ツール・ド・九州2015 in 唐津
開催日時:4月10日(金)〜12日(日)
開催場所:佐賀県唐津市周辺
スペシャルステージ本数:14本
スペシャルステージ総距離:71.23km
ラリー総距離:301.97km
SS路面:ターマック(舗装路)
SS路面状況:デイ1/ウエット・ドライ、デイ2/ドライ
ポイント係数:1.0
全日本ラリー選手権第1戦唐津ラウンドは、デイ1の最終SSで0.5秒差のトップに立った勝田範彦/足立さやか(スバルWRX STI)がデイ2も後続との差を広げ、2006年に同ラリーが初開催されて以来10年連続となる優勝を成し遂げた。2位はトップと5.5秒差で奴田原文雄/佐藤忠宜(三菱ランサーエボリューションⅩ)が入賞、トップと48秒差の3位はニューマシンを投入した新井敏弘/田中直哉(スバルWRX STI)が入賞した。
デイ1
8本のSSが用意された初日は、4.26kmと3.95kmのSSを3回、11.76kmのSSを2回ループするという設定だ。前日に降った雨の影響が残り、ハーフウエット状態からスタートした序盤のSS1は新井敏弘/田中直哉(スバルWRX STI)がベストタイム。同じく路面が濡れていたSS2は奴田原がベストタイムをマークし、新井に2.3秒差の首位に躍り出る。
一方、ドライセッティングで挑んだ勝田は、SS2を終えた時点でトップの奴田原から9.7秒差の3番手と大きく出遅れてしまう。だが、ドライ路面となったSS3で一気に挽回。奴田原に3.5秒差の2番手に浮上する。その後は一進一退の攻防が続き、SS7を終えた時点で両者の差は4.1秒に拡大。そして、SS3のリピートステージとなるSS8で、勝田が奴田原に4.6秒差のベストタイムをマークして逆転に成功。トータル0.5秒差でデイ1を折り返した。
ウエットセッティングで挑んだ新井は、ドライ路面となったSS3以降からタイムが伸びずに勝田から20.1秒差の3番手。新井と同じく新型WRX STIを投入した鎌田卓麻/市野諮は、SS5の途中からフロントの駆動系から異音がし始め、SS5をフィニッシュ後にデイリタイアとなった。
2年連続で86がチャンピオンとなったJN5クラスは、アバルト500ラリーR3Tの眞貝知志/漆戸あゆみがトップ、SS5のスピンで出遅れたトヨタ・ヴィッツGRMNターボの天野智之/井上裕紀子がトップから13.1秒差の2番手、プジョー208GTiを投入した柳澤宏至/中原祥雅がトップから18.1秒差の3番手と、ニューカマー勢が上位に並んだ。
JN4クラスは、石川昌平/石川恭啓と小濱勇希/馬場雄一ら20代ドライバーのスバルBRZがトップ争いを展開。JN5クラスでも4番手という速さをみせた石川が、小濱に4.9秒差のトップで初日を折り返した。
そのほか、JN3クラスは岡田孝一/鶴田邦彦(マツダ・デミオ)が、JN2クラスでは田中伸幸/藤田めぐみ(スズキ・スイフト)らベテラン勢が、2番手以降に大差を付けトップで折り返している。また、誰が勝っても全日本ラリー初優勝という戦いとなったJN1クラスは、松田保夫/杉原慶彦(マツダRX-8)がトップで初日を折り返した。
2日目は、3本のSSを2回ループする23.08km。勝田が逃げ切り前人未踏の10連覇を達成するのか、それともディフェンディングチャンピオンの奴田原が再逆転を果たすのか、午後からは雨の確率が40%という天候とともに、目が離せない勝負が予想される。
デイ2
朝から日が差し、ドライコンディションとなった2日目は、勝田が一気にスパートをかけてオープニングのSS9と続くSS10を連取。2番手の奴田原との差を4.1秒に広げる。サービス後のSS12は奴田原がベストタイムをマークしてその差を3.3秒に縮めるが、続くSS13で勝田がこの日3回目のベストタイムをマークし、奴田原との差を7.0秒まで拡大。勝負はここで決した。最終SSとなるSS14は奴田原が1.5秒タイム差縮めてくるものの、勝田がマージンを生かし切り逃げ切った。
優勝の勝田は、「10年間、いろいろな勝負の展開があったけど、ここ数年は1秒を争う厳しい戦いが続いてきた。それでも勝ち続けることができているのは、このラリーのステージをうまく攻略できているからだと思う。特にロングステージの三方林道は、僕の走り方とリズムが合っている。マシン、タイヤ、セッティングとも、自信を持って挑めるのが、10連覇の原動力だと思う」と、喜びのコメントを語った。
アバルト500ラリーR3Tの眞貝知志/漆戸あゆみ、トヨタ・ヴィッツGRMNターボの天野智之/井上裕紀子、プジョー208GTiの柳澤宏至/中原祥雅の三つ巴の戦いとなったJN5クラスは、2日目に入りトヨタ86の石田雅之/遠山裕美子がSS10で2番手タイムをマークし柳澤と同タイムの3番手に浮上。4台による表彰台争いの様相となった。そんななか、初日トップの眞貝はその後も順調に好タイムをマークしてトップの座を死守し、開幕戦を制した。2位争いは、SS9で柳澤、SS10で天野と目まぐるしくポジションが変わるなか、SS12で石田が柳澤、天野を捉え2位に浮上。そのまま2位の座を勝ち獲った。3位にはわずか0.8秒差の3位に天野が入賞した。
JN4クラスは、初日トップの石川昌平/石川恭啓(スバルBRZ)が逃げ切り全日本ラリー初優勝、JN3クラスは初日のマージンを活かし切った岡田孝一/鶴田邦彦(マツダ・デミオ)が優勝、JN2クラスも初日トップの田中伸幸/藤田めぐみ(スズキ/スイフトスポーツ)が優勝、JN1クラスは、全日本ラリー初出場の松田保夫/杉原慶彦(マツダRX-8)が、デビュー戦で見事な優勝を飾った。
ターマックラウンド第2戦となる全日本ラリー選手権第2戦「久万高原ラリー」は、5月8日(金)〜10日(日)の日程で、愛媛県浮穴郡久万高原町を舞台に開催される。
(RALLY PLUS)
総合結果
順位 | クラス | ドライバー/コ・ドライバー | 車名 | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | JN6-1 | 勝田範彦/足立さやか | ラック名古屋スバルDL WRX STI | 1:01:34.4 |
2 | JN6-2 | 奴田原文雄/佐藤忠宜 | ADVAN-PIAAランサー | 1:01:39.9 |
3 | JN6-3 | 新井敏弘/田中直哉 | フジスバルアライモータースポーツWRX | 1:02:27.9 |
12 | JN5-1 | 眞貝知志/漆戸あゆみ | ABARTH 500 Rally R3T | 1:05:29.8 |
15 | JN4-1 | 石川昌平/石川恭啓 | ARTAオートバックスBRZ | 1:05:51.3 |
20 | JN3-1 | 岡田孝一/鶴田邦彦 | キーストーンナビゲーターDLデミオ | 1:07:00.8 |
27 | JN2-1 | 田中伸幸/藤田めぐみ | 加勢eレーシングBSクスコWMスイフト | 1:09:05.7 |
36 | JN1-1 | 松田保夫/杉原慶彦 | SRS-RX8 | 1:10:34.8 |
注)クラス区分については全日本ラリー選手権の基礎知識をご覧ください。
参考総合結果表: 2015_rd01(PDF) 2015_rd01(Excel)
ご注意:ここに掲載の本レポートおよび結果表等はJRCA/RALLY PLUSが独自に取材、入手したものでJAF公式発表のものではありません。従ってJRCA以外から発表されるそれらのものと若干異なる場合や誤りのある場合もありますので、あらかじめご了承のうえ参考資料としてご覧ください。