がんばろう!福島MSCCラリー2015

開催日時:7月23日(木)〜26日(日)
開催場所:福島県東白川郡棚倉町・鮫川村・いわき市
スペシャルステージ本数:15本
スペシャルステージ総距離:62.02km
ラリー総距離:458.94km
SS路面:グラベル(非舗装路)
SS路面状況:デイ1/ドライ、デイ2/ドライ
ポイント係数:1.2

全日本ラリー選手権第5戦福島は、初日をトップで折り返した新井敏弘/田中直哉(スバルWRX STI)が、2日目もデイトップを奪う走りで今季3勝目を獲得した。2位には勝田範彦/足立さやか(スバルWRX STI)、3位に炭山裕矢/保井隆宏(スバルWRX STI)が入賞し、新型WRX STIが今季2度目となる表彰台独占を果たした。

ラリー概要

第4戦に続きグラベルラリーとして開催された全日本ラリー第5戦「がんばろう福島!MSCCラリー」は、今年はカレンダー変更により、梅雨が明けた7月25日にデイ1が行われた。例年、路面に深い轍が刻まれ、さらにガレ場が多いためにリタイアが続出するサバイバルラリーとなることの多いこのラリーだが、今年はさらに湿度が高い上に気温が30度近くまで上昇。オーバーヒートはもちろん、暑いコクピットはクルーの体力も奪い、マシンにも選手にも厳しいラリーとなり、デイ1で8台のマシンが姿を消すというサバイバル戦となった。

デイ1

このラリーで新型WRX STIを投入した勝田がSS1でベストタイムをマーク。ラリーの前日にマシンが完成し、このラリーがシェイクダウンとなった勝田だったが、最高の滑り出しを見せた。だが、続くSS2では新井がベストマークを奪い勝田を逆転。SS3でもベストタイムを重ねた新井は、SS4を終えた時点で勝田との差を6.0秒差に広げる。一方、勝田もSS1のリピートステージとなるSS5、さらにSS2のリピートステージとなるSS6で応酬。新井との差を一気に1.8秒差にまで縮めてくる。息詰まる攻防戦となったふたりの戦いは、SS7で新井がこの日3回目のベストタイムをたたき出し、SS8を終えて勝田に5.7秒差を付けて初日のトップを奪った。

JN5クラスは、第4戦優勝の関根正人/竹下紀子(三菱ミラージュRS)がこのラリーでも快走を見せ、ショートステージのギャラリーSS以外、すべての林道ステージでベストタイムを連発。「TOYOTA GAZOO Racing」として出場した勝田貴元/石田裕一(トヨタ・ヴィッツGRMNターボ)に50.6秒差を付け、デイ1のトップを奪った。3位にはベテランの石田雅之/遠山裕美子(トヨタ86)が付けている。一方、第4戦で激しくクラッシュした天野智之/井上裕紀子(トヨタ・ヴィッツGRMNターボ)は、短期間でマシンを修復しこのラリーに出場するものの、SS1でターボパイプが外れてしまうトラブルが発生。SS4を終えた時点で6番手まで順位を下げたが、デイ1を終えた時点で4番手まで順位を上げている。

JN3クラスとJN2クラスは、中盤までトップを奪っていたクルーに相次いでアクシデントが襲った。SS3までJN3クラスのトップに立っていた岡田孝一/大久保叡(マツダ・デミオ)は、そのSS3で燃料タンクを破損。SS3をフィニッシュ後にガス欠状態となり、デイリタイヤとなった。そのため、第4戦で優勝を飾った寺川和紘/石川美代子(マツダ・デミオ)がSS4でトップに浮上。第4戦に続きこのラリーでも連勝を狙う。JN2クラスは、この日の最終SSとなるSS8のフィニッシュ直前でクラストップの高橋悟志/箕作裕子(トヨタ・ヴィッツRS)がダンパーを折損してしまいコースアウト。スーパーSS規定によりオフィシャルによりコース外に排除されサービスに戻ることはできたが、規定により3分のペナルティを受けトップの座を中西昌人/廣島真(スズキ・スイフトスポーツ)に明け渡した。

デイ2

朝から気温がグングンと上昇し、最高気温が30度を超える猛暑となった2日目は、初日トップの新井(敏)がオープニングのSS9でベストタイムをマーク。初日2番手の勝田との差を10.2秒に拡大した。その後も新井はSS13と14でベストタイムを重ね、初日に続き2日目もデイトップを獲得。SS11と最終SSのSS15でベストタイムを奪い、粘りをみせる勝田に対し12.7秒の差を付け、今季3勝目を飾った。2位には勝田が、3位には、この日2本のSSでベストタイムをマークした炭山が、初日3番手の奴田原文雄/佐藤忠宜(三菱ランサーエボリューションX)を捉え入賞した。その結果、JN6クラスは第2戦久万高原に続き、新型WRX STIが表彰台を独占する1-2-3フィニッシュを達成した。

JN5クラスは、初日首位の関根正人/竹下紀子(三菱ミラージュ)が、SS9のジャンクションをオーバーシュート。あわやリタイアの危機に直面したがなんとかコースに復帰を果たし、初日に築いた大量リードに守られながらトップの座を譲らずフィニッシュ。第4戦洞爺に続きグラベルラウンド2連勝を果たした。2位には、初のFFながらも初日を2番手で折り返した勝田貴元/石田裕一(トヨタ・ヴィッツGRMNターボ)が入賞。2日目はデイトップを奪う速さを披露し、初日は50.6秒あったタイム差を35.5秒差にまで縮めてみせた。3位には、初日3番手の石田雅之/遠山裕美子(トヨタ86)が入賞した。

そのほか、JN3は初日トップの寺川和紘/石川美代子(マツダ・デミオ)が、2日目を終始安定したペースで走りきりトップの座を譲らず優勝。JN5クラスの関根と同様に、こちらもグラベルラウンド2連勝を果たした。また、JN2クラスも初日トップの中西昌人/廣島真(スズキ・スイフトスポーツ)が、2日目もトップの座を堅守。自身にとっては昨年のラリー北海道以来、JN2クラス移籍後では初となる優勝を獲得した。

(RALLY PLUS)

総合結果

順位 クラス ドライバー/コ・ドライバー 車名 タイム
1 JN6-1 新井敏弘/田中直哉 フジスバルアライモータースポーツWRX 59:54.5
2 JN6-2 勝田範彦/足立さやか ラックSTI名古屋スバルDL WRX 1:00:07.2
3 JN6-3 炭山裕矢/保井隆宏 ADVAN CUSCO WRX-STI 1:00:36.8
10 JN5-1 関根正人/竹下紀子 GセキネンDLWMMOTULミラージュ 1:05:45.4
15 JN3-1 寺川和紘/石川美代子 四国産直市場BRIG恵歯会HWデミオ 1:08:25.1
22 JN2-1 中西昌人/廣島 真 ADVAN・WM・KYBマクゼススイフト 1:11:28.4

注)クラス区分については全日本ラリー選手権の基礎知識をご覧ください。

参考総合結果表: 2015_rd05(PDF) 2015_rd05(Excel)

ご注意:ここに掲載の本レポートおよび結果表等はJRCA/RALLY PLUSが独自に取材、入手したものでJAF公式発表のものではありません。従ってJRCA以外から発表されるそれらのものと若干異なる場合や誤りのある場合もありますので、あらかじめご了承のうえ参考資料としてご覧ください。

ダイジェスト動画

2015年 全日本ラリー選手権 第5戦 福島

イベントフォト

JN6クラス優勝 新井敏弘/田中直哉