2017 ARK ラリー洞爺 Supported by Sammy

開催日時:6月30日(金)〜7月2日(日)
開催場所:北海道洞爺湖町
スペシャルステージ本数:15本
スペシャルステージ総距離:89.12km
ラリー総距離:499.06km
SS路面:グラベル
SS路面状況:ドライ
ポイント係数:1.2

全日本ラリー選手権第6戦「2017 ARK ラリー洞爺 Supported by Sammy」が6月30日(金)〜7月2日(日)の日程で行われ、初日を2番手で終えた鎌田卓麻/市野諮(スバルWRX STI)が再逆転を果たし、今季初優勝を遂げた。

今年も例年同様、30日(金)夕方にスーパーSS「NEW VOLCANO 1」を実施。翌1日(土)から、今大会最長となる11.24kmの「STREAM」、8.04kmの「KNOLL」、ギャラリーステージが設定されている5.43kmの「MAGNOLIA」を2回ループし、「VOLCANO」で締めくくるコース設定だ。3カ所の林道SSはラリーで初めて使用する蘭越町でのステージ。全日本ラリーで初走行となるこのステージに多くの選手が苦しめられ、出走した54台のうちデイ1を走り切ったのは34台という、大荒れのサバイバルラリーの様相を呈した。

デイ1

JN6クラスは、30日(金)のSSSで鎌田が首位を奪取。奴田原文雄/佐藤忠宜(三菱ランサーエボリューション)、新井敏弘/田中直哉(スバルWRX STI)、勝田範彦/石田裕一(スバルWRX STI)、福永修/齊田美早子(三菱ランサーエボリューション)と続く。翌1日(土)になると、SS2で新井がスタート直後にコースオフによりデイ離脱、SS5では首位の鎌田が前走車に引っかかっている間に奴田原が首位に浮上。ところがSS6ではその奴田原がフィニッシュ500m手前でロールオーバーしリタイア、さらに竹内源樹/加勢直毅(スバルWRX STI)がフロントサスペンションを傷めデイ離脱と、上位陣が次々と脱落するサバイバル戦となった。最終的にはSS5とSS7でベストタイムをたたき出した勝田が首位、4.2秒遅れで鎌田がつける展開でデイ1を終えた。3番手には全日本ラリーに久々の復帰となる高山仁/竹藪英樹(スバルWRX STI)が2分47秒1差で付け、JN6クラス初挑戦となる寺川和紘/石川美代子(三菱ランサーエボリューション)が高山に1.2秒差の4番手に迫っている。

JN5クラスは、昨年柳澤宏至がチャンピオンを獲得したプジョー208 R2で走る川名賢/保井隆宏が、総合5番手という驚異的な速さでクラス首位で折り返す。選手権を大きくリードしている小濱勇希/馬場雄一(シトロエンDS3 R3-MAX)が2番手、3番手に鷹野健太郎/ヤナのMINIというオーダーだ。

JN4クラスは、ホンダ・シビックタイプRの香川秀樹/北田稔がSS2から首位を快走。昼のサービスを挟んだSS5では2番手、3番手を走行していた小倉雅俊/平山真理と山口貴利/山田真記子のダイハツ・ブーンX4勢が相次いで脱落し、香川が独走態勢を築く。だが、その香川もSS6でコースオフ。上位陣が次々と脱落するなか、首位に立ったのが今回がシェイクダウンとなり、全日本には3年ぶりの参戦となるFN2型ホンダ・シビックタイプRの上原淳/漆戸あゆみだ。9秒遅れの2番手にはポイントリーダーの曽根崇仁/桝谷知彦(トヨタ86)が、山口清司/山本磨美(トヨタ86)が大きく離されながらも3番手で初日を折り返した。

JN3クラスは、CVTヴィッツの大倉聡/豊田耕司がSS4まで首位を走るが、SS5でフロントサスペンションを傷め大幅にタイムダウン。午前中のステージでは大倉の後塵を浴びていた天野智之/井上裕紀子(トヨタ・ヴィッツ)が首位に立ち、大倉が2番手、藤田幸弘/藤田彩子(マツダ・デミオ)が3番手となっている。

JN2クラスは18年ぶりにコンビ復活を果たした石田雅之/高杉哲也(トヨタ86)が円熟の走りを披露し独走。SS1でドライブシャフトを痛めSSSルールにより復活を果たした猪股寿洋/高篠孝介(トヨタ86)が2番手、桝井和寛/山田正樹(トヨタ86)が3番手という展開だ。

JN1クラスは、古川寛/遠藤彰(スズキ・スイフトスポーツ)がSS4を終え総合11番手、2WD勢ではJN5クラスの川名に次ぐ2番手という圧倒的な速さを見せるが、SS5のパンクで首位の座を須藤浩志/新井正和(スズキ・スイフトスポーツ)に明け渡す。さらに続くSS6でコースを外れ痛恨のリタイア。初日は須藤が総合11番手となる独走態勢で折り返し、久々の全日本出場となる地元ベテランの田中伸幸/星野元(スズキ・スイフトスポーツ)が2番手、九州のベテラン三苫和義/小林剛(ホンダ・フィット)が3番手となっている。

デイ2

7月2日(日)のステージは、6.80kmの「SEA TANGLE」、2.98kmの「PLUM」、9.02kmの「LAVENDER LONG」を、スーパーSSの「SSS NEW VOLCANO」を挟んで2度走行する7SS。例年使用しているSSのため、ステージの特徴や路面状況を熟知している選手たちにとって、僅差の勝負となることが予想された。

勝田が鎌田を4.2秒差に抑える首位で2日目を迎えたJN6クラスは、午前中に行われた3本のSSで鎌田が連続ベストタイムをマークし、この日の最長ステージとなるSS11でついに勝田を再逆転することに成功。その後も常に勝田を上まわるタイムで少しずつリードを広げた鎌田は、勝田に6.8秒差で待望の今季初優勝を飾った。この鎌田の優勝により、今シーズンのJN6クラスは第6戦を終えて5人目のウイナーが誕生する混戦模様となっている。

JN5クラスは、デイ1にクラス首位に立った川名がライバルの小濱を寄せ付けず、2分30秒以上の大差をつけて今季初優勝。総合でも6位に入る健闘をみせた。2位には小濱、3位には鷹野が入賞している。

JN6クラス以上のサバイバル戦となったJN4クラスは、初日2番手につけた曽根が、上原との差を一時2.0秒差まで縮めるも逆転はならず、上原がそのまま逃げ切り、2012年の同ラリー以来となる全日本優勝を果たした。2位には曽根が入賞してシリーズポイントをしっかりと加算、山口清司/山本磨美(トヨタ86)が3位表彰台を獲得した。

JN3クラスは、首位を独走する天野に対して、2番手の大倉が3連続ベストタイムをマークしてその差を縮めるが、反撃もここまで。天野も午後のSSで連続ベストをたたき出し、開幕戦から6連勝を達成。2位は大倉、3位には藤田が入賞した。

JN2クラスは、デイ1で2番手以降に圧倒的大差を築いた石田が、スーパーSS以外の林道ステージすべてでトップタイムをマーク。18年ぶりの名コンビ復活を優勝で祝った。猪股が2位、桝井が3位に入った。

JN1クラスは、須藤が、デイ1で蓄えたリードをうまく使って首位でフィニッシュ。今季3勝目を挙げた。2位は地元北海道のベテランドライバーである田中、3位は三苫が入賞している。

(RALLY PLUS)

総合結果

順位 クラス ドライバー/コ・ドライバー 車名 タイム
1 JN6-1 鎌田卓麻/市野諮 SYMS DL TEIN WRX STI 1:07:52.8
2 JN6-2 勝田範彦/石田裕一 ラックSTI 名古屋スバル DL WRX 1:07:59.6
3 JN6-3 寺川和紘/石川美代子 インディゴパワー藤井自動車ランサー 1:12:37.8
6 JN5-1 川名賢/保井隆宏 YHクスコラリープラス208 R2 1:14:46.6
7 JN3-1 天野智之/井上裕紀子 豊田自動織機・DL・ヴィッツRS 1:16:09.2
8 JN4-1 上原淳/漆戸あゆみ DL・シャフト・KTEC・タイプRユーロ 1:16:56.4
10 JN2-1 石田雅之/高杉哲也 復活コンビ!TRDプロクル86 1:17:04.2
13 JN1-1 須藤浩志/新井正和 スマッシュBRIGダイニチYHスイフト 1:17:26.1

注)クラス区分については全日本ラリー選手権ガイダンスをご覧ください。

参考総合結果表: リザルト(PDF) リザルト(Excel)

ご注意:ここに掲載の本レポートおよび結果表等はJRCA/RALLY PLUSが独自に取材、入手したものでJAF公式発表のものではありません。従ってJRCA以外から発表されるそれらのものと若干異なる場合や誤りのある場合もありますので、あらかじめご了承のうえ参考資料としてご覧ください。

ダイジェスト動画

2017年 全日本ラリー選手権 第6戦 洞爺

イベントフォト

JN6クラス優勝 鎌田卓麻/市野諮

JN5クラス優勝 川名賢/保井隆宏

JN4クラス優勝 上原淳/漆戸あゆみ

JN3クラス優勝 天野智之/井上裕紀子

JN2クラス優勝 石田雅之/高杉哲也

JN1クラス優勝 須藤浩志/新井正和