若狭ラリー2015
開催日時:6月5日(金)〜7日(日)
開催場所:福井県大飯郡おおい町周辺
スペシャルステージ本数:14本
スペシャルステージ総距離:75.08km
ラリー総距離:510.57km
SS路面:ターマック(舗装路)
SS路面状況:デイ1/ウエット・ドライ、デイ2/ドライ
ポイント係数:1.0
全日本ラリー選手権第3戦若狭ラリーは、初日トップの奴田原文雄/佐藤忠宜(三菱ランサーエボリューションX)が、SS10でタービンブローを喫しまさかの戦線離脱。代わってトップに立った勝田範彦/足立さやか(スバルWRX STI)が、ベストタイムを連発して2位に浮上した福永修/鈴木裕(三菱ランサーエボリューションX)とのバトルを制し、今季2勝目を飾った。
ラリー概要
福井県内で行われる全日本ラリーとしては14年ぶりの開催となる全日本ラリー第3戦「若狭ラリー」は、すべてのSSが全日本ラリーで初めて使用するステージで構成されている。デイ1のステージは、セクション1で2本の林道ステージを2回ループし、サービスを挟んだセクション2は有料観光道路の「レインボーライン」と福井県おおい町の総合運動公園「プレーパーク大飯」に設けられた590mの特設ステージを2回ループするという設定だ。
デイ1
セレモニアルスタートが行われた金曜日の夕方から降り始めた雨は、デイ1が行われた土曜日の早朝から本格的な雨となり、セクション1はウエットコンディションとなった。そのなか、SS1は奴田原がベストタイム、SS2は勝田がベストタイムを奪うという一進一退の攻防となったが、勝田はSS1/3での遅れが響き、奴田原に7.7秒差で最初のサービスに戻ってくる。さらに、このサービスで勝田はリグループインのTCに1分遅れて10秒のペナルティを受けてしまったため、両者の差は17.7秒差まで拡大した。
サービスを挟んだ午後から天候が一気に回復し、ドライコンディションとなったセクション2は、勝田が奴田原との差を3.5秒縮めるに留まり、セクション1のマージンを生かした奴田原が初日のトップを守りきった。一方、第2戦優勝の新井敏弘/田中直哉(スバルWRX STI)は、ウエットコンディションのセクション1でタイヤ選択に失敗し、奴田原から23.4秒差の3番手で折り返した。
JN5クラスは、SS2でベストタイムを奪った大倉聡/北田稔(トヨタ86)が、デイ1終盤のSS6までその座を守るが、SS7で眞貝知志/漆戸あゆみ(アバルト500ラリーR3T)が逆転。大倉に対し4.0秒差のトップでデイ1を折り返した。3番手には天野智之/井上裕紀子(トヨタ・ヴィッツターボ)がつけ、第2戦を制した柳澤宏至/中原祥雅(プジョー208GTi)は、SS1で岩にヒットした影響でショックアブソーバーが破損し、トップの眞貝から16.4秒差の4番手。
そのほか、JN4クラスはこの第3戦に新車のトヨタ86を投入した番場彬/亀森隆志が、上位陣が次々とリタイアしたJN3クラスは島田章/石黒祐輔(マツダ・デミオ)が、JN2クラスは中井育真/佐土原憲一(マツダ・デミオ)がそれぞれトップで折り返した。JN1クラスは昨年のクラスチャンピオン中村晃規/古川智崇が総合10位、JN5クラストップの眞貝と1.9秒差という速さで独走している。
デイ2
ドライコンディションで争われた2日目は、この日2本目のSSとなるSS10で大波乱が起きた。初日をトップで折り返した奴田原は、このSSをスタートした直後にタービントラブルに見舞われ、トップから2分以上遅れてフィニッシュした後、そのままリタイアとなってしまった。奴田原のリタイアによりトップに立った勝田だが、今度はその勝田に福永が襲いかかる。初日、2本のハイスピードSSを制した福永は、2日目も同じステージのSS9、10でベストタイムを連発。さらにショートステージのSS11で新井敏弘/田中直哉(スバルWRX STI)とベストタイムを分け合い、テクニカルステージのSS11でもベストタイムをマークし、初日を終えた時点で12.1秒あった勝田との差を一気に2.2秒差にまで縮めてくる。
一方、逃げ切りを図る勝田だが、SS13ではゴール手前で痛恨のスピン。これで福永がトップに浮上するかに思われたが、その福永も同SSをスタートした直後にまさかのスピンを喫し、ふたりの差は5.2秒差まで拡大する。
残すは590mのギャラリーSS1本。だが、勝田のマシンはSS13のスピンが原因で左リヤサスペンションのアームが曲がった状態だ。最終SSまで目が離せない展開となったが、勝田はこのSSを必死に走り切り、福永から2.2秒遅れのタイムでフィニッシュ。わずか3秒というタイム差で逃げ切りに成功し、今季2勝目を獲得した。2位には福永が、3位には新井が入賞した。
JN5クラスは、初日の序盤に出遅れて3番手で折り返した天野智之/井上裕紀子(トヨタ・ヴィッツターボ)が猛烈な勢いで追い上げを開始。SS12で大倉聡/北田稔(トヨタ86)を捕らえ2位に入賞する快走を見せた。一方、初日トップの眞貝知志/漆戸あゆみ(アバルト500ラリーR3T)は、天野に8.8秒差まで追い上げられるものの、初日のマージンを十分に生かし、今季2勝目を挙げた。3位には大倉、4位には初日の遅れが最後まで響く結果となった柳澤宏至/中原祥雅(プジョー208GTi)が入賞した。
JN4クラスは、初日トップの番場彬/亀森隆志(トヨタ86)が逃げ切り全日本初優勝。JN3クラスは、2日目オープニングのSS9でいとうりな/新井祐一(マツダ・デミオ)がトップに躍り出るという展開となったが、SS12では初日トップの島田章/石黒祐輔(マツダ・デミオ)がトップに再浮上、さらにSS13では初日3番手の武田雄一郎/鈴木和人(トヨタ・ヴィッツRS)がトップに立つという目まぐるしい展開となったが、その武田が逃げ切り優勝を飾った。またJN2クラスでも初日トップの中井育真/佐土原慶一(マツダ・デミオ)が優勝と、全日本初優勝ラッシュの第3戦となった。また、JN1クラスは初日トップの中村晃規/古川智崇が逃げ切り、今季初優勝を飾った。
(RALLY PLUS)
総合結果
順位 | クラス | ドライバー/コ・ドライバー | 車名 | タイム |
---|---|---|---|---|
1 | JN6-1 | 勝田範彦/足立さやか | ラック名古屋スバルDL WRX STI | 54:07.2 |
2 | JN6-2 | 福永 修/鈴木 裕 | オサムファクトリー・DL・CZ4A | 54:10.2 |
3 | JN6-3 | 新井敏弘/田中直哉 | フジスバルアライモータースポーツWRX | 54:25.2 |
8 | JN5-1 | 眞貝知志/漆戸あゆみ | ABARTH500RallyR3T DL | 56:42.3 |
14 | JN1-1 | 中村晃規/古川智崇 | DLディクセルNETracingRX-8 | 57:15.8 |
15 | JN4-1 | 番場彬/亀森隆志 | ADVAN Gd 高崎くす子 86 | 57:45.9 |
25 | JN2-1 | 中井育真/佐土原慶一 | デューポイント・DL・フィルインSデミオ | 1:00:38.8 |
29 | JN3-1 | 武田雄一郎/鈴木和人 | シロキヤ・DL・BRIG・ヴィッツwCCP | 1:01:10.8 |
注)クラス区分については全日本ラリー選手権の基礎知識をご覧ください。
参考総合結果表: 2015_rd03(PDF) 2015_rd03(Excel)
ご注意:ここに掲載の本レポートおよび結果表等はJRCA/RALLY PLUSが独自に取材、入手したものでJAF公式発表のものではありません。従ってJRCA以外から発表されるそれらのものと若干異なる場合や誤りのある場合もありますので、あらかじめご了承のうえ参考資料としてご覧ください。