタイムが伊藤よりも速かった古川が3位に入った。

(RALLY PLUS)

総合結果

順位 クラス ドライバー/コ・ドライバー 車名 タイム
1 JN6-1 新井敏弘/田中直哉 スバルWRX STI 48:37.5
2 JN6-2 奴田原文雄/佐藤忠宜 三菱ランサーエボリューションX 48:59.6
3 JN6-3 勝田範彦/石田裕一 スバルWRX STI 49:27.7
9 JN5-1 小濱勇希/馬場雄一 シトロエンDS3 R3-MAX 50:56.0
13 JN2-1 明治慎太郎/北田 稔 トヨタ86 52:06.8
14 JN4-1 山本悠太/藤田めぐみ トヨタ86 52:10.7
23 JN1-1 須藤浩志/新井正和 スズキ・スイフトスポーツ 54:25.1
25 JN3-1 天野智之/井上裕紀子 トヨタ・ヴィッツRS 54:29.5

注)クラス区分については全日本ラリー選手権ガイダンスをご覧ください。

参考総合結果表: リザルト(PDF) リザルト(Excel)

ご注意:ここに掲載の本レポートおよび結果表等はJRCA/RALLY PLUSが独自に取材、入手したものでJAF公式発表のものではありません。従ってJRCA以外から発表されるそれらのものと若干異なる場合や誤りのある場合もありますので、あらかじめご了承のうえ参考資料としてご覧ください。

ダイジェスト動画

2017年 全日本ラリー選手権 第5戦 群馬

イベントフォト

JN6クラス優勝 新井敏弘/田中直哉

JN5クラス優勝 小濱勇希/馬場雄一


JN4クラス優勝 山本悠太/藤田めぐみ


JN3クラス優勝 天野智之/井上裕紀子


JN2クラス優勝 明治慎太郎/北田稔


JN1クラス優勝 須藤浩志/新井正和